天国的底辺

二次元、創作、裸足、その他諸々についての思索で構成されたブログ

2019年春アニメ:視聴中の作品一覧&寸評

予定の2倍観ています

 ゴールデンウィークも今日で終わりということで、現在視聴中のアニメの一覧と、その寸評を書いていきたいと思います。

 

 司法書士試験の直前期であるということで、当初春アニメの視聴は最大でも6本以内に抑える予定だったのですが、実際に選別を始めてみると、ショートアニメが多いのと、単純に絞るのが難しいというのが相まって、前季から継続している作品と合わせて実に14本という大所帯になってしまいました。

 私がどういう傾向で作品を選んだのか、その選別はどれくらい自分に合っていたのか、脱落した作品はあるのか、といったあたりを、一つ一つの作品の簡単な感想を並べていくことで示していきたいと思います。

 

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この春開始したアニメ

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO

yuno-anime.com

 現在5話まで視聴済み。

 この作品に関しては、何と言っても私が強烈な原作信者であり、放送開始する前から様々な思いをよぎらせながら待っていた、というところがポイントになります。

 原作のゲームをプレイしたことのある人間ならわかると思うのですが、原作の長所の一つに「そのまま映像化することが不可能なゲームデザインである」ということが挙げられます。

 なので、原作のディテールを十全に映像に落とし込むことができないのは明白。だから最初からやるな、という考えも原作ファンの中には当然あり、そういう向きからしてみれば、宿命的に否定する以外ありえないアニメ化なわけです。

 

 しかし私としては、その改変部分にこそ期待したいものがありました。

「全体としての同一性を保つために、細部をどのくらい巧みに改変してくるのか」

 単純にそこにワクワクするものを感じたのです。

 

 結果として、ここまでの出来にはかなり満足しています。

 これはいずれブログの記事にしたいと思っているのですが、原作には色々と不備といいますか、不完全なところがあり、それをうまく補っているように窺えるからです。

 原作を深く理解していなければ絶対にできない再構築をしているというのが、最初の1話を見ただけでよくわかりました。

 

 そして作画も結構安定しているので、見てくれも良い。

 私には今のところ、全肯定するかどうかはともかく、アニメ化自体を否定する必要性はまったく感じません。

 

 しかし――怖くてあまりきちんとチェックしてないのですが――どうも世間的には、否定する向きと、あまり魅力を感じずスルーしている向きが多いような雰囲気を感じ取っています。

 この辺の自分との温度差については、そう遠くないうちにゆっくり考察したいなと思っております。

 

世話やきキツネの仙狐さん

senkosan.com

 4話まで視聴済み。

 1話を観たときの、ある種の衝撃は忘れられません。

 これまで「癒し系アニメ」と言えば、作品世界の描き方や作中のキャラクターの言動が、間接的に(ここ重要)視聴者にとって癒されるものである、と言う形態のことを指していました。

 

 しかしこの作品の場合、そんなものは遠回りだと言わんばかりに、究極に直接的な方法を選んでいます。

 実際に主人公が疲れに疲れていて、その主人公がヒロインキャラクターに癒されるのを視聴者が見て癒される、そんな物語になっている。

 ついにここまできたか、というのが第一印象でした。

 

 時代が生んだ作品、という意味で言うと、本作こそが今季で最も「先進的」なのがコレなのかもしれません。

 日本の労働環境の劣悪さに警鐘を鳴らす――というといささか大げさですが、しかしこの作品で表現されている疲弊と癒しに自分を重ねている声の多さを鑑みるに、図らずもそのようなメッセージ性を含むに至っているようにも思えます。

 

 エネルギーを使って消費する娯楽と、エネルギーを回復させるために消費する娯楽が、今後さらに二極化していくのかもしれません。

 

なんでここに先生が!?

