天国的底辺

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悪魔・思い出・一区切り:アニメ『異種族レビュアーズ』12話感想

 私が個人的にとても楽しんできたアニメ『異種族レビュアーズ』も、いよいよ最終第12話となりました。

 1話完結型で、特にこれといったストーリー展開もない本作が、果たしてどのような着地の仕方を見せてくれるのか?

 お話を追いながら、感想を述べていきたいと思います。

 

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嬢達の思い出

 いつもの食酒亭。

 冒頭でスタンク達がテーブルに広げていたのは、これまでに通ってきた嬢達からもらった名刺。

 

異種族レビュアーズ

 

 嬢の個人的なメッセージが書かれていたりして、それぞれが思い出深いものである旨が語られます。

 この辺り、そういうお店だからといって「そんな馬鹿な」と一笑に付すことはできないところ。

 結局は人と人(異種族ですが)とのコミュニケーションなので、関わり合いが生まれれば、それなりに思い出も生まれるものでしょう。

 

 ちなみに、この「思い出」というのはこの最終話のテーマとなっており、後半の展開にもしっかり活きてきます。

 

 それにしても、確か名刺って、私達の現実社会でも決してワールドワイドに常識なわけではなく、日本で特に使われている文化だというのを耳にしたことがあります。

 そういうのを異世界ファンタジーで普通に出してしまい、それが特に抵抗もなく観ることのできるものになっているという点、つくづく「上手くやったなあ」と思いましたね。

 

 さて、そんな名刺の中に、毛色の違う一枚が紛れているのをゼルが発見します。

 それは、いつぞやの選挙シーズンのときに、悪魔族の広報担当から受け取った、悪魔族によるオススメのお店。

 行こう行こうと思いつつ、そのときは他の店の誘惑に負けて行けずじまいだったところです。

 

異種族レビュアーズ

 

 良い機会だとばかりに、今さらではあるものの、このお店に行こうと決めるスタンク達。

 闇属性に耐性のないクリムはお休みということで、残りのメンバーで出かけることになりました。

 

 この展開、「あー、1クールの締めとしてコレがあったか!」と、ちょっと悔しい気持ちになりましたね。

 言われてみれば確かに、悪魔族のお店の件は決着がついていないままです。

 これをラストに持ってくれば、欠けていたものが全部埋まった感も出ますし、伏線回収的な面白味も生まれる。

 いち視聴者として、これは先読みできて然るべきだったと思わされる流れでした。

 

ついに悪魔のお店へ

 そんなわけで一行がやって来たのは、悪魔族のお店『悪魔の穴』。

 

異種族レビュアーズ

 

 最初は普通に愛想が良いだけの受付嬢だったのですが、誰の紹介かと訊ねられて名刺を渡すなり、その態度が豹変。

 いきなりVIPのような待遇を受けることになりました。

 

 一通りの行為を楽しんだあとは、豪華な食事までついてくる、いたれりつくせりな内容。

 

異種族レビュアーズ

 

 悪魔族の説明によれば、あの名刺は実質的に魔王デスアビスの権限が作用しているものであり、契約を重視する悪魔族としては、スタンク達を最高の待遇でもてなすのは至極当たり前のことであるとのことでした。

 

 ここで「契約」というものについて、そこそこの尺が割かれます。

 例えば悪魔族の女性にプロポーズするときに「キミを幸せにする」と言うと、何もせずひたすら命令するような妻になる。

 でも「二人で幸せになろう」という言葉を選ぶと、夫のことも気にかけてくれる良き妻になるのだとか。

 ただしその場合も、子供のことは文言に含まれていないので、ないがしろにするかもしれないとのこと。

 

 本来、悪魔というと「人間を堕落へと誘惑する」存在として語られますが、本作では契約の部分に着目し、そこを強調することでユーモアに繋げています。

 こういう種族設定の掘り下げ方は、これまでに何度も見せてくれた本作の魅力の一つであり、最終話でもきちんとやってくれたという感じですね。

 

