成功したかったら本を読みなさい、という物言いをよく見かけます。
先人の残した知恵を、こんなにリーズナブルに吸収できる手段は他にない。成功した人たちは皆、本を読んでいる。だからあなたも成功したければ本を読みなさい――。
そんな感じです。
もうちょっと過激な人になると、本を読まなければ成功する事は決してできない! というところまで意見を発展させていることもありますね。
でも、実際のところはどうなのでしょうか。
本当に本を読むことで、成功に近づいていくことができるのでしょうか。
この記事では、その辺りに関する私なりの意見を少し書いてみたいと思います。
結論:リターンは得られるが長期戦になるので貧乏人は注意
私の結論をざっくりと言うと、見出しの通りです。
本を読むことで得られるものは、確かに多いと思います。その中には、成功する上での重要なカギとなるものもたくさんあることでしょう。
ただし、本から得られるものが成功に結びつくまでには、長い時間がかかります。長期戦なのです。
なので、その長期間に耐えることのできないほどお金のない人は、本にお金を支払ったぶんだけ生活が苦しくなり、それがあまりに多いようだと、リターンを得る前に潰れてしまうと考えています。
だから貧乏な人は、本にたくさんのお金と時間を費やすよりも先に、まずそれなりの種銭を確保することが重要ではないかと思います。
読書が血肉になるシステムの土台を、まずは築き上げるのです。
物事には順序というものがあります。恐らくはこれが、貧乏人が読書を有意義なものとするための正しい順序でしょう。
細かい工夫も色々と必要です。
例えば、少し古くなった本を中古で買うとか、図書館を利用するといったことですね。
なにも最新刊を買うことだけが質の高い読書というわけではないので、このようなライフスタイルからも、得られるものはきちんとあるはずです。
まずはお金をかけない読書をしつつ、いずれお金をかけられるように貯金もする。
それが賢いやり方ではないかと思います。
本で学んだことが収入に変わる仕組み
本を読むことが収入に変わるまでには、具体的にどのようなプロセスが存在するのでしょうか。
まずきちんと認識しておかなければいけないのは、本を読み始め、読了したと同時に、いきなり高収入を得られる能力を獲得できるわけではない、ということです。
本を読み終えたときに手に入っているのは、ほんの少しの知識と「その気」だけです。
これだけでは、いきなり収入に繋げることができません。
ここで大切なのは、ほんの少しの知識と「その気」が忘却の彼方に消えてしまう前に、何かしらの行動に出てみるということです。
得られた知識とモチベーションを使って、自分の生活を少しだけ拡張してみるわけですね。
そのような行動を、試行錯誤しながら毎日のように積み重ねていくわけです。
もちろん、その行動によって自分の生活が、昨日より今日、今日より明日と、着実に良いものに変わっていくわけではありません。
山あり谷あり、時には行動したせいで以前より状況が悪くなってしまうこともあり得るでしょう。
しかしそれでもめげることなく、毎日毎日試行錯誤と積み上げを繰り返すのです。
そうすると、1年後とか2年後に、ふと気がついた時、以前とはまったく違うステージに立っている自分に気づく……ことがあります。
ここで初めて、読書が収入に変わり得る瞬間がやってくるのです。
長期戦だと言ったのは、このような意味合いにおいてです。この長い期間に耐えられるだけの経済力がなければ、残念ながら読書を収入に結びつけるのは難しいでしょう。
インプット(読書)とアウトプット(行動)
繰り返しますが、大切なのは、本を読んだ後に行動をすることです。
すなわち、インプットの後にアウトプットをするということです。
このプロセスを経なければ、インプットしたものが有効に機能するということは恐らくありません。
アウトプットは、単に「インプットしたことを現実化する」というだけの話ではなく、インプットを定着させるうえでも役に立ちます。
通常、人間はどんなに一所懸命インプットしたとしても、時間と共にそのほとんどを忘れてしまいます。
脳みその基本仕様として、そのようになっているのです。
しかし、インプットしたことをもとに何らかのアウトプットした場合、インプットした情報の定着率は格段に上がると言われています。
自分の行動を伴った知識は、そうではないものと比べて遥かに身になるわけですね。
つまりアウトプットをするというのは、インプットの効率を上げると同時に、そのインプットに価値を持たせるという、一石二鳥の行為なわけです。
世の中には「読書家」「乱読家」を自称する人がたくさんいて、どうやら年に何百冊もの本を読んだりしているようですが、アウトプットが伴っていなければ、確かな成長は見込めません。
あなたの周りにも、たくさん本を読んでいるにもかかわらず、ちっとも「たいした人間」には見えない、という人物がいませんか?
