天国的底辺

二次元、創作、裸足、その他諸々についての思索で構成されたブログ

文章を速くたくさん書くための5つのコツ

キーボードで文章を書く

 

 私は日頃、ブログを書き、小説を書き、Webライティングの仕事をし、音声配信stand.fmの台本を書き、個人的な日記を書き……と、いろいろな形態の文章を書いています。

 とにかく量をこなしたくて、さまざまな工夫を考えてきました。質がどうでもいいとは思っていないのですが、まずは量の確保がなければ、質の向上もあり得ないと思っているんですよね。

 

 量をこなすことを考えるにあたって、特に注目したのは、どうすれば執筆の手が止まりにくくなるのか、ということです。

 私達が文章を書くとき、量に対してボトルネックになるのは、タイピング速度ではありません。極端な話、1秒に1文字しかタイピングすることができなくても、それを1時間ずっと続けることができれば、時速3,600文字を叩き出すことができるのです。「いわゆる普通の人」は、その速度で文章を書くことはできませんよね。

 そう、文章の生産量にこだわるのであれば、最も大切なのは「いかに手を止めずに書き続けることができるか」なのです。

 

 というわけで、本記事ではその「手を止めずに書くためのコツ」を5つピックアップして、解説してみました。

 なかなか思うように文章が書けない、と思っている人の参考になれば幸いです。

 

 

事前にしっかり構成を決める

 まず第一のコツは、本文を書き始める前に構成をしっかり決める、ということです。

 これは言い換えるならば、「何を書くのか」「どう書くのか」を分割し、事前に前者をこなしてしまうことで、後者をスムーズにこなせるようにする、ということです。

 

 一見すると、全行程を二つの段階に分けることで、作業時間が増えてしまうように思えるかもしれませんが、実際は逆です。

 例えばの数字ですが、ぶっつけ本番で書くと3時間かかっていたものが、構成と本文執筆の分けることで、構成30分、本文1時間くらいで片付けることができるようになるのです。

 しかも、クオリティ面においても、このようにしたほうが遥かにまとまりの良いものが出来上がるというオマケまで付いてきます。

 

 どうしてそういう結果になるのか、学問的なことを説明することは私にはできないのですが、体感的なことで言うならば、二つの説明ができます。

 まず第一に、「何を書くのか」と「どう書くのか」は肌感覚以上に異なる作業であり、そういうものを一緒くたに進めるよりは、切り分けて進めたほうが人間の脳にとって優しいからではないか、ということ。

 そして第二に、これは文章を書く以外の多くの物事にも言えることなのですが、何か作業をしているとき、全体図や完成像がすでに見えていると、「今の自分の位置ですべきこと」が明確になり、迷いがなくなるということです。

 

 具体的に構成をどのくらい細かく作るかは、個人差がありますし、書くものによっても異なってきますが、いずれにせよ全体構造を最初に決めておくことは、あなたの作業を確実にスピーディーにすることでしょう。

 もちろん世の中には天才と呼ばれる方々がいて、彼らはいきなり本文を書き始め、その結果として素晴らしいクオリティのものを仕上げるわけですが、まあ天才の真似をしても仕方がないので、良い意味で無視することをオススメします。

 

最初から良いものを書こうと思わない

 二つ目のコツは、最初から良いものを書こうと思わない、ということです。

 これはつまり、「変なところは後で直せばいいや」という気持ちで、多少引っかかるアウトプットがあってもどんどん先へ進めていくほうがよい、という意味です。

 

 いわゆる「初稿」と呼ばれる最初のアウトプットをいきなり完成度の高いものにしようとすると、文章を書いている途中でいろいろと悩み始め、その結果手が止まります。

 そうすると、文章を書いていくうえで最も重要な要素の一つである「勢い」が失われてしまい、速度ばかりか、下手をするとクオリティさえも逆に低下してしまう危険があるのです。

 

 全体のクオリティを「後の修正」に任せる妥当性としては、次のことが挙げられます。

「ぶっちゃけ、本当に細かい部分については、一度全体を作り上げてから『全体の中のその部分』という視点で検証していかなければ、正解が見えてこない」

 なので、初稿の執筆段階で頑張ることは、あえて強い言い方をするなら「無駄」であるとも言えるんですよね。

 その段階で見えるはずもないことを見ようとして、迷子になってしまう行為なわけですから。

 

 私のオススメとしては、初稿は塗装でいうところの「下塗り」のようなものに位置づけておくのがよいと思います。

 それをすっかり済ませてからが本番なのです。

 

定期的に休憩を入れる

 文章を書いていて勢いがついてくると、つい長時間机に向かいっぱなしでキーボードを叩き続けてしまいます。

 良くも悪くも、ふと気がつくと数時間が経っていた、なんてこともあるんですよね。

 それは一見すると調子が良いことの証左であるように思えますし、それくらいの没頭を目指すべきだという主張もあるかもしれないのですが……。

 

 私としては、文章を書くときには定期的に休憩を入れることをオススメします。

 ここでいう休憩というのは、頭の休憩と体の休憩の両方ですね。もっと具体的に言うと、いったん文章から離れ、椅子から立ち上がって体をしっかりほぐそう、ということです。

 