魔王と魔導士

 スタンク達の『悪魔の穴』レビューは、大陸を駆け巡っていき、その影響は魔王デスアビスの耳にも入ることになりました。

 デスアビスは選挙の回に登場した巨大ロリキャラで、私の観測の範囲内では、嬢でもないのに視聴者のあいだで結構な人気がある存在です。

 今回はその入浴シーンが、とても長い尺をとって描かれていました。

 

異種族レビュアーズ

 

 お胸のぽっちが可愛らしく描かれていたのですが、そのキャプ画はGoogleアドセンスの規約上、貼ることができません。

 代わりに、素敵な足裏カットがあったので、それをご紹介。

 

異種族レビュアーズ

 

異種族レビュアーズ

 

異種族レビュアーズ

 

 広報担当と、今後の行く末についてあれこれ話し終えたデスアビス。

 一人になった彼女のもとに、ワープのような方法で、魔導士デミアが現れます。

 

異種族レビュアーズ

 

 二人はどうやら旧知の仲であり、かなりざっくばらんにやり取りをできる関係であることが、すぐにわかる描写となっていました。

 

 ここで二人が交わした興味深い会話が、異世界トーク。

 彼女達にとっての異世界というのは、話の内容から察するに、私達の住んでいる現実世界のことです。

 例えば、「飛行機」というものに強い憧れを示すデスアビスに対して、魔素に耐えられない作りになっているからこの世界ではまともに機能しない旨を、デミアが説明します。

 基本的に異世界(私達の世界)の技術は「魔素がないことありき」のもので、本作の世界で使えそうなのは蒸気機関くらいなのだとか。

 

 さらに話は発展し、異世界では嬢の避妊や病気対策として、男性のアレに「風船のようなもの」を被せるだけなのだという話題に。

 そのあまりの「雑で不確かな」やり方に、デスアビスも思わずドン引き。

 

 個人的にこういう、異世界の存在に現実世界を語らせ、ある種の客観視を作り出す手法は好きなので、楽しかったです。

 説教臭くなってしまうと冷めてしまうのですが、本作のように笑いに特化しているぶんには、安心して乗っかれる。

 

 デスアビスのファンにとっては、ここの一連のくだりはいろいろな意味で満たされるものだったのではないでしょうか。

 

年末年始

 後半は時が流れ、年末の場面から始まりました。

 いよいよ年が明けるというとき、食酒亭の皆が信仰にのっとって祈りを捧げる中、その風習を知らないクリムは、一人きょとんとした顔。

 

異種族レビュアーズ

 

 ゼルから話を聞くも、なにぶん自身が天使であり天界の関係者であるため、クリムからしてみれば「地上ではそういう風習があるんですね」というだけの話。

 ここのクリムの爆弾投げっぷりは、信仰というものの本質を突く面白さがありましたね。

 まあ、要するに信仰なんてフィクションなわけでして。

 

 ……という具合に新年を迎えたスタンク達。

 彼らの話題は、年明け一発目をどのお店で済ませるか、ということ。

 ここでは、新しいお店を開拓するのではなく、これまでに行ったことのあるお店の中で気に入った嬢を指名し、良い感じに一年を始めたいということになりました。

 

 しかし、これがなかなか上手くいきません。

 お店はどこも満員御礼で、お気に入りどころか、入れるお店自体がほとんどない状態。

 途方に暮れるスタンク達の前に現れたのが、フェアリーのお店の受付嬢である、アロエでした。

 このキャラも人気ですよね。

 

異種族レビュアーズ

 

 アロエ曰く、フェアリーのお店もとても繁盛していて、その理由は「アレのサイズに自信のない男達がこぞってやって来ているから」なのだとか。

 レビューというのは、高得点がついたからといってそこが繁盛するという単純なものではなく、その性質を事細かに説明されることによって、自分に合ったお店を見つける効果があるのだということが、ここで語られます。

