近頃、通信量無制限のモバイルWi-Fiサービスが盛況なのをご存知でしょうか?
ヘビーユーザーもそうでない人も、インターネット通信のデータ量制限には辟易していたようで、サービスが登場するや否や大人気となり、追随する企業も多数現れ、瞬く間に一大市場となってしまいました。
本記事ではそんなサービスの実情と、5Gとの関係、そしてオススメのサービスについて、書いていきたいと思います。
これまでの「無制限」はエセだった
まず、ここでの「通信量無制限」の意味について、簡単に説明しておきます。
単に「月のデータ使用量が無制限」というだけなら、これまでのモバイルWi-Fiサービスにも存在しました。
代表的なのが、WiMAX2+の「ギガ放題」プランでしょうか。
家庭の光回線がそうであるのと同様に、どれだけ使いまくっても料金は一緒、というのをウリにしています。
しかし、これまでのサービスには、月のデータ使用量とはべつの縛りが存在しました。
それが、「3日間10GB」などの制限です。
これは、ある3日間のデータ使用量の合計が10GBを超えてしまうと、強制的に低速通信しかできないようになってしまう、というもの。
「3日で10GBも使えるなら、全然平気なんじゃないの?」
と思う方もいるかもしれませんが、動画を積極的に視聴したり、仕事等で大きなデータを外部とやり取りするとなると、これが結構、あっという間に到達してしまうんですよね。
この制約があるために、いくら月の使用量が無制限と言っても、それをフルに活用することは難しかったわけです。
真に通信量無制限なモバイルWi-Fiの登場
ところが2019年3月、突然に「どんなときもWiFi」という、ちょっと奇妙な名前のサービスが登場しました。
そのセールスポイントは、(私の視点では)主に2つ。
まず、データ通信量の制限が「あらゆる意味で」存在しないということ。これはつまり、月の使用量が無制限なだけでなく、3日間10GBのたぐいの制限も一切ない、ということです。
それから、クラウドSIMと呼ばれる仕組みの使用。これはdocomo、au、softbankの3つのキャリアの電波のうち、状況に応じて最適なものを自動で選んでくれる、というもので、これによってより多くの場所で安定的に速度を確保できるというわけです。
どんなときもWiFiは、登場して間もなく評判となり、一時はあまりの顧客の増加で、申し込んでもなかなか届かないという事態にもなっていました。
謳い文句の通り、通信しまくっても――例えば3日で100GBとか使っても、まったく問題なかったという報告がありますし、速度もおおむね良好な模様。
これは、モバイルWi-Fiの「常識」を変えてしまうようなインパクトを与えました。
そのインパクトは、業界の人々のあいだにも強く響いたのでしょう。
どんなときもWiFiの登場から現在(2019年12月)までの僅かなあいだに、同様の通信量無制限モバイルWi-Fiサービスが、次から次へと現れました。
どのサービスもだいたい同じようなルーターを使い、だいたい同じような料金設定で、ぶっちゃけほぼ横並び状態。
面白いのはサービス名すらも似た感じであることで、最初の「どんなときもWiFi」のセンスを、多くの企業が踏襲しているんですよね。
売る側の内情はわかりませんが、横並びは意図的な戦略なのでしょう。
5Gが浸透するまでは数年かかる
モバイル通信というと、詳しい方なら、来たるべき5G通信のことを考えるのではないかと思います。
5Gにおいては、基本的に通信量の制限はないものとされていますよね。
そもそも大容量を爆速で扱えることがウリの一つですから、そこで4Gまでのように制限をかけていたら、存在理由にケチがついてしまうわけで、そこは当然と言えるでしょう。
なので、次のように考える人もいるのではないかと推察します。
「もうすぐ5Gの時代になるんだから、2年縛りの新しい契約とか、しないほうがいいんじゃないの?」
しかし、それは実のところ、5Gに対して楽観的でありすぎると思います。
確かに5Gを好きに使えるようになれば、もはや「通信量無制限!」なんてものは、特定企業のサービスに注目する理由ではなくなります。
例えば10年後、私達は間違いなく、2019年現在の状況についてこんな昔話をしていることでしょう。
「そういえば、ほんの10年くらい前には、ケータイで通信するのにデータ量制限なんてものがあったんだよね……」
しかし、残念ながら、5Gの時代はすぐにはやって来ません。
もう少し待つ必要があるのです。
巷では「韓国が世界に先行して5Gのサービスを開始」といったニュースが踊っていますから、何となく「日本もあと1年くらいで本格的に使えるのでは?」と考えてしまいそうになりますが、そうはなりません。
当たり前のことですが、設備をきちんと整えるのには、それなりの時間がかかるのです。
首都圏はそれでもまだ、早めに5Gを体験できるほうだと思います。
南関東の多くの地域は、恐らくあと2年もあれば、それなりの状況にはなっているだろうと思われます。
しかし、地方はどうしても遅れが出てしまいます。
これは人口比などを考えれば仕方のないことですよね。なかなか「平等に」とはいかないのが実情で、土地によっては、5Gをまともに使えるようになるまでに、あと4~5年くらいはかかるところもあるのではないでしょうか。