 こう言うと、何と言うか基本的すぎるお説教のように響くかもしれないのですが、長期的視野で生産量を考えるときには重要であると私は考えています。

 人間の集中力は、もってせいぜい数十分であることが科学的にわかっています。

 つまり、本人の感覚としては何時間も没頭して良い生産ができているようであっても、実際には効率は確実に悪くなっているんですよね。

 

 そういう錯覚から脱却し、本当に効率を良くするには、定期的に休憩を入れることが大事だと思うわけなのです。

 

 私が推奨するのは、ポモドーロ・テクニックを導入することです。

 ポモドーロ・テクニックとは、凄くざっくり言えば、一定時間作業して一定時間休憩する、というのを強制的に時間で行うことで、生産性を高めるライフハックです。

 一般的には25分作業して5分休む、というのを繰り返すのですが、時間については自分のリズムに合わせてカスタマイズしても構わないとされています。

 私は1サイクル(1ポモドーロ)を40分に設定し、37分作業して3分休む、という繰り返しをしています。

 これを徹底するだけで、毎日12時間とか平気で机に向かって作業できるようになるので、試してみる価値はありますよ。

 

頭の中で思考を映像化する

 四つ目のコツは、頭の中で思考を映像化する、ということです。

 これについては人によってタイプが異なるので、果たして全員にオススメできることなのかは確信が持てていないのですが……最近私が力を入れていることで、一度は試していただきたいテクニックです。

 

 具体的な説明は、あまり必要ないのではないかと思います。

 文字通り、文章を書いている最中に、その内容を頭の中で映像として組み立てて、「その様子を言葉で説明する」感覚で文章を書いていく、ということです。

 ここでいう「映像」というのは便宜的な表現で、実際には頭の中にしかあり得ない特殊なフォーマットの何か、なのですが、ともあれそういうものを脳内に構築し、展開させつつ文章を書いていくと、スムーズに進められると私は考えている次第です。

 

 以前の私は、まず何らかの文章を書いて、その文章を見つめながら、次の文章が浮かんでくるのを待つ、というスタイルでした。

 そのせいか、執筆速度がどうしても一定以上上がらなかったんですよね。そして遅筆の割にはクオリティもたいしたことがないという……。

 でも「脳内映像書き留め型」に宗旨変えしてみたら、驚くほどさらさらと文章を生産していくことができるようになりました。

 特に小説においては成長が目覚ましく、実に2倍の速度で書けるようになりましたので、本当に助かっています。

 

 あなたも文章を書くときには、「言葉だけの世界」から離れて、脳内映像を駆使するスタイルを試してみてはいかがでしょうか?

 

手の爪を短く切る

 最後のコツは半分冗談、半分本気のやつです。

 手の爪は、常に短く保っておくようにしましょう。

 

 まとまった量の文章を書くときは、まあだいたいキーボード入力を用いることになると思うのですが、このときちょっとでも爪が伸びていると、それだけでタイプミスが急増します。

 単純にその都度の修正に時間を食われるだけでなく、執筆中のイライラをも生み出しますので、これは可能な限り避けるべきものです。

 

 私の場合ですと、普段爪の先の白い部分を1mm残して切っているのですが、それが2mmに伸びると、タイピングに支障が出始めます。

 なので、許容範囲は1mm~2mmということになります。

 数字を見ると神経質に感じられるかもしれませんが、決して気のせいではありません。執筆のパフォーマンスを本気で追求するのであれば、この範囲に爪の長さを維持しておくことは、重要な意味を持ってくるのです。

 

 私達がキーボードで文章を書くとき、指は文字通り「デバイス」に他なりません。

 その精度を高めるべく気を遣うのは、ごく自然なことなのではないでしょうか。

 

まとめ

 以上、文章を速くたくさん書くコツ――言い換えると「執筆中に手を止めないコツ」について、5つ解説させていただきました。

 

 ちなみに今回、最終兵器とも言うべき音声入力については省いて記事を構成しました。

 音声入力に関するノウハウは、それだけで独立して語るべきことがたくさんあるので、私がこれまで書いてきた他の記事に任せたほうがよいと思ったからです。

 本記事では、キーボード入力を想定していますので、現状ではより多くの人に「刺さる」ものになっているのではないかと思います。

 

 文章を書くという行為は、最初のうちなかなかスムーズに行きません。

 大量の文章を平然と生み出し続けている人を見ると、同じ人間とは思えないという気持ちになったりします。

 しかし実は押さえるべきポイントさえ押さえれば、あとは経験値を積んでいくだけで、どんどん力がついていくものなのです。

 才能の大小はもちろんあるでしょうが、ぶっちゃけ量をこなすだけなら、特別な才能は必要ないと私は考えます。

 

 世は動画の時代ですが、文章が消えてなくなることはありません。

 そして何より、文章を書くのはとても楽しいことです。

 たくさん文章を生み出して、人生をハッピーなものにしていこうではありませんか。