北米でFUNIMATIONが配信を停止したアニメ『異種族レビュアーズ』、今度はTOKYO MXが放送を中止することになり、良くも悪くもその破壊力を見せつける流れになっております。
まあTwitterでどなたかがおっしゃっていた通り、今は配信の時代なので、日本国内においては地上波TV放送がなくなってもどうということはありません。
ヘタレな地上波は放っておいて、私達はべつの手段でしっかり楽しんでいくことにしましょう。
というわけで、今回は第5話の感想です。
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ニッチと便利ツールの2本立て
今回の嬢は、前半が単眼娘、後半がキノコ娘でした。
単眼というのは昔から好きな人は好きな属性で、Twitterやpixivを見ていると、たまにそういうイラストに出会います。
その割合は、昔から増えても減ってもいないように観察されますので、ニッチジャンルとしてずっと安定稼働している、という感じでしょうか。
熱烈な愛好家がいる反面、受け付けない人の心にはかすりもしないジャンルで、なかなか面白いところを攻めてきましたね。
キノコ娘は、キャラクターとしての属性がどうのというより、「客の好む感触を満たす便利ツール」みたいな描かれ方をしており、その意味では単眼属性よりはずっと広い層を掴んでいたように思います。
今回はこの両者を前半と後半にセットしたことによって、全体としてのバランスを取った、というところでしょうか。
単眼の難しいところ
私は個人的に、単眼はあまり趣味ではありません。
嫌悪感を抱くわけではないのですが、まあ、一つ目になられてもなあ、というのが正直なところです。
そう思う理由の一つに、「二次元イラストとしてのデフォルメの難しさ」がありました。
本来二つあるパーツを一つしか描かないわけですから、二つ目のときと同じ大きさで目を描くと、顔に隙間ができすぎてしまいます。
しかしそれをカバーしようとして一つ目を大きくすると、今後はその大きさでバケモノじみてしまうんですよね。
好きな人はそこら辺に惹かれるのでしょうが、私にはシンプルに「単眼の難儀な点」に感じられ、この問題をずっと単眼属性のシンボルみたいに扱ってきました。
その要素を、今回の第5話ではズバリそのままネタとして使ってきたので、驚くと同時に感心してしまった次第。
あまり他の人の単眼への想いを調べたことはなかったのですが、皆さんだいたい同じようなことを考えていたのでしょうか。
あなたが活きる場所はどこかにある
今回登場した単眼娘の店「単眼倶楽部」では、眼球の大きさが胸の大きさのように扱われており、巨眼の子ほど自信満々、そうでない子はどこか自信なさげに振る舞う、という特徴がありました。
そしてそれはどうやら単眼種族全体の価値観であるようで、彼らのあいだではそれに基づいた振る舞いが当たり前になっている模様。
この辺り、現実的に考えれば、大勢の種族が共存している世界なのだから、異種族から見て自分達の価値観がどう映るのかを知る機会はいくらでもあると思うのですが、そこはまあ作劇上の都合なのでしょう。
私個人の感覚としては、Aサイズの嬢達の目のサイズも全然小さくなくて、そこがちょっとメリハリに欠けるような気がしなくもありませんでした。
これも「Aサイズの子がむしろこちらの価値観では可愛かった」という展開の都合なので、仕方ないところではあったのでしょうが、Aならもっと小さくするべきだよな、と。
前半のオチは、スタンク達に単眼娘の店をレビューする依頼した者の正体が、目の小ささを気にしている単眼娘で、本当に異種族がそれを気にしないのかどうかを確かめたかった、というもの。
これは軽めのコメディとして軽く描かれていましたが、結構人を励ます効能のあるテーマだったように思いますね。
「生まれ育ったコミュニティでは落ちこぼれでも、新天地にはあなたを受け入れてくれる土壌があるかもしれない」
みたいな。
まあ例によってこれは深読みのたぐいなのですが、相変わらず「異種族間コミュニケーション」には自然と現代的なメッセージが宿るものだなあ、と思いながら観ておりました。
絶妙にスレた受付嬢
後半の舞台になったのは、キノコ娘達の店「マイコニドの森」。
この店は客が相手を指名するのではなく、受付のおば……お姉さんが、客の嗜好を見抜いた上で適切な嬢をあてがう、というシステムになっていました。
ここの受付嬢さんが、個人的にすごく好みでしたね。
本編中でも語られていた通り、2話のフェアリー店の受付嬢に似た雰囲気。長年の経験からすっかりスレており、男性の欲望に妙な理解と寄り添いがある振る舞い。
今までこういう属性の女性キャラには特に思うところがなかったのですが、本作で新しく目覚めてしまったような気がします。
何と言うか、こういう人(人じゃないですが)って、絶対に相手を傷つけない配慮を見せてくれそうで、接しやすそうなんですよね……私のようなコミュ障には助かります。
というわけで、この受付嬢はスタンク達に各種キノコ嬢を割り当てていきます。
スタンクにはナメコ、ゼルにはチチタケ、等など。
でも天使を実際に見たことはこれまでになく、それゆえクリムにだけは誰をあてがったらいいのかわからず、めちゃくちゃ困る受付嬢。
このシーンが妙に可愛らしく感じられたのですが、これは少数派でしょうか?
結果的にはレビュアー全員がほぼ満足のいく経験ができ、めでたしめでたしとなったのですが、つくづくクリムはお話的においしいポジションにいるよなあ、と思わずにはいられませんでした。
あのあどけなさで、すっかり風俗遊びにハマり込んでいるところがまた笑えるところです。
一般的な意味とは正反対のギャップ萌えが、そこにはあるなあと。
ちなみにこの後半、えっちシーンはかなり過激でした。
キノコをメタファーとして多用するのはお約束でしたが、嬢のほうは直接的な描かれ方をしていたので、画面の刺激はかなりのもの。
本当はそういうのもキャプ貼っておきたいところなのですが、Googleアドセンス的にOKが出そうなカットはほぼ1枚もなかったので、結末の鍋料理シーンを貼ってお茶を濁しておきます。
新人声優さんのチャレンジ
今回の嬢達のえっちシーンは、いつものように、まだあまりキャリアを積んでいない新人声優さんと思われる方々が演じておられました。
いわゆる下積みというやつなのでしょうか。
この種の役について、各々がどのようにお感じになられているかは知るすべもないのですが、慣れない中でも楽しくお仕事しておられたのならいいなと思う次第です。
ただ、有名声優さんの喘ぎ声フェチの私としては、やはり新人声優さんのそれではちょっと物足りないところがありますね。
失礼ながら「この人がこんな演技を!」という刺激には欠けますから。
その意味では、赤﨑千夏さん、金元寿子さん、富田美憂さんにえっちを演じさせた第3話は、やはり私の中で頭一つ抜けているところがありました。
今後の展開で、また有名声優さんに「お当番」が回ってくることはあるのでしょうか?
極めて個人的な性癖として、それを心待ちにしております。
おわりに
以上、『異種族レビュアーズ』第5話の感想でした。
それにしてもTOKYO MX、そうかー腰が引けちゃったかー、という感じです。
ネットでは「まあ地上波は仕方ないか」とか「つまりセーフラインは、ヨスガノソラ以上、異種族レビュアーズ未満のどこかなんだな」といったことが語られていますね。
中には「娼婦という大人だけが嗜んで良いものをアニメで描くのが間違い」などと主張して「それなら車の運転もダメだろ」と突っ込まれている人もおりました。
何にせよ、個人的には情けないと感じる話ではあります。
そもそも論として面白い作品なので、しっかり楽しんでいきたいですよね。
次回以降も期待しています。
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