天国的底辺

二次元、創作、裸足、その他諸々についての思索で構成されたブログ

寝起きのリズムを完全在宅フリーランスがあれこれ考えた

私はいわゆる完全在宅のフリーランスをやっています。
いつ起きていつ寝るのも全くの自由で、外界の人間たちに束縛される要素はゼロであると言っても過言ではありません。

しかし、だから寝起きのリズムなどで悩むことなどないのかというと、そういうわけでもなかったりします。
自由が利くからこそ、むしろどのように活動するのが理想なのか、果てしない試行錯誤の道にはまり込んでしまうんですよね。
贅沢な話と言われれば返す言葉もありませんが。

つい先日も、とある事情を考慮することをきっかけとして、新たに起床時間と就寝時間の改良を加えました。
今のところは良い方向に出ており、このまま定着すればより生産的な人間になれそうだと、自分で自分に期待しているところです。

今回はその、先日新たな寝起きのリズムを定めるにあたってどんなことを考えたのかについて、少し書いてみようと思います。

早起きを続けていたがやめたい事情が出てきた

冒頭にも書いた通り、私は完全在宅のフリーランスであり、寝起きは全くの自由です。
例えば「普通の人たち」とは全く逆の、夜7時起床、朝11時就寝なんてことをしても、誰にも迷惑はかかりません。

しかしその自由を思いっきり行使していたかというとそんなことはなく、比較的常識に則った生活リズムを続けていました。
だいたい朝の7時か8時くらいに起きて、途中に仮眠を挟み、深夜の1~3時くらいに寝る、という暮らしを結構長いこと続けてきたのです。

ところが最近になって、それを修正したいなと思うようになりました。
これまで漠然と「朝早めに起きて夜寝る生活ができているのは健康的だ」と納得していたのですが、それではうまく運ばない物事を意識するようになり始めたのです。

どういうことなのか、以下で解説します。

UDトークのサーバーが軽くなるのは深夜帯

私の仕事はWebライターです。まあ一言で言うと、文章を書く仕事です。
そして趣味でこういうブログを書いたり、小説を書いたりもしています。
徹頭徹尾「文章を書くことに取り憑かれた」人間だと言ってしまって良いでしょう。

で、ここからがポイントなのですが、私は文章を書くにあたって、音声入力を多用しています。
具体的には「UDトーク」というアプリを使い、パソコンでせっせと大量の文章を書く生活をしている。
音声入力は使いこなせばそのスピード感はキーボード入力の比ではなく、本当に気持ち良く長文を瞬く間に仕上げることができるので、今更音声入力のない生活に戻ることはまずもって不可能でしょう。

ちなみに音声入力に関するブログ記事も何本か書いてきたので、よろしければ検索などしてお読みいただけますと幸いです。

さてそのUDトークなのですが、ものすごく「使える」アプリである一方、一つだけ弱点があります。
サーバーが混雑しがちなのです。
特に多くのユーザーが利用していると思われる「いわゆる普通の人たちの活動時間帯」は、場合によっては仕様に支障をきたすレベル。
ここでは詳しい機能の説明はしませんが、喋った内容が「詰まり」を起こしてしまい、やり直しになることも少なくないので、結構ストレスになるんですよね。

しかし、24時間ずっとサーバーが重いわけではありません。
UDトークの利用者はほとんどが日本人であり、したがって日本人が寝静まる深夜帯には、上に書いたような混雑から来る不便さは一切発生しなくなります。

――と書けば、なんとなく言いたいことがおわかりになったのではないでしょうか。
そうです、最近になって、早寝早起きのリズムをあえて崩し、UDトークのサーバーが軽くなる深夜帯にたくさん作業したいなと思うようになってきたのです。

ちょっとした抵抗がないわけでもありません。
外的な不完全性に自分の生活リズムの方を合わせることに微妙な屈辱感もないではありませんし、「それは本当にせっかくの早寝早起きをやめてしまう価値のあることなのか?」という自問も浮かんできます。
しかし、考えれば考えるほどメリットが大きく感じられてきたんですよね。
なにしろ本当に、深夜帯はびっくりするほどサクサクと、快楽物質が出てくるくらいスムーズに音声入力ができるのです。
これが今の私にとってどれほど気持ちの良いことか、ここではとても表現しきれるものではありません。

というわけで、私は自分の生活リズムを変えてみようという方向で動き始めることにしました。
「動き始める」といっても、何しろ誰にも影響を与えない自分だけのことであるわけで、要するにそれは「生活リズムを変える価値があるのだと自分を納得させる」行為に他なりません。
それをやり始めたのです。