nankoko-anime.com

 4話まで視聴済み。

 いわゆる紳士アニメなのですが、その点だけで評価するなら非常にがっかりさせられた作品であります。

 私が視聴しているのは「もっとたゆたゆver.」という、地上波版よりも規制のゆるいものなのですが、このバージョンでもしっかりと諸々が隠されているのです。

 

 それがビジネス戦略の一環なのか、それとも規制が厳しくなってそうせざるを得なくなったのか、判断がつかないのが怖いところです。

 昔は良かった、という言葉は滅多なことでは口にすべきではないと思っているのですが、テレビ番組の放送コードに関して言えば、本当に昔は良かった。

 誰のせいで世の中はこうなってしまったのでしょうか。

 

 ちなみに、いったん紳士アニメと言う評価軸から離れると、内容的には結構面白いというのが私の感想です。

 単純に児島先生がかわいい。そしてやり取りに「隙間」がない。

 今後出てくる先生達も、同じくらい魅力的であることに期待したいです。

 

みだらな青ちゃんは勉強ができない

aochan-anime.com

 5話まで視聴済み。

 タイトルから私が想像していたのは、主人公の青がことあるごとに妄想膨らませすぎることで笑いを取っていくコメディだったのですが、蓋を開けてみると、意外と真面目に恋愛の初期過程を描く作品でした。

 妄想を単なる笑いでは終わらせずに、「悩める乙女」と言う方向に持っていくことで、そういう方向性を獲得しているわけですね。

 

 そのことで普通の作品になってしまっている面もなくはないと思うのですが、今のところその「普通さ」に対する退屈さは感じていません。

 この辺りはテンポと細かなセリフ回しがほとんどすべてを決めるところで、この作品の場合はそれが及第点に達しているということなのでしょう。

 

川柳少女

senryu-girl-official.com

 5話まで視聴済み。

 セリフのすべてが五七五調の女の子の優しい日常を描いていく作品……なのですが、私にはどうも退屈なものに感じられます。

 

 この種の作品は、キャラクターとその掛け合いが命だと思うのですが、その点でどうも惹きつけられるものがない。

 ただただ優しい世界がそこに転がっているだけで、全体として平坦なのです。

 

 また、川柳の要素があまり意味をなしていない。

 別に五七五で喋らせず、ちょっと内気な女の子が言葉少なに自分の考えを周囲に表現する、というだけでも、作品のテイストは別に何も変わらないのです。

 

 私とは合わなかったということで、この作品の視聴はここまでとすることにしました。

 

ひとりぼっちの○○生活

hitoribocchi.jp

 5話まで視聴済み。

 放送が始まる前はほとんど何も期待していなかったのですが、いざ観てみるとこれがとても面白い。

 

 コミュ障な女の子が主人公で、ここだけ考えるとキャラクター同士の掛け合いのテンポやバリエーションに難が生まれるのではないかという心配が出てくるのですが、この作品の場合はむしろ逆。

 掛け合いの面白さを最大の武器としているのです。

 

 創作物に対する私の基本的な考え方として、「何を語るか」よりも「どう語るか」の方が大切である、というのがあるのですが、この作品はまさに「語り方の勝利」であると思いますね。

 

 ただし気になるところが無いわけではなくて、メインキャラのうち、ソトカ・ラキターだけは、最初に登場したときの一発ネタ以外、転がしにくい存在であるように感じられるのです。

 もし今後、彼女を上手に扱うことができるのならば、この作品はかなりの良作になっていくだろうと思います。

 

超可動ガール1/6

choukadou-anime.com

 5話まで視聴済み。

 特に何の説明もなくフィギュアが動き出し、主人公の部屋で騒動を巻き起こすというお話。

 

 正直なところ、やっていることにあまり面白味は感じられず、ともすれば退屈と取れないこともないのですが、それでもなんとなく見てしまうのは何故なのか。

 多分、ほどほどのサービスシーンに釣られているのと、ヒロインの声に一種の中毒性があるせいではないかと思われます。

 

