世の中には、電動昇降デスクと呼ばれるものがあります。
簡単に言うと、スイッチを入れることで盤面の高さを自由に上げ下げできる机のことです。
これにより、座ってデスクワークをするだけでなく、立った状態でデスクワークすることも可能となります。
最近になって、私はこの電動昇降デスクを自宅に導入したくてたまらない状態になっています。
しかしとある問題がありまして、簡単には導入できないのが現実。
この話は現在、その問題ゆえに停滞してしまっています。
果たして何が問題なのか。そもそも電動昇降デスクの魅力とはどんなもので、なぜ今それを欲しいと思っているのか。
そのあたりのことをちょっと書いてみて、自分の気持ちを改めて整理したいというのがこの記事の趣旨です。
電動昇降デスクの3つの魅力
冒頭で解説した通り、電動昇降デスクは要するに立って作業をするのに便利なデスクのことです。
これはつまり、立って作業をすることに興味ないのであれば、電動昇降デスクを購入する意味などまるでないということになります。
では、立ってデスクワークをすることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここではそれを3つに絞って見ていきたいと思います。
健康になる
第一にあげられるのは、健康に良いということですね。
これは「立って作業をするのが健康に良い」というより「座ってずっと作業をしているのは我々の想像以上に健康に悪い」と表現した方が正確かもしれません。
単に筋肉を使わないから衰えるといった問題だけでなく、長時間のデスクワークは将来的な死亡率の高さにも影響しているのだとか。
どこぞの研究によれば、1日4時間以上デスクワークをしている人間は、それだけで「そこそこやばい」のだそうです。
そんなこと言われたって、会社勤めをしている限り、座り作業からは逃れられないじゃないか、という声が聞こえてきます。
確かにそれはごもっともで、よっぽど意識の高い会社でもない限り、日本において会社の日常業務にデスクワークが導入されるということはまずないでしょう。
海の向こうのGoogleなどでは積極的に導入されていると聞きますが、日本にその波がやってくるとは私もちょっと思えません。
しかし幸いなことに私は完全在宅ワークで生活している人間なので、そのあたりは自由がきくんですよね。
なのでせっかくの自由を謳歌するという意味でも、健康になることを目指して電動昇降デスクを導入してみようかなと思うわけです。
集中力が増す
これは意外に思う方もいるかもしれないのですが、立ってデスクワークをすることによって集中力が増すと言われています。
具体的にどういうメカニズムなのかまでは知らないのですが、おそらく座ってデスクワークしているときに訪れがちな「眠気が襲ってくる」みたいなことになりにくいというのが、ここでの趣旨なのかもしれません。
とにかくこの効果をフルに活用するのが、電動昇降デスクの有効な利用法として確立されているらしいです。
たとえば、ここぞというときにデスクの盤面を高くして立ち作業に移行することにより、最もややこしい作業を効率的に処理することができるようになる。
そんな感じでしょうか。
個人的に私は、集中力という概念についてあまり信用していないというか、集中できているときとできていないときの違いがあまりよくわからないタイプなので、このメリットに関してはあまり感じにくいかもしれません。
しかしともあれ一般的には、電動昇降デスクを使って集中力を高めて作業しよう、みたいな話はよく聞かれます。
作業を止めずに気分転換できる
作業を止めることなく気分転換できるというのも、電動昇降デスクのメリットの一つです。
これはどういうことかというと、立ち作業と座り作業を適時切り替えることで、作業そのものを中断することなく気分を切り替えることが可能となる、という意味です。
先ほど、長時間座って作業をするのは健康に悪いらしいという話をしました。
しかしそれは、電動昇降デスクを使ってずっと立ち作業を続けるべきだ、という話には繋がりません。
立ち作業も立ち作業で、「立ちっぱなし」という状態であり、これもまた長時間ずっと続けているのは良いことではないからです。
つまり電動昇降デスクは、自分なりのタイミングで盤面を上げたり下げたりして、立ち作業と座り作業をバランスよく織り交ぜて使うものなのです。
このことは肉体的に良い影響を及ぼすだけでなく、気分にも良い影響を及ぼします。
立ち作業と座り作業というのは、頭で思っている以上にフィーリングの異なるものであり、座って作業している状態から立って作業する状態に移行するだけでも、景色(比喩的な意味ですが)が変わるんですよね。
通常であれば、気分を切り替えるためには作業を中断する必要があります。
しかし電動昇降デスクを導入すれば、作業しっぱなしでありながら気分転換も同時に行える、という器用なことができるようになるわけです。
