天国的底辺

二次元、創作、裸足、その他諸々についての思索で構成されたブログ

UDトークこそ最強の音声入力ツールかもしれない

UDトーク

 

 私は音声入力オタクです。

 様々な音声入力ツールを導入しては、いろいろな使い方を試してみて、自分に最も合うスタイルがどんなものなのかを普段から研究(というと大げさですが)しています。

 

 そんな中で最近思ったのは「UDトークこそ、もしかしたら最強の音声入力ツールではないのか?」ということです。

 そんなわけで今回はUDトークについて、改めて気がついた魅力などについてちょっと書いてみたいと思います。

 

 

UDトークとは?

 UDトークとは、スマホ用に提供されている音声入力アプリです。

 

 音声入力にはいろいろなものがあります。

 一番有名なところでは、Googleが提供しているGoogle音声入力が挙げられるのではないでしょうか。

 それ以外にもスマホ用の音声入力アプリとして、Microsoftが提供しているGroup Transcribeなど、いろいろなものが存在します。

 

 私は過去のブログ記事で、これらについても言及しており、いろいろ評価などもしてきたので、興味のある方はそれらも参考にしてみてください。

 

www.tengoku-teihen.com

 

 UDトークの特徴は、聴覚障害者のサポートをすることや、セミナーなど公的な場で使われることをメインに見据えているように見受けられることです。

 普通に「よく文章を書く人」よりは、音声入力アプリを使わざるを得ない状況の人に向けて開発しているというのが、私の印象ですね。

 

 そのためか、例えばデフォルトでは過激なワードが変換されないように配慮されています。下ネタが代表例ですね。

 こういったところから、UDトークがきちんとした経緯を持つアプリであるということが伺えると思います。

 

 しかし私はこれまでUDトークにそれほど高い評価を下していませんでした。

 なぜなら、私のこれまでの検証結果としては、UDトークは認識精度に多少の難があるという判断だったからです。

 

 しかしこれが最近になって覆されることになりました。

 それはどういうことなのか?

 以下で解説していきます。

 

UDトークの認識精度を高めるもの

 結論として、UDトークの認識精度を高める方法というものが存在したのです。

 それは具体的に、次の2つとなります。

  • 口とマイクの距離を近づけること
  • 有料プランに加入すること

 もしかしたら当たり前のことと感じられる方もいるかもしれませんが、私にとっては盲点でした。順番に解説していきます。

口とマイクの距離を近づける

 私はこれまでUDトークを使う際に、ピンマイクを「いわゆる普通に」使っていました。

 いわゆる普通とはどういうことかというと、ピンマイクを首のちょっと下あたりに取り付けて喋るということです。

 ピンマイクって大体そういう使い方をしますよね。

 

 しかし結論として、それでは口とマイクの距離が遠すぎたのです。

 首のちょっと下あたりにピンマイクを付けると、口とマイクの距離は大体15センチから20センチくらいになるでしょうか。

 それでは、要求される精度を発揮できない仕様だったのです。

 

 実際のところ、UDトークやAmiVoiceの開発者たちの意見を見てみると、口とマイクの距離は5センチ以内に近づけるべきだと書かれています。

 そのように口とマイクを近づけて初めてUDトークの本当の威力が発揮されるわけですが、私はそれまでそのことを知らず、本来のポテンシャルが発揮できない条件下でUDトークを評価してしまっていたのです。

 

 しかし最近になって私は、口とピンマイクの距離をほぼゼロ距離にするというやり方でUDトークを使うようになりました。

 具体的にどうやるかというと、私は眼鏡をかけているのですが、眼鏡中央のブリッジ内側にピンマイクを通し、ぶら下げます。

 そして、ピンマイクの先端が口とちょうど同じ高さになるように調整するのです。

 

 こうすることで、口とマイクの距離がゼロ距離になり、かつ手ぶらで音声入力ができるようになる。

 このやり方を発見したことにより、UDトークによる入力精度が格段にアップしました。

 ビジュアル的にはものすごく間抜けなのですが、効果は抜群です。

 

有料プランを契約する

 UDトークは基本的に無料で使えるアプリですが、実は有料プランも存在します。

 有料プランを契約すると、無料ユーザー向けに開放されているサーバーではなく、有料プランを利用しているユーザーたちだけの独自のサーバーを利用できるようになります。

 

 私はこれまで、有料プランというものが音声認識の精度と関係あるとは全く思っていませんでした。

 あくまでも、混雑時にスムーズに利用できるかどうかの違いだけしかないと考えていたのです。

 

 しかしあるとき思い切って有料プランに契約してみたところ、単にレスポンスがスムーズになるだけではなく、音声の認識ミスも減ることがわかりました。

 私がこれまで音声入力エンジンの性能の問題だと思っていた言葉の途切れは、その多くがサーバーの重さに起因するものだったわけです。

 

 つまり、UDトークの真の威力は、有料プランを契約することで発揮されるというわけですね。

 