 そういう言い方をすると、スタンク達のやっていることが大変な偉業に思えてくるから面白い。

 

 行くお店がないというスタンク達に、アロエはとあるお店を紹介します。

 もしそこが気に入らなかったら、自分が全身ズリで抜いてやる、と豪語するアロエ。

 そこまで言うならということで、スタンク達はそのお店に向かいました。

 

新年最初を楽しい夢で

 辿り着いたのは、夢魔のお店『夢のリピーター』。

 その店名で何となく察しがつきますが、このお店に入ったスタンク達の前に、これまでに相手をしてきてとても気に入っている嬢達が次々と現れます。

 

異種族レビュアーズ

 

異種族レビュアーズ

 

異種族レビュアーズ

 

 最初は戸惑っていた一行でしたが、本来ならばこの場にいるはずのない嬢がいることで、事の次第のおおよそのところを理解し始めました。

 そしてそのまま、楽しい夢の中へ――。

 

 なにぶん夢なので、儚いといえば儚い行為なのですが、新年一発目の景気づけとしては悪くない感触。

 ということで、一行のレビューの点数もかなり良いものになりました。

 

 ちなみに、この夢プレイのくだりでは、クリムがハイエナ娘とかなり激しい行為に及んでおり、その描写がめちゃくちゃ私に刺さりました。

 

異種族レビュアーズ

 

 クリムの受け描写、好きなんですよね。今回は3話の女体化回以上に過激に突かれており、心の底から堪能することができた次第。

 いつもながら、富田美憂さん、お疲れさまでした。ありがとうございました。

 

充実の最終回

 ……という感じで、最後は締めのシーンへ。

 特に何かが変わったわけでもなく、いつもの面々によるいつものやり取りが描かれるという終わり方。

 

異種族レビュアーズ

 

 しかしそれでもどこか爽やかさと充実感があったのは、今回の構成が「すべきことをきちんとした」からなのだと思います。

 最後に悪魔族の話を持ってきて、さらにそのきっかけである名刺から、思い出→夢魔と持っていくのは、本当に上手。

 面白かったですね。

 

 最後のオマケとして、モブDTがとうとう「魔法使い」になった、というくだりがあり、ここは笑っていいのかどうか一瞬迷ったのですが、素直に笑っておくことにしました。

 

異種族レビュアーズ

 

 結局、このモブDTがどうしてあれだけレビューに興味を持ちながらも足を運ばないのかは謎のままだったわけですが、これもこれで、それぞれのこだわりがあるのでしょう。

 個人的に、魔法使いになったことを周囲の皆が普通に称えているのが微笑ましかったですね。

 具体的にどういう風にめでたいのか、そこも謎といえば謎ではありましたが……。

 

おわりに

 以上、『異種族レビュアーズ』最終第12話の感想でした。

 

 1クール通して、本当に楽しく視聴することができて、スタッフやキャストの方々には本当に感謝をしております。

 そして、これが2020年冬アニメでよかった。もし春アニメだったら、ご時勢がご時勢なだけに、途中で放送延期なんてことになっていた可能性が高かったのです。

 そうならなくて、本当にありがたかったですね。

 

 原作のストックのことは知らないのですが、何とか2期を作ることはできないものでしょうか。

 地上波で放送が中止になったり、いろいろと「問題」を起こしたので、そっちの意味でも難しいのかもしれませんが、ファンとしてはぜひとも、さらなる一行の活躍と、嬢達の可憐な姿を拝みたいものです。

 

 誰にどう願ったらいいのかわからないので、雑に祈るにとどめておきますが、何とか本作の続きがまたいつか楽しめるようになることを祈っております。

 楽しかったです。視聴してよかった。

 まだご覧になっていない方で、何かの縁で私の感想記事にやって来たという方がおられるのであれば、ぜひこのギリギリ感に満ちた良作を楽しんでいただきたく思います。

 

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