なぜ今、電動昇降デスクを導入したくなったか
「電動昇降デスクの魅力はなんとなくわかったけど、それはそれとして、あなたはどうして今このタイミングで電動昇降デスクを欲しいと思ってるの?」
という疑問を持った方もおられるかもしれません。
なぜ私がこのタイミングで電動昇降デスクを導入したいと思っているかというと、答えは結構シンプルです。
これまで2年以上にわたって「卓上昇降デスク」を使用しており、これが先々月、残念ながら壊れてしまったからです。
卓上昇降デスクとは、通常の(盤面が上下しない)デスクの上に置く台のようなもので、名前の通り、高さをある程度調整できる仕組みになっています。
これにより、従来使っているデスク自体を交換することなく、座り作業と立ち作業を切り替えられるようになるというアイテムです。
私はこの卓上昇降デスクを2年4ヶ月にわたって使い続けており、非常に重宝しました。
しかし残念ながら先々月、高さ調節をしているときにガコンといういつもと違う音がして、それっきり一切、高さを変えられなくなってしまったのです。
2年4ヶ月という期間が、卓上昇降デスクの寿命として長いのが短いのかはよくわかりません。
ちなみにこの卓上昇降デスクは9,500円で購入したものなので、月額換算だと300円ちょっと。
まあ、元は取れると考えて良いのかもしれませんね。
で。
この2ヶ月間、これまでできていた立ち作業ができなくなり、ずっと座り作業を続けることを余儀なくされてきたわけですが、さすがにそろそろムズムズしてきたんですよね。
立ち作業を織り交ぜて作業したい欲がどんどん強くなってきたのです。
そして、どうせ立ち作業はできる環境に戻すのであれば、今度は卓上昇降デスクではなく、机を丸ごと交換して電動昇降デスクを購入してみたいな、という気持ちになってきたわけです。
卓上昇降デスクを悪く言うわけではありませんが、私の中でやはり卓上昇降デスクは「妥協の産物」であり、より本格的に立ち作業を導入するならやはりデスクの盤面そのものを上げ下げできた方が良いのではないかと。
そのように考えて、本格的な電動昇降デスクが欲しくなった次第です。
しかし、お金の問題はもちろんあるとして、それ以外にもう2つ、簡単には電動昇降デスクに移行できない理由というか問題が、私の環境にはあったのです。
電動昇降デスク導入が難しい2つの理由
私が現在使っているリスクは、もうずいぶん昔からこの自室にあるもので、割とごつい代物です。
散らかっているわけではありませんが、たくさんの本やら何やらが置かれており、かつ全体のサイズもかなりのもの。
この辺りが原因で、以下の2つの問題が発生してしまうことになるのです。
今のデスクに置かれた物の移動先がない
電動昇降デスクは基本的に、どの製品もさっぱりしています。
盤面を電気的に上げ下げできるという機能以外、余計なものはほとんどついておらず、とにかくそこにスッキリした盤面が広がっているだけ、みたいな感じです。
そうなりますと、今現在の私のデスクの上に置かれている多くのものを、どこかに移動させなければいけません。
しかしこれがなかなか難問でして、私の部屋はすでにキャパシティ的にいっぱいいっぱい。
デスクの上をすっきりさせるための「物の移動」を、簡単にはできない状態なのです。
簡単に移動できないということは、つまり解決策としては、ある程度、物を捨てていくしかないということです。
しかし私は、不要となったものをいつまでも保存しておくタイプの人間ではありません。
つまり現在私の部屋にあるものは「電動昇降デスクを導入します、だからこれはさっさと捨ててしまいましょう」と簡単には考えられないものばかりなんですよね。
こうなると、電動昇降デスク云々の前にまず、血の涙を流しながら断捨離しなければいけないということになります。
これは肉体労働的な意味で大変という以上に、意思決定の点で非常に大きなエネルギーを消耗する作業となるでしょう。
考えるだけで頭がクラクラしてしまいます。
今のデスクを家の外に出す方法が分からない
そしてこれがとても大きな問題なのですが――現在私が使っているデスクはかなり大きなもので、しかも縦横高さすべてがしっかり存在する、立方体的な代物なのです。
で、試しにデスクの寸法を測り、そして部屋のあちこちの寸法も併せて測ってみたのですが、結果として以下のような問題が発生しました。
「このデスク、もしかしてこの家から出せないんじゃないの?」
いやいや、そもそも何とかしてこの部屋に入れたわけだから、入れたものは出すことが可能だろう、と思われるかもしれません。
確かにそれはそうなのですが、しかし私は、かつてこのデスクをどうやってこの部屋に入れたのか、まったく覚えていないんですよね。
そのため、たとえば以下のような可能性が出てきて、混乱してしまっているのです。
- 実は組み立て式で、この部屋に入れてから組み立てたのではなかったか?