 このように書くと「いや、無料で使えるからいいのであって、有料じゃなきゃ駄目なんだとしたら、全く選択肢に入らないよ」という方もいるかもしれません。

 しかしここは騙されたと思って、一度でもいいから有料プランを試してみてほしいんですよね。

 後述する単語登録機能と合わせることで、ものすごい威力を発揮するので、音声入力に興味のある方には、ぜひ試していただきたいところです。

 

王者・Google音声入力との比較

 それではここで、無料で使える音声入力機能の中でも最も有名なGoogle音声入力との比較について、ちょっと語ってみましょう。

 

速度はGoogle音声入力の勝ち

 まず入力される速度についてですが、これに関してはGoogle音声入力の勝ちだと思います。

 先ほども書いた通り、UDトークは有料プランに契約することで、スピードが遥かに向上します。

 しかしそれでもなお、残念ながらGoogle音声入力の爆速にはかないません。

 

 とはいえこれはGoogle音声入力が速すぎるのであって、UDトークの欠点というほどではありません。

 使い勝手において致命的な何かが発生するような遅延ではありません。

 あくまでも、表示されるまでにちょっぴり時間がかかるだけです。

 

 そのような意味で、速度はGoogle音声入力の勝ちではあるけれども、だからといってUDトークが使いにくいことにはならないというのが、私なりの評価です。

 

入力精度はほぼ変わらない

 これまで私はGoogle音声入力の入力精度が最強だと思っていました。

 しかしこれはあくまでも、UDトークを使うにあたってピンマイクの扱いや、無料にこだわっていたことなどから生まれた結果に過ぎませんでした。

 先ほども書いたように、ピンマイクと口の距離をゼロ距離まで近づけ、有料プランに契約した上でGoogle音声入力とUDトークを比較してみると、日本語の入力精度はほとんど変わらないことがわかりました。

 

 従ってこの点ではドローと言うべきでしょう。

 いや、句読点が自動的に挿入されることなどを考えると、もしかしたらUDトークのほうに軍配が上がる可能性もあります。

 

単語登録機能は最強のアドバンテージ

 そしてUDトークには、というかAmiVoiceには、単語登録機能というGoogle音声入力には存在しないアドバンテージがあります。

 この機能をフルに活用することによって、UDトークはGoogle音声入力に対して激しく優位に立つことができます。

 

 単語登録機能を備えている音声入力エンジンで、広く使われているのは現状AmiVoiceだけなので、これを内部機能として搭載しているUDトークは、代えのきかない存在であると言えるのではないでしょうか。

 

 次の項目では、単語登録機能が備わっていることで具体的に何ができるのかについて、私なりの事例を挙げていきます。

 

単語登録機能で小説の下書きもできる

 私はこのブログの他にも、趣味で小説を書いています。

 そもそも本業がWebライターなので、とにかく文章を書く生活をずっと続けているという感じですね。

 

 さてその小説なのですが、これはあらゆる文章の中で最も音声入力に向いていない分野です。

 なぜならオリジナルの固有名詞が頻発するので、普通の音声入力では変換できないものが次から次へと出てきて、まともな執筆にならないからです。

 小説のような文章を書きたければ、一時的に他の一般的な単語で置き換えておいて、あとから手動で自分の思い通りの単語で置き換えるといった対策が必要になるのです――普通は。

 

 しかしそれも、単語登録機能が標準で備わっているUDトークであれば、全く問題ありません。

 例えば小説のキャラクター名なども、しっかり登録しておけば、普通に喋るだけで問題なく変換してくれるのです。

 中二病的な能力名や組織名なども、普通に喋れば変換してくれるようになります。

 

 また、一度きりしか出てこないからわざわざ辞書登録するまでもない、みたいな言葉については、「あとでまーく」で「【あとで入力】」と出るようにしておけば、あとで忘れず手動による追記ができます。

 

 こういったことから、UDトークは小説を書いている人には激しくおすすめできる音声入力ツールとなっています。

 

UDトークを使いこなすポイント

 UDトークを使いこなすポイントは、以下の3つです。はい。

  • オンライン単語登録を活用する
  • スマホで使用する際には、UDトークキーボードを使う
  • パソコンで使用する際には、UDトーク文字入力を使う

 いずれもUDトークのポテンシャルを引き出す強力なものばかりなので、以下の解説を読んでしっかり把握しておきましょう。

 

オンライン単語登録

 UDトークで単語登録する方法は2つあります。アプリ内辞書に登録する方法と、オンラインにアカウントを作って、そこに単語登録をしていく方法です。

 このうち後者のオンライン単語登録は非常に便利なので、ぜひ使うことをおすすめします。

 

 オンライン単語登録にできて、アプリ内辞書にできないもののうち、最も大きなものは以下の2つです。

  • 各種要素によるソート
  • カテゴリ分け

 これはオンライン単語登録機能が優れているというより、アプリ内辞書に対して「それくらいやれるようになってくれよ」と思うところではありますが、とにかくオンライン単語登録は、上記2つの理由により絶対におすすめとなっています。