実は早起きが必要なのは月に一度しかない

先ほど私は、仕事に関しては生活リズムに関わる制約が一切ない旨を書きました。
これは本当にその通りで、Webライターという仕事は(インタビューなどする方は別として)いつ寝ていつ起きる生活であろうが成立してしまう、真に自由なものです。

しかし、仕事だけが私生活における時間の制約原因ではありません。
それ以外にも、寝起きのリズムを縛る要素は人によっていろいろあることでしょう。
例えば家庭を持ち、子供のいる方などは、自分だけ昼夜逆転の生活を続けるというわけにもいかないでしょう。
そんなことをしたら、せっかく築き上げた家庭が崩壊することにもなりかねません。

私にもそんな事情が全くないわけではありません。
実は月に一度だけ、世間の常識的なリズムに合わせて、午前10時くらいにある場所に出かけなくてはならない用事があるのです。
そのときばかりは、外界の束縛を受けることになるわけです。

とはいえ逆に言えば、私の束縛は仕事以外を全て含めてもそれだけです。
つまり月に一度その用事をこなすことさえできれば、後は本当に完全な意味で自由だ、ということになるわけですね。

私はそれまで、自分にはもうちょっと何らかの制約があるかのように錯覚していたのです。
あまり深く考えることなく漠然と「普段から朝起きて夜寝る生活にしておかないと、いろいろ大変な場面が出てくるからなあ」と考えていたんですよね。
でも今回よくよく具体的に考えてみたら、全然そんなことはなかった。
私の寝起きのリズムを縛るものは、実のところ月に一度のそのイベントしかなかったのです。

これくらいなら、その日だけちょっといつもと違う寝起きをするだけで済むわけで、私の意識はますます「深夜をフル活用する」方向にシフトしていくことになりました。

必ずしも早起きが良いとは限らない

深夜を使う方向に考え始めた私が、自分を納得させるためにさらに考えたのは、「そもそも朝に早起きすることって言うほど素晴らしいか?」ということでした。
昔から早寝早起きは健康の元、みたいに言われてきましたが、それを無批判に受け入れて絶対の基準のように扱うのは正しいとは言えないのではないかと、そんな風に思うようになったのです。

で、いろいろ調べてみたところ、話は割と複雑であることがわかってきました。
ここではその辺りについて少し書いてみます。

人間には朝型と夜型がいる

最新の科学が明らかにしつつあることとして、人間にはそもそも朝型と夜型があるらしいんですよね。
そしてこれは生来のものであり、変えられるものではないらしいのです。

これは結構残酷な意味を含んでいます。
世間のほとんどの人たちは、朝に活動を開始して、夜にそれを終わらせる生活を「余儀なくされて」います。
本人の意志でそうしているわけではなく、そういう風に過ごさないと仕事が(すなわち生活が)成り立たないから、そういうリズムで生活しているわけですね。

しかしこれはどう考えても、朝型の人間に適した暮らしです。
つまりほとんどの人は、仕事の都合で仕方なく朝型人間に適したリズムを余儀なくされており、たまたま自身が朝型人間として生まれた場合は快適に過ごすことができ、夜型人間として生まれた場合はその限りではない、という一種のガチャを回していることになります。

「いわゆる普通に」暮らしている人たちの中にも、生命体レベルではもっと夜主体で動いた方が良い人がたくさんいて、彼らは本領を発揮できない日々を半ば強制されているわけですね。

この話を知って、私は「そういえば」と思わされることがありました。
自分が朝型か夜型かは定かではないのですが、深夜になると妙な高揚感に包まれて、何でもやってやるぞ的なモチベーションが湧いてきた経験が、これまでに何度もあったんですよね。

これが夜型の証拠なのかはわかりませんが、どうやら一つ言えるのは、人間にはそういうこともあり得るのだということ。
そして、もし深夜に最も活動的になれるのだとしたら、それに従って深夜にいろいろなことをやった方が人生がより充実するのではないかということです。

ここに至って、私はますます深夜メインで活動するスタイルに意欲を燃やすようになってきました。

ビジネス書が早起きを賛美している理由

世間に出回っているいわゆるビジネス書を紐解いてみると、早起きを賛美している記述が多数見受けられます。
……といってもそんなにたくさんのビジネス書を読んだ経験があるわけではないのでアレですが、少なくとも私の観測の範囲内では、早起きして朝活、みたいな行動が圧倒的に支持されており、もはや「朝を活用できない者に成功はない」くらいの迫力を感じます。

