期せずして「主に配信で視聴されるアニメ」となった『異種族レビュアーズ』第7話の感想です。
一言でいうと、「文脈的にはとても濃かったけれども、描写としてはこれまでに比べると抑えめだった」という感じでしょうか。
詳しく述べていきたいと思います。
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女の子の日と産卵
今回はまず、仕事中のメイドリーがお腹のあたりに異変を感じ、自室に引き上げるところからスタート。
その意味するところを、スタンク達はすぐに察するわけですが、そのくだりがある以前に視聴者にもきちんとわかるような雰囲気になっています。
まあ、いわゆる女の子の日ですね。
しかし、ファンタジー設定を最大限にこねくり回して、あらゆることをえっちイベントに持っていくのが本作。
「有翼人他、いくつかの種族は、その際に無精卵を産む」というパンチの効いた設定が披露されます。
本来、女の子の日も産卵も、決して「えっちなもの」ではないですよね。
メカニズム的にはもちろんセンシティブというか、際どいテーマではあるのですが、それがそのまま商品化、ショー化するようなタイプのものではありません。
しかし今回のお話では、この2つを結びつけることで、強引に「そういう目で見てしまうのも無理のないもの」に生まれ変わらせてしまいました。
この辺り、相変わらずたいしたものだと感心してしまいましたね。
産卵ショー店「ほかほかナマタマゴ」
それに触発されたスタンク達が今回向かったのは、産卵ショーを専門とする店「ほかほかナマタマゴ」。
入場料を払えば滞在時間は無制限。純粋に(?)産卵を見に来る客もいれば、産みたての卵を目当てにやって来る「プロ」もいて、卵はオークションにかけられるという、フリーダムな店です。
嬢とのプレイを目的とする場所ではない点が、これまでと毛色の違うところですね。
スタンク達はメイドリーから連想されるような「自分達基準で可愛い」女の子の登場を期待していたわけですが、その期待はほぼ裏切られます。
まず最初にやって来たのはリザード族。
その次にやって来たのも、同じく爬虫類タイプ。
思いっきりゲンナリしているスタンク達と、周囲で思い切り盛り上がっている他の客との温度差は、本作のいつもの「多様性描写」。
毎度のことながら、ある意味で教育的です。
三人目はペンギンタイプの女の子。
ここでようやく、人間の感性でも「可愛らしい」と思えるかな、というところだったのですが、いやらしいという領域にまでは行けず。
しかしゼルとクリムはすっかり興奮しきっており、仲間内での受け取り方の違いもしっかりと描写されました。
ここで出てきたのが、次の設定。
「通常は1つか2つしか卵を産まない。しかし女の子が体を持て余している場合、3つ目を産卵することもある。
それは普段から自分で『解消』している子には辿り着けない境地」
そしてこの説明とのカットバックで、メイドリーが3つ目を産みたがっている様子が描かれます。
この設定は、いやらしさと清楚さを融合させる見事な一手であると同時に、メイドリーのファンに大きな恵みを与えるものであったと覆います。
理屈でいって、「えっちいことに疎遠な女の子の欲求を刺激的に描く」というのは難しいことなわけですが、今回それを設定のこねくり回しでやってのけたわけですね。
これはグッジョブだったのではないでしょうか。
今回のスタンク達のレビューに対し、メイドリーはドン引きしていましたが、実際、今回のテーマはかなり特殊で、彼女の引き方にもかなり理解できるところがありました。
でもそこが面白いポイントでもあり。
なかなかマニアックなものを突きつけられたかたちです。
お口直しのCパート
そんなマニアックな「生理&産卵」ネタとのバランスを取る意味があったのか、今回はCパートを長めにとり、嬢のランキングを発表するというネタが描かれました。
ランキングの票はすべて人間の客によるものということで、嬢達からは「偏る」という不満の声が出ていましたが、視聴者的にはおかげで割と「わかる」結果になっていたように思います。
面白かったのは、ミツエさんは絶対にトップクラスであるはずだ、とすべての嬢達が思っていたところですね。
ここは結構深いところで、「嬢として」見たときには人間の票がミツエさんに集まることはないと思うのですが、例えばスナックのママであるとか、そういうもっと広い観点から判断したならば、彼女は普通にランキングに入ってくる可能性があるんですよね。
そういう器の大きさのようなものが、彼女にはある。
他種族の視点では、肉体的な老いが考慮されないので、その器の部分だけが大きく映るという……。
ミツエさんは良いキャラだと改めて思いました。嬢としてはアレですが。
ちなみに1位はアロエでしたが、彼女は本当に視聴者人気投票をやっても、かなり上に来るのではないかという気がしますね。
彼女も良いキャラしていますから。日笠陽子さんの気だるげな演技が素敵です。
おわりに
以上、『異種族レビュアーズ』第7話の感想でした。
アイディアも光っていましたし、マニアックなかたちで激しく攻め立ててくる内容ではあったのですが、いわゆる普通にえっちだったこれまでの回と比べると、素直な刺激が足りないところはあったかもしれません。
しかし作品全体の彩りを考えると、こういうエピソードがあることも必要だったのではないか、とは思います。
ちょっとアレな言い方をするなら、今回は下半身ではなく上半身で楽しむ回だった、というのが、私なりの表現になりますね。
楽しませていただきました。
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