女子かう生

joshikau-anime.com

 5話まで視聴済み。

 5分アニメで、特に内容と言うものはありません。3人の女子高生が、その回ごとのテーマでワイワイやるというだけの作品です。

 

 この作品の特徴は、サイレントであるというところですね。

 セリフが一切なく、ただし声優さんはきちんと配役されていて、主に呼吸によって芝居をしています。

 それだけでもあまり不足感を感じないのは、内容的にそれでも問題ないものであるということと、5分アニメならそれでも何とか保ってしまうということなのだろうと思われます。

 さすがに30分アニメであったなら、この原作は選ばなかったでしょう。

 

 めちゃくちゃ気に入っているかというとそういうわけでもないのですが、なにぶん5分アニメなので、惰性で見続けています。

 一口にアニメといってもいろいろな「用途」があり、この作品の場合は私の中で「いちばん軽いところ担当」になっていて、あまり多くを求めていないというのが功を奏している感じです。

 

ノブナガ先生の幼な妻

nobutsuma-anime.com

 5話まで視聴済み。

 放送が始まる前に、Kindleで原作漫画の第1巻が無料になっていたので、買って読みました。

 ざっと読んだだけなので記憶がおぼろげなのですが、原作と比較すると、アニメのほうはかなり細部を端折っています。

 10分アニメという制約のせいだと思われます。

 

 しかし内容的に、大事なところが削られたという感覚はほとんどありません。

 あまり良い表現ではありませんが、原作に冗長なところがあったということなのだろうと思います。

 この作品はハーレムアニメと紳士アニメの中間くらいのテイストなのですが、そのコンセプトにおいて、原作で繰り広げられていることの多くは贅肉だったのでしょう。

 原作は「一見して普通の作品のように見せようと」頑張っているところがありました。そのために使われている尺が、最初から開き直っているアニメにとっては不要のものであった、ということなのだろうというのが私の解釈です。

 

 個人的には、同じ作者の『こえでおしごと!』のほうを観てみたかったという願望はあります(OVAは物足りなかった)。

 まあ、それができる時代では無いのでしょうが……。

 

ぼくたちは勉強ができない

boku-ben.com

 4話まで視聴済み。

 私は3人のヒロインのうちの1人である武元うるかの素足履きに惹かれてこの作品の視聴を決めたのですが、いざ視聴を始めてみると、ヒロイン3人ともそれぞれに魅力があり、また主人公にも嫌味なところがなく、とても見やすい作品になっていると言う印象を持ちました。

 

 最初のうちは、ちょっと配色に難があるのではないかと思ったのですが、だんだん慣れてきましたね。

 この件に限らず、第一印象がその後も維持されるのか、それとも慣れとともに覆されていくのかというのは、実際に触れ続けてみないとわからないものです。

 

 お話に関して気になる点を述べるとすれば、3人のヒロインをできるだけ平等に扱うとするあまり、時と場合によってはお話がとっちらかることがあるという点でしょうか。

 後半に入ってくればまた変わるのかもしれませんが、私としては、必要があるならば特定のヒロインだけ出番が多くなるようなことがあっても、あまり気にする必要は無いのではないかと思います。

 

 もちろん、ファンの中には、そういうところで「不平等だ!」みたいに怒り狂う向きもなくはないのでしょうけどね……。

 

洗い屋さん! ~俺とアイツが女湯で!?~

araiya.cf-anime.com

 4話まで視聴済み。

 いわゆる「僧侶枠」の作品です。

 

 この枠の作品に関して、テレビ放送版を観ていても仕方ないんじゃないか、という声もあるのではないかと思います。

 肝心なところは規制されていて、それ以外に内容と呼べるものは皆無に等しいですからね。

 

 しかしなにぶんこれも5分アニメなので、あまりその辺にはこだわることなく、なんとなく観てしまえるのです。

 これまで僧侶枠で放送してきた他の作品と比べると、こちらは各種設定が割と普通のテレビアニメっぽくてクセがないため、特に頭の周波数を特別なものにせずとも受け入れることができる。このあたりも大きいです。