しかし、よくよく考えてみると、これらの本が早起きを賛美しているのは、次のような前提の上でのことなのではないでしょうか。
「ビジネス書の読者、すなわちビジネスパーソンは、そもそも昼夜逆転の生活なんてできる立場にない。朝起きて夜寝る生活をしなければならない縛りの中で働いている」

つまり、ビジネス書が早起きのメリットを語るのは、朝型の生活をせざるを得ない人間たちが読者であり、「そのリズムの中で生活を充実させる方法」が早起きの方向しかないからではないでしょうか。
とすれば、会社勤めなどしていない自由の利く人間が、ビジネス書の主張に振り回されて早起きにこだわる必要など全くないのではないかと思うのです。

こう考えると、ビジネスパーソンも大変です。
その安定した収入はフリーランスからすれば羨ましい限りですが、引き換えにたくさんの縛りの中で生きている。
時間を有効に使いたかったら早起きするしかないのも、その縛りの一つなのです。

しかし、良くも悪くも私は会社勤めをしている人間ではない。
なればこそ、常識的な思考を捨てて、自分にとっての理想を柔軟に追い求めるべきではないかと、そんな風に考えを進めるのでした。

今の自分にとって理想の寝起きのリズムとは?

さて、ここまで考えた進んだところで、いよいよ実際のスケジュール作りです。
今の自分にとって理想的な寝起きのリズムとは、具体的にどのようなものなのか?
押さえるべき条件は、次の3つです。

  • UDトークのサーバーが軽くなる深夜帯に執筆作業をする
  • とはいえ月に一度の用事の際には比較的楽に朝起きられるようにする
  • あとやっぱり基本的には朝の日の光を求める気持ちもある

これらを総合して考えると、全くの昼夜逆転は理想とは言えないでしょう。
これをやってしまうと、月に一度の出かける用事のたびに、まるで時差ボケを治すときみたいな苦労を強いられることになるからです。
それに、深夜帯をフル活用するだけなら、なにも昼夜逆転までする必要はありません。
これまでだって深夜の2時とか3時まで起きていたことはあるのですから、それを5時くらいまで引き延ばすだけで良いのです。

といった事情を全て混ぜ合わせた結果、出てくる回答はこんな感じになりました。
「朝の10時くらいに起きて、途中で仮眠を挟んで、明け方の5時に眠る」

……なんか、思っていたほど突拍子もないリズムではありませんよね。
「いわゆる普通の人」よりちょっと遅いくらいの感じです。
でもこのように寝起きを再設定することで、私の生活はかなり変わることが期待できます。
深夜に執筆するのだと明確に決めておくことで、これまでなかなか朝や昼に執筆できずもたもたしてしまっていたのが改善され、日中はインプット、深夜にアウトプット、みたいなメリハリがつくようになるかもしれません。
また根本的な話として、深夜の高揚をそのままアウトプットに活かすことができるのであれば、これまで以上に仕事も趣味の執筆も楽しく行うことができるようになるでしょう。

これを書いている時点で、上記のリズムで生活するようになってから数日が経過しています。
今のところは実に快適で、なんというか、やりがいのようなものがこれまでよりも強く感じられるようになりました。
すこぶる順調と言ってしまって良いでしょう。

もちろん、さらに改良の余地が見つかれば、そのときにはまたいろいろ考えることになりますが、とりあえずしばらくはこのリズムで生活していこうと思います。
この新しいリズムで自分に何ができるのか、楽しみで仕方ないという感じ。
のびのびとやっていきたいですね。

おわりに

自分が何者なのかを把握するのは、意外と難しいことだったりします。
生活リズムもその一つで、朝型人間なのか夜型人間なのかを見極めるのも、簡単なことではありません。
外的要因を全部取っ払って、自分の体質のみを純粋に考慮するというのは、なかなか事情が許さないところもあるでしょうし、「こういう暮らしに憧れる」みたいな好み優先で動いてしまい、本当の自分の体質を見誤ってしまうこともあり得るでしょう。

理想の寝起きを求めるには、そういった「ノイズ」を全て除去し、本当に自分のことだけを考えなければいけません。
自分のことだけ考えるというとなんだか自分勝手な人間の所業に思われますが、本記事のような意味において自分のことだけ考えるのは、逆に難しいことなのではないかと思いますね。
でもそれをやらないと、理想には手が届かない。

ここまで読んでくださったあなたが、どこまで自分の生活リズムに裁量の利くお仕事などをなさっているのかはわかりません。
しかし、自分にできる範囲で、自分に最も好都合な生活を見つけてくださることを願ってやみません。