そのような人達は、積み重ねてきた読書をもとに行動する、というプロセスが欠けているのだと思います。
インプットだけでは、自分自身を変えるところにまでは到達することができないのです。
インプットとアウトプットの理想的な比率については諸説ありますが、私が何となく納得しているのは、インプット3に対してアウトプット7くらいがよい、という意見です。
私の体感としても、これくらいの比率で生活を組み立てていくのが、最も効率よく成長の螺旋階段を登っていける手段なのではないかなと。
もちろん、インプットとアウトプットの他に、「インプットしたものについて深く考え込む」時間なども必要だとは思いますが、まあざっくりとした話として、3:7という比率を心に留めておくとよいのではないでしょうか。
読むべき本のジャンル
では、収入を増やすためにはどのような本を読むべきでしょうか?
これについてはぶっちゃけ、私は次のように考えています。
「興味があるなら、とにかくその本を読んでみればいい」
もちろん、ある特定の分野に詳しくなりたいのであれば、その分野に関する本を読む以外に選択肢はないとは思うのですが、そうでない場合は、無理をするのはいけないと思います。
読書というのは基本的に、そのとき読みたいものを読む、という「気楽さ」がなければ、途中で退屈さを感じてしまい、長続きできなくなってしまうのではないかと思うのです。
読む本は本当に何でもいいですね。
例えば、世間的には馬鹿にされがちなライトノベルであっても、それを積み重ねることによって、そして何らかの行動に繋げることによって、何らかの意味は必ず生まれるものだと思うのです。
ここで、「本の格調」のようなものを気にして、人目を気にして本を選んだりしてしまうと、身につくものの濃度は低くなるのではないかと思います。
大事なのは、本を読んで「ピンと来ること」だと思うんですよね。
そのためには、好奇心の指し示すままに本を手に取ることが大切ではないかと、私はそのように考える次第です。
とはいえ、もちろん推奨される本の選び方というものはあり、基本的には「自分が疎い分野の、評価の高い初心者向けの本」などは効率よく血肉に変わると思います。
そういう優しい読みやすい本からスタートし、少しずつ難しい本に手を出していくことで、ふと気がつくとその分野のエキスパートのようになっている、ということもあるかもしれません。
そうすれば、その知見をお金に変換していくことも、だいぶ容易になることでしょう。
まとめ
以上、私なりの読書と収入に関する関係について述べてみました。
まとめると、以下の通りです。
- 読書はPDCAサイクルの起点として人生を変える要素になり得る
- それは長期戦なので、本を買うのも苦しい状況ならまず蓄えを作らなければならない
- インプット以上にアウトプットを重視しよう
- 読むべき本に決まりはない。何でも読んでいこう
他人を啓蒙するというよりは、自分に言い聞かせるような記事になってしまいました。
とりあえず私は、誰から見ても貧乏と言えるような社会的立場にあるのですが、しっかりと種銭を作って、そこから幅広い読書や手を広げていきたいと思っています。
たくさん本を読んで、たくさんのお金を手にしましょう。
お金がすべてではないのはもちろんですが、お金によって避けられる不幸はたくさんありますし、何よりも心の安定が半端ではありません。
特に衰退国家と言われる日本においては、もう少し皆、お金に対してガツガツして、社会を盛り上げるべきだと思うのです。
お互い、読書を通して少しでも収入を上げ、豊かな生活を手に入れていこうではありませんか。