 

 まあ、わざわざお金を払って完全版を観る気にまではなれないのですが、とりあえず毎週5分間(実質3分半くらいでしょうか)を気楽に楽しんでいる状態です。

 

八月のシンデレラナイン

anime-hachinai.com

 4話まで視聴済み。

 一言で言えば『ラブライブ』のフォーマットで野球をやるという作品。

 ……なのですが、どうもいまいちハマれるところがありません。

 理由は簡単で、キャラクターに魅力が乏しく、テンポが悪く、作画も良くないと言う、悪い意味での3拍子が揃ってしまっているのです。

 

 私がこの作品にチェックを入れた理由は、登場キャラクターの中に裸足で下駄を履いている女子が公式サイトにいたからなのですが、そのキャラクターがなぜか靴下を履いて登場したので、もはや何かを期待できる状態にはありません。

 4話の終わりでいよいよ9人の部員が揃い、ようやくこれから試合をしていけるという流れになったのですが、個人的にはそれを目にした時点で「もういいかな」という気持ちになってしまいました。

 

 あと1話くらいはチェックしてみますが、おそらくそう遠くないうちに視聴をやめると思います。

 

前季から視聴を続けているアニメ

盾の勇者の成り上がり

shieldhero-anime.jp

 17話まで視聴済み。

 この作品をものすごく個人的な観点で評するなら「ちゃんと物語しているのだけど、今の自分にはそのストレスフルな内容が結構きつい」という感じでしょうか。

 つまり、客観的には評価すべきだと思うのですが、肝心の自分に、それを受け止めるためのエネルギーが不足しているという状態なのです。

 

 それでも視聴しているのは、常に裸足で行動するフィーロの魅力に惹かれているからです。

 乏しい薪に己の性癖を継ぎ足すことで、何とか火を確保しているわけですね。

 そこには「こういう作品も少しは追っておかないと」という思いがあるのですが、趣味でそこまで頑張らなくてもいいんじゃないのと言われると、返す言葉もありません。

 

 17話まで来て、これまで徹底的に理不尽が続いていた展開に少し変化の兆しが見えてきたのですが、果たしてどうなるのでしょうか。

 普段あまり「最後には救いを」みたいなことを求めないタイプなのですが、この作品に限って言えば、「もうそろそろ恵まれてもいいよな」という気持ちにさせられますね。

 絵面は王道的ですが、そういう意味では尖った作品だと感じています。

 

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風

jojo-animation.com

 28話まで視聴済み。

 とにかく緊張感を表現するのが上手く、毎回テンションが上がります。

 原作の力とアニメの力が両方ないと実現できないことを、いとも簡単にやってのける様は、称賛に値すると思います。

 

 細かい部分では、いろいろと疑問点もあるんですよ。

 しかし魅力的な演出が、少なくとも視聴中はそれらを意識の片隅に追いやってくれるのです。

 ここから学べることは大きいですね。創作で大事なのは穴を潰すことばかりではなく、穴があってもそれを吹き飛ばすような魅力と勢いがあれば成立するのだと。

 

 まあ、それは穴を潰すより遥かに難しい仕事だったりするわけですが……。

 

消化が大変、でも楽しい

 とまあ、こんな感じの14本です。

 何となく察した方もおられると思うのですが、基本的には(特に今季は)軽い気持ちで視聴できそうなものを中心に選んでおります。

 そうでなければ、もっと重い内容の30分アニメがあと数本含まれていたことでしょう。

 

 私は腰の重さが趣味にも出るタイプで、ときどきアニメを消化することがものすごく面倒臭くなることがあります。

 そんな自分に対し、アニメ視聴を「ノルマ化」するために、数ヶ月前からTwitterとMastodonにて、アニメの感想をキャプチャー付きでツイートすることを続けています。

 興味のある方は、是非そちらもチェックしていただければ幸いです。