この点を考えたとき、2019年12月現在で2年縛りのサービスを契約することは、決して無駄金を使う結果にはならないと私は考えています。
節約術としてのモバイル通信への集約
人それぞれ、様々な生活環境がありますよね。
例えば、自宅に光回線を引き、ケータイでは大容量の契約をする金銭的な余裕がない人で、一人暮らしをしている人などは、それらをまとめて、一つのサービスでまかなえないかと考えるでしょう。
そんなときに、通信量無制限モバイルWi-Fiサービスは、本当に役に立ちます。
ほぼすべてのサービスが、大抵の土地において高画質の動画を観るくらいなら余裕な通信速度を叩き出していますので、自宅使いも問題がないわけです。
これまでにも、WiMAX2+などでこういった環境を構築していた人は、それなりにいるでしょう。
しかし先述のように、無制限と謳いながらも、裏では3日で10GB的な制限が、どうしてもついて回ってきたのです。
現代は動画の時代であり、Netflixに代表されるような配信サービスが隆盛を極めていますよね。
通信量制限などというものがあると、それをとことん楽しむのが、まるで悪いことであるかのような感覚に陥ります。
しかし本来、そんなものは好きなときに好きな場所で、好きなだけ観られて然るべきなのであって、隠れた制限などナンセンス。
そのナンセンスを取っ払うのが、真に通信量無制限となったモバイルWi-Fiサービスなわけです。
自宅と出先でサービスをまとめたい人、とにかく出先で大量のデータを扱いたい人には、思いっきりオススメしたいサービスですね。
オススメのモバイルWi-Fiサービス
では、数あるサービスの中から、オススメのものをご紹介していきましょう。
どんなときもWiFi
先述したように、この種のサービスがブレイクするきっかけとなったのが、この「どんなときもWiFi」です。
ルーターにはD1を使い、月額はクレジットカード払いの場合で3,480円。ただし3年目以降は3,980円になります。
後発のサービスはいずれも、価格やサービス内容においてこれを参考にし、どこかしらで上回るよう設定しているため、単純比較をすると埋没する面もあります。
しかし、産声をあげたばかりのこの業界において、先行者としてすでに実績を上げているという点は、信頼という大きなアドバンテージに繋がっています。
めっちゃWiFi
この種のサービスで定番となっているルーター、U2sを用いたサービスです。
特徴としては、他の多くの企業が3年目以降に料金を引き上げるのに対して、ここはそれをしない、という点が挙げられるでしょう。
契約中ずっと、月額3,480円で使用することができます。
また、解約料も1~24ヶ月目まで9,800円と比較的安めですので、もしあなたの地域であまり速度が出ないことがわかり、他社へ乗り換えたくなったとしても、ダメージはそこそこ小さく済むでしょう。
Mugen WiFi
このサービスには、2つのプランがあります。
まずはU2sルーターを用いた「格安プラン」。これはベーシックな内容で、月額が3,280円。25ヶ月目以降の値上げもありません。
もう1つは「アドバンスプラン」。こちらはスマホ型のルーターであるG4を用いるサービスで、月額3,880円。ルーターに翻訳機能と充電器機能が付いたものとなっています。
解約料は、1年未満なら9,000円、1〜2年未満なら5,000円と、非常に安価になっています。
hy-fi
Mugen WiFiのアドバンスプランと、ほぼ(まったく?)同じサービスです。
ルーターにはG4というスマホ型のものを採用し、月額3,880円で、翻訳機能などが付いている。
この辺りはまさに先述した「横並び」の最たるものですね。
いずれ差別化が積極的に図られるようになるのかもしれませんが、今のところはぶっちゃけ、どこと契約してもこれといった違いはないと言うことができるでしょう。
SAKURA WiFi
上記のサービスとはまた違ったルーター、FS030Wを採用したサービスです。月額はクーポンによる割引がついて、3,680円。
目立つ特徴としては、解約料がかからないという点が挙げられるでしょう。
従って、軽い気持ちで試してみて、使えないなと思ったらすぐ他社に乗り換える、ということが、他のどこよりもやりやすくなっています。
ただし注意点としては、本サービスはクラウドSIMではなく、softbankの回線のみを使う仕様になってしますので、その点で地域差が多少激しくなるかもしれません。
おわりに
いろいろなブログや、YouTubeの動画を調べてみる限り、どのサービスも2019年12月現在、実測値として下り20Mbpsくらいは叩き出しているようです。
これくらいの速度があれば、ほとんどの用途では問題らしい問題は生まれないでしょう。
唯一、とても大きなデータの送受信をする場合のみ、光回線が恋しくなるかもしれない、というところでしょうか。
以上、今とっても熱い、通信量無制限モバイルWi-Fiの世界のご紹介でした。
興味が湧いたという方は、ぜひ試してみてください。
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