- 当時はまだ他のものが少なかったから部屋に入れられたのであって、今となってはもう出し入れできないのではないか?
あまりにも遠い記憶なので、詳細を思い出すことができません。
ただ一つ確実に言えるのは、玄関の外にデスクを出すために必ず通らなければならない場所の幅より、デスクの最も短い辺の方が長いということです。
さて、この問題を一体どのように解決したものでしょう?
これからどうする?
というわけで、電動昇降デスクが欲しい気持ちは本物なのですが、かといってすぐにはそれを実現できない状態に陥っている次第です。
これから私はどうするべきなのか?
選択肢は全部で3つあります。それぞれどのような未来になるのか、ちょっと見てみましょう。
万難を排して電動昇降デスクを導入する
第一の選択肢として挙げられるのは、とにかく何とかして電動昇降デスクを導入する、というものです。
自分だけではどうにもならない可能性が高いのですが、世の中には家具屋さんとか便利屋さんとか、とにかくさまざまなプロフェッショナルがいらっしゃいます。
そういった方々にお願いして、なんとか対策を練ってもらい、頑張って現在のデスクを家の外に出して、新しく電動昇降デスクをお迎えしようという選択肢です。
この選択肢のメリットはもちろん、欲しくてたまらない電動昇降デスクを使えるようになることです。
実にシンプルです。
逆にデメリットとして挙げられるのは、お金と労力がものすごくものすごくかかる、ということでしょうか。
また最悪の場合、現在使っているデスクをノコギリでギコギコ切断して外に持ち出す、みたいな荒技に出なければならないこともありえます。
そうなりますと、部屋に置いてある他のものを避難させるなど、作業はより大がかりな感じになり、一層大変な思いをしなければならなくなるわけで……。
考えただけで気が向いてしまう、というのが正直なところです。
新しい卓上昇降デスクを導入する
最も無難な選択肢と言えるのが、新たに卓上昇降デスクを導入してそれを使う、という道です。
労力もほとんどかかりませんし、かつてやっていたことを繰り返すだけですから、気持ち的な負担もほとんどありません。
メリットは言うまでもなく、一応これにより立ち作業と座り作業を切り替えられるようになることです。
一方のデメリットは、あくまでも「間に合わせの」卓上昇降デスクであるため、新鮮味がないことと、デスク自体が上下するわけではないので、デスクを広く使えないところです。
メリットとデメリットのどちらが大きいかを判断するのは、正直かなり難しいと言わざるを得ません。
ただ現状、とにかくこの選択肢は非常に無難なので、なんとなくここに落ち着きそうな予感はしています。
座り作業でやっていく
第三の選択肢としては、何も購入することなく、今後ずっと座り作業を続けていくという道が挙げられるでしょう。
しかしまあこれはちょっと、現実的ではないかもしれません。
実のところ座り作業の連続はもう飽き飽きしていますし、何というか、上記2つの選択肢を選ばずにこれを選ぶのって、無駄に意固地になっている感じがしませんか?
私としては、こんなところで意地っ張りになっても得られるものは何もないので、この選択肢を選ぶことは今のところあまり考えられません。
おそらく近いうちに、電動昇降デスクの導入に踏み切るか、卓上昇降デスクによる妥協するかのどちらかに落ち着くことでしょう。
おわりに
というのが、電動昇降デスクにまつわる最近の私の悩みです。
お付き合いいただき、誠にありがとうございます。
さて、実のところどうしたものでしょうね。
卓上昇降デスクを使ってきた経験から、立ち作業と座り作業の切り替えにちゃんとした意味というか効果があることは、すでにわかっています。
あとはそれをどのような手段で実現させるか、その違いだけ。
非常に迷ってしまうところです。
部屋が狭いくせに物があるのがいけないんだ、いっそのこと全部捨ててしまえ、みたいなヤケクソ的断捨離に走ると必ず後悔するでしょうし、すべて貧乏が悪いんだと叫んでみたところで、広い部屋に引っ越せるほどの稼ぎを急に得られるわけでもありません。
ここは地に足をつけて、じっくり考えなければいけません。
いずれにせよ、後悔のないように判断したいと思います。