ラノベを知らないラノベ投稿者
私は2014年から長編小説(ラノベ)を書いています。
最初に書き始めた動機がどんなものだったのかはもう思い出すことができませんが、それ以来今に至るまで断続的にとはいえ続いているところを見ると、なかなか性に合う道を見つけたものだと自分を褒めたいところであります。
1本の例外を除いて、残りすべての作品は、まず電撃大賞に投稿しました。
この賞を選んだ理由は2つあります。
まず第一に、賞の格ですね。
これを受賞して世に出ることができれば、スタートダッシュとしては最も良い形だろうと思ったわけです。
というより、ラノベおよびラノベ業界のことをほとんど知らなかったものですから、トップである電撃大賞以外が発想として出てこなかったし、他の賞の「販売する力」のようなものを信用することができず、手を出すことができなかったというのが正確なところかもしれません。
そして第二に、いわゆるカテエラに対して寛容であるという評判に惹かれたからです。
繰り返しになりますが、当時ラノベのことをほとんど知らなかったものですから、何がラノベらしくて何がそうでないのか、まともに判断することができないまま書いていたのです。
なので、多少流行り廃りから外れていても、出来さえ良ければ上に行くことができると思われる電撃大賞を選ぶのが、最も無難な選択肢でした。
その競争倍率を考えればおかしなことを言っていると思いますが、私にとっては電撃大賞こそが最も「戦いやすい」フィールドだったのです。
こうして書いていて自分でも疑問なのですが、本当にどうして私は、ラノベをろくに知らないしろくに読まないのに、ラノベの新人賞に応募することにしたのでしょうね。
いまだにラノベについての知識はあまりない状態なのですが、ただ、書くことは確実に楽しいので、その意味では自分にもこれを続ける資格があると思っています……。
複数の賞に使い回すこと
閑話休題。
最初に書き始めてから今まで、全部で9本の長編小説を書いてきました。
そしてそのうちの8本は、真っ先に電撃大賞に投稿しました。
残りの1本がそうでないのは、電撃大賞の枚数規定に収めることができなかったからです。なので基本的には、「書いたらまず電撃大賞に投稿する」というスタンスをずっと続けていると言っていいでしょう。
その結果はといいますと、まあ今の私がラノベ作家として知られていないことからわかるとおり、何らかの賞をいただくには至っておりません。
ぶっちゃけてしまうと、最も良かったときで三次選考落ちです。
一次選考で容赦なく落とされた作品もそれなりにあり、少なくとも「自分には才能がある」と言う思い込みは脳みそからすっぱりと切り離すことができました。
ただ、せっかく書いたものをたった一度ジャッジされただけで引っ込めてしまうというのは、あまりにももったいないことです。
そこで、いったん電撃大賞に応募して落選した作品を、他の新人賞にも使い回すことにしました。
使い回しについては様々な意見があり、悪い印象がつくからするべきではないと言う人がいます。
しかし私は、自分の書いたものに対する愛着が良くも悪くも強く、使い回しをしないという選択肢はまったくありませんでした。
特に一次選考で落ちたものは、要するにたった一人の下読みさんに読まれただけで終わったということなわけで、そこで「はいそうですか、わかりました引っ込めます」という素直さを見せることは、私の器では不可能だったのです。
そのようなわけで、これまで書いてきた全9本のうち8本を、電撃大賞、小学館ライトノベル新人賞、MF文庫Jライトノベル新人賞、の3つに応募してきました。
そして見事に「全滅」という結果になり、今に至っています。
もちろん悔しさはあるのですが、使い回しをした事は結果的に良かったなと思っています。
というのも、受賞することができなかったとはいえ、賞によってどの作品がより認められたかというのがかなり異なっていたからです。
電撃大賞で一次選考落ちだったものが、小学館ライトノベル大賞では二次選考まで行くことができたり、といったことを体験すると、もはやたった一人の下読みさんに読んでもらっただけで終わりにする道は危なっかしくて選べません。
お金を貰って他人の作品を評価する人達でも、やはり好みと言うのは激しく出てしまうんだなあというのが、使い回すことによってよく理解できました。
ちなみに「一次選考は、日本語がまともかどうかを見ているだけだ」という言説は、控えめに言っても前世紀までのことだと判断せざるを得ないところです。
今の作家志望者達は、上のレベルは分かりませんが、下のレベルはかなり底上げされていると思います。
かく言う私も、いったん一次選考で落ちた作品を数十行ほどリライトしてもう一度応募したら、今度は三次選考まで残り、評価してくれた二人の編集者さんの片方に絶賛されたという経験があります。最初に弾かれた理由が日本語云々でないことは明白でしょう。
受賞できないけれど他人に読まれたい
さて、このような使い回しを経て、今の私の手元には合わせて9本の「残骸」があります。
さすがにこれ以上使い回す気にはならず、これらの作品を今後どのように扱っていこうか、悩んでいるというのが現状です。
単刀直入に言ってしまうと、何らかの手段でこれらの作品を他人に読んでもらいたい。
となると選択肢はもう「どこかの小説投稿サイトにアップする」くらいしかないわけですが、問題が2つあります。
問題1: そのままアップするとペンネームと年齢がバレる
どの賞もそうですが、一次選考を突破した作品は公式サイトでペンネームを公開します。賞によってはそこに年齢表記も加わります。それ経由で、私のパーソナルな情報がある程度ばれてしまうという問題です。
これは気にしない人にとっては本当にどうでもいいことだと思うのですが、今の私は一応、このハンドルとペンネームを分離して運営しており、かつ年齢不詳の人物としてネットで活動しております。
ここは維持したいのです。
「なら簡単だ。作品タイトルを変更すればいいじゃないか」と言う意見もあると思うのですが、私は作品をタイトルから先に考えるタイプの人間でして、完成した作品のタイトルを別のものに変更するというのは、どうしてもしっくりこないのです。
このような事情があり、公開をためらったまま現在に至っているという次第です。
問題2: どのサイトを選ぶか迷う
いろいろ考えた末、私の中には3つの選択肢が残っています。
小説家になろう、カクヨム、そして今度スタートするLINEノベル。この3つです。
前述のカテエラ云々で既にご理解いただけていると思うのですが、私の書く作品は、いわゆる売れ線な内容ではまったくありません。
わざとマニアックにしたつもりは一切ないのですが、どう考えても王道からは外れており、これを最も快く受け止めてくれるサイトはどこだろうと、いろいろ頭を悩ませているところなのです。
聞きかじったところによれば、小説家になろうはいわゆる異世界物でなければ広く読まれることはなく、カクヨムはクラスタと呼ばれる勢力が相互評価を繰り返しており、そうでない者達の作品はほとんど読まれないとか。
そしてLINEノベルは、未だにその正体がはっきりとはわからず、これで行こうと決断するには判断材料が足りない状態です。
どのサイトにも決定打がない。
最も無難な選択肢としては、小説家になろうとカクヨムの両方に投稿しつつ、LINEノベルについてはグランドオープン後に少し様子見することでしょうか。
しかしなにぶんズボラでそのくせこだわりだけは強い人間なので、同じ作品を複数のサイトに公開して管理するというのは、どうも美しくないなと思ってしまうのです。
うーん、悩ましい……。
今後の展望
新作小説は書き続けます。そしてまた電撃大賞に応募すると思います。
しかしそれとは別に、いわゆるネット小説家としても活動していきたい、それを始めるなら今だ、という気持ちがとても強い。
前述の2つの問題をなんとかクリアして、そう遠くないうちに何らかのアクションを取れたらいいなと思っています。
全ての文字書き必見。推敲も校閲も面倒見てくれます。
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