水の都・神奈川
突然ですが、私は神奈川県在住です。
神奈川といえば皆さんそれなりに色々なイメージを持たれていると思うのですが、私が個人的に強く抱いているものとして、「水不足と縁がない」というのがあります。
関東地方の水源は面白いことになっていて、神奈川県以外の1都5県が、同じ水源を共有しています。その最大の水系は利根川水系で、群馬県を中心として幾つかのダムが建設されています。
それに対して神奈川県だけが、独自に貯水池を持っており、まったく別系統の運用をしているのです。
そしてこの神奈川の水がめが、非常に強い。
他の1都5県が水不足に陥った年も神奈川県だけはほとんどノーダメージ。特に平成13年にダメ押しのように宮ヶ瀬ダムという首都圏最大級のダムが完成してからというもの、それは盤石のものとなりました。
東京が困っても神奈川は困らない。私は長いことそういう認識で暮らしてきましたし、実際このことは神奈川の大きな特徴の一つとして、県民のよく知るところであったりします。
今年は異変が起きている?
……が。
どうも今年はその様子が少し違うということに、先日気づきました。
私はときどき思い出したように、神奈川県が毎日更新している貯水率の情報を見に行きます。
それでつい数日前、そういえば最近見てないなと思っておなじみのサイトを訪問したところ、見慣れない数字がそこには記載されておりました。
それが以下のようなものです。
出典:かながわの水がめ - 県内の貯水状況
端的に言って、今年は貯水量がかなり少ない。
2年前の2017年にも、7月の終わりから8月にかけて貯水池の水位がかなり下がったことがあり、先述の宮ヶ瀬ダムにも、普段水に隠れて見えない部分を見にマニアの方々が集まったそうなのですが、今年はその2017年を遥かに下回る貯水率でここまで推移しています。
もちろん、梅雨はこれからやって来るわけですし、そこで最近よくあるスコール的な雨が2回くらい降れば、それでだいぶ解消されてしまう程度のものではあるのですが……この状況、神奈川県的にはかなり珍しいところまで水不足が進んでいると言えるものです。
たぶん私の気が早い&心配性なだけで、専門家の方々はべつにまだ騒ぐような状況とは思っていないのでしょうが、色々考えてしまう次第です。
給水制限が出るのかなとか、夏場の自販機の値段がつり上がるのかなとか……。個人的に自販機は一切使わないので、そこはある意味他人事ではありますが。
最悪の枯渇が一夜で復活した例
水不足に関して、未だに強烈な印象として残っているのは、高知県にある早明浦(さめうら)ダムの2005年の出来事です。
もともと危ういことになりやすかったこのダムが、9月に入ってついに貯水率0%にまでなったものの、台風14号の豪雨により一夜にして100%まで回復し、9月6日にはすべての取水制限が解除されたという顛末でした。
当時、2ちゃんねるでこのことをリアルタイムで知り、よその話ではありますが、胸をなでおろすと同時に、自然との複雑な関係を興味深いと思ったものです。
この国は台風で頻繁に被害を受ける一方、台風ありきで水の確保が成り立っている面もあるんですよね。
こればかりは待つしかない
さて、今年の神奈川県はどうなるのでしょうか。
土砂崩れや河川の氾濫などが起きない程度の、程よい豪雨(?)に期待したいところです。