アニメ『異種族レビュアーズ』第10話の感想です。
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魔法都市へ
今回の舞台となったのは、魔法都市。
スタンク達も目的は、他のレビュアー達がこぞって満点をつけている、魔導士デミアの店を体験し、レビューすること。
先に構成を説明してしまいますが、今回はこれまでの本作によくあった「AパートとBパートでべつのテーマを描く」ものではなく、尺のすべてを使ってデミアの店の嬢とのやり取りを描くものになっていました。
原作でも長めの回だったのでしょうか?
魔法都市に着いたスタンク達。
早速デミアのお店を体験すべく列に並ぶのですが、その前に都市内で目立ったのは、同じ姿の女性を連れた男性達でした。
それらは皆、デミア本体をコピーしたデコイ人形。デミアのお店の嬢は、すべて彼女自身を魔法の力でコピーしたものなわけですね。
この時点で、デミアという女性の性格が何となくわかります。
一般的に考えると、いくらコピーとはいえ、自分の姿をした女性があんなことやこんなことをされるのは抵抗ありそうなものですが、恐らくデミアはそういうことを一切気にしないのでしょう。
「だって所詮はデコイで、自分自身じゃないし」という、クールな価値観が見て取れます。
ここで面白かったのは、これからするプレイを想像するカンチャルの悪い顔。
それから、本格的に楽しむ前に早速お風呂プレイをしてしまったクリムですね。
それぞれの3日間
普通のお店であれば、1時間くらいのプレイで終わってしまうところですが、デミアのお店は実に3日間、デコイ人形と共に過ごすことができます。
それは短いながらも「生活を共にする」ようなもので、単に致して終わるだけではなく、嬢との様々な付き合いをすることが、主軸になっているわけですね。
そんなわけでスタンク達は、めいめい至福の時を過ごします。
スタンクは、裸エプロンで朝ごはんを作ってくれる女性を楽しみ……。
ゼルは、高度な魔法の知識を教えてくれる、えっちな家庭教師を楽しみ……。
カンチャルは、毎度のごとくSMプレイを楽しみ……。
そしてクリムは、相変わらず「受け」に回っていろいろされてしまうという。
デコイ人形ゆえに何をしてもOKで、しかも料金は普通のお店と変わらないという、とてつもないコスパ。
単なる風俗店を超えて、観光サービスやデートサービス、新婚ごっこまで楽しめてしまうのですから、そりゃあ満点つけるよな、というところですね。
この辺り、描写に強力な説得力がありました。
魔導士デミア
さて、そんな嬢達の本体である、魔導士デミア。
何となく想像できた通り、何よりも魔法の追求を楽しむ、ちょっとマッドサイエンティスト要素の入ったキャラクターであることが描かれます。
デミアが嬉しそうに扱っていたのが、クリムの出した「あれ」。
彼女はデコイ人形を介して、客からこのようにいろいろな情報を採取しており、それもまた商売を続けている理由なのだとか。
天使というのは地上世界ではとてもレアな存在なのでしょう、デミアはかなりエキサイトしており、それはもう楽しそうに実験らしいことをしておりました。
とはいえ、何か企んでいるとか、そういう黒い感じはしなかったのが、好ましいところだったと思います。
最初にこのシーンを観たとき、このことを今後の展開に使っていくのかな、何か一波乱生まれるのかな、と思ったのですが、そういうことではなかった模様。
いや、原作がどうなっているのかはわからないのですが、恐らくアニメでは、この辺りの描写はあくまでも、デミアの人となりを表現する手段としてのものだったのでしょう。
こうして評判が広まる
濃密な3日間を嬢と過ごしたスタンク達。
その別れの場面では、ちょっとしんみりとした演出が為されていました。
それが特に大袈裟に感じられなかったのは、嬢達が本当に夢のような存在で、誰もが憧れるものであることが、しっかり描かれていたからでしょう。
当然ながら、スタンク達がつけた点数は満点。
そしてそのレビューは、ケンタウロス達によって全土に拡散され、デミアのお店の評判をさらに引き上げる結果となった模様。
デミアはそれによってさらに研究資金を得られると同時に、たまにはクリムの例のように貴重なデータを採ることもできるわけですから、これは究極のWin-Win。
今後とも、このお店は最強のお店として君臨し続けるのだろうな、というのが容易に推測できる流れでありました。
気になる引き
……というところで終わるのが、これまでの本作のパターンだったのですが、今回はちょっと毛色が違っていました。
ラストで新キャラが登場し、ちょっとひと悶着起こしそうな予感を作っていったのです。
それが男性キャラであるというところが、個人的には興味深かったですね。
女性キャラの場合は、だいたいどう絡んでくるか、想像がつくじゃないですか。
これまでの延長線上の関係性が作られるのだろうな、という、良くも悪くも安定感のある予想になります。
しかし男性キャラであることで、良い感じに新鮮味がある。
例えばの話、メイドリーが「毒牙にかかっちゃう」展開とかも、面白いんじゃなかろうか、みたいな風に、妄想が膨らんでしまった次第。
そんな引きでした。果たして次回はどうなるのでしょうか。
おわりに
以上、『異種族レビュアーズ』第10話の感想でした。
夢のような時間をじっくり描きつつ、最後は良い具合に「ストーリーもののような雰囲気」を出して締めたという意味で、まとまりのよい回だったのではないかと思います。
あえて欠けていた点を挙げるのであれば、これまでずっと強調され続けてきた「異種族との交流によって新たな視点が得られる面白さ」は今回あまり見られませんでしたね。
それでも面白かったので、満足感はあるのですが。
ともあれ、1クールアニメとして、恐らくは原作を少し変えて「畳みに入る」段階に入ったようで、それがどんな風になるのか、とても楽しみです。
願わくば、「お馬鹿なえっち」という軸だけは最後まで保っていただきたいところですね。
そこが守られれば、大抵の展開は受け入れる準備ができております。
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