 またオンラインであることにより、複数のデバイスから同じ登録単語を使用できるのも、メリットといえるでしょう。

 

UDトークキーボード(スマホ)

 スマホで音声入力をしたいときには、UDトークキーボードという機能を使うことをおすすめします。

 これはスマホのキーボードの中に「UDトークキーボード」を追加し、UDトーク以外のアプリからUDトーク音声入力を使えるようにする機能のことです。

 

 これにより、例えばメモアプリや、Googleドキュメント、Google Keepといったものに対して、UDトークを利用することができるようになります。

 SNSに投稿する際にも、単語登録を存分に使った音声入力を利用できます。

 

 これは本当に便利なので、ぜひ活用してみましょう。

 

UDトーク文字入力(パソコン)

 UDトークはスマホアプリなので、これまでパソコンではうまく活用することができませんでした。

 しかしそこに登場したのが、新たなアプリである「UDトーク文字入力」です。

 

 UDトーク文字入力は、スマホアプリであるUDトークと連携することにより、パソコン上での文字入力を可能とするアプリです。

 現在はWindows版とMac版がありますが、このどちらにおいても、文字を入力できるあらゆる場所において、UDトークによる音声入力が可能となります。

 

 私はパソコンで音声入力をするのがメインであるため、このUDトーク文字入力の登場は本当に衝撃でした。

 パソコンで音声入力をするにあたって、とうとう単語登録機能を活用できる方法が誕生したわけですから。

 

 これまでGoogle音声入力やWindows 11の標準音声入力に対して、「頼むから単語登録機能を追加してくれないかな」などと夢見ていた私ですが、それがとうとう叶ってしまった形です。

 音声入力を使うにあたって、パソコンとスマホでは修正のスピードが段違いなので、パソコンによる音声入力に慣れ親しんでいる人にとっては、スマホでしか使えないというのは非常に大きなデメリットだったんですよね。

 それが1つのアプリで一気に解消されたので、本当に飛び上がるほど嬉しい気持ちで、今これを執筆している次第です。

 

 この文章も、UDトーク文字入力を使ってパソコン上で書いています。

 まだ完全に慣れていないので、ちょっとたどたどしいところもありますが、スムーズなところは本当にスムーズに入力できているので、実に気持ちいいですね。

 

今後UDトークに期待すること

 今後のUDトークに期待することとしては、以下の2が挙げられます。

  • パソコンだけで完結するシステムを構築してほしい
  • スマホアプリ上でもオンライン単語登録を管理できるようになってほしい

 この2つができるようになれば、UDトークはパーフェクトに近づくといっても過言ではありません。順番に見ていきましょう。

 

パソコンだけで完結するシステム

 パソコンでUDトークを使うにあたっては、パソコン用のアプリであるUDトーク文字入力だけでなく、スマホの本家UDトークも起動させておく必要があります。

 スマホに向かって喋ることで、パソコンにテキストがコピーされる仕組みだからです。

 つまり、常にスマホのUDトークを起動させておかなければいけないわけです。スリープ状態でも動くので、それほどバッテリーは消費しませんが。

 

 しかしできればこれを、パソコンだけで完結できるようにしてほしいんですよね。

 例えば、Windows 11にはAmazonアプリストアをインストールすることができます。

 このAmazonアプリストアには、今のところUDトークはラインナップされていないのですが、もしあれば、パソコン上のUDトークに向かって喋り、パソコン上にそれが反映されるというパソコン完結が実現するのではないでしょうか。

 

 パソコン用のコンデンサーマイクで音声入力したい欲があるので、ぜひパソコンだけで完結する仕組みを構築できるようになってほしいところです。

 

スマホアプリ上でのオンライン単語登録管理

 オンライン単語登録機能が便利であることは既に述べましたが、この機能には1つ大きな欠点があります。

 ブラウザ上で専用のサイトにログインしないと、管理ができないのです。

 

 パソコン上で管理する分にはそれで構わないのですが、スマホで管理しようとすると、ちょっと厄介です。

 ご存知の通り、スマホのブラウザでは細かい操作をするのがちょっと面倒だからです。

 

 ここはUDトーク本体の中で、オンライン単語登録機能にアクセスし、各種操作ができるようになってほしいところです。

 そもそもオンライン単語登録機能にログインする機能は持っているわけですから、そのついでに管理する機能があってもおかしくないはずなんですよね。

 

 これについてはぜひ、近いうちに実装してほしいです。想像ですが、そんなに難しいことではなく、なんとなく実装し損ねているだけだと思うので、ここはさくっと形にしていただきたい部分です。

 

おわりに

 このような感じで、私は最近、UDトークにすっかりはまっている状態です。

 UDトークと出会ってから1年以上が経過しているのですが、ようやくこのアプリをフル活用できる体制が整ったなという感があります。

 

 UDトークは現在においても非常に強力なアプリですが、これからさらに進化を重ね、もっともっと使い勝手の良いものへと進化していくことに期待しています。

 一介の字書きとして。