天国的底辺

二次元、創作、裸足、その他諸々についての思索で構成されたブログ

エロ系VTuberのチャンネルがBANされまくりな件

エロ系VTuber

 

 VTuberさんは無数にいて、多種多様なコンテンツを提供してくれています。

 ゲーム配信がメインですが、それ以外にも雑談であったり、歌や独自企画であったりと山盛りたっぷりで、いったんハマり込んだら最後、可処分時間がどんどん奪われていくことになるのはご存知の通り。

 

 そんなVTuber界隈で、ここ1年くらいのあいだにポツポツ目立つようになったのは、いわゆるエロ系コンテンツを提供する方々の存在です。

「どんなものであれ、そのエロバージョンは存在する」というネット格言もあるくらいですから、彼女達(おおむね女性なのでこう称します)の出現はごく自然な現象であると言えるでしょう。

 

 しかしこのエロ系VTuberさん達のアカウントが、最近よくYouTubeの運営からBANされるようになってきたのです。

 当然ながら、彼女達は少なからずリスクに怯えており、そのリスクと常に隣り合わせの状態で活動することを余儀なくされています。

 

 今日はその辺りの詳細について、そして私なりの考えについて、ちょっと書いてみたいと思います。

 

 

エロ系VTuberのコンテンツ

「エロ系VTuberと言われても、具体的にどんなことをやっているのか全然知らないんだけど……」

 という人もそれなりにいることでしょう。

 なのでまず、彼女達が具体的にどのような活動をしているのかについて、簡単に説明したいと思います。

 

 まず、軽めなところではASMRでしょうか。

 ASMR自体は決してエッチなコンテンツというわけではないのですが、あれって本人達のやり方次第では、限りなくエロ成分を含むものになり得る――というのは、おわかりですよね?

 彼女達はそっちの方向に、思いっきり力を入れています。

 

 しかし、エロ系VTuberさんの活動は、それだけに留まりません。

 彼女達の本領と言えるのは、ゲーム配信をしながら電マやローターを局部に当て、条件に従ってそのスイッチをオンにし、喘ぎ声を出しながらゲームを続ける――というような配信です。

 画面としては健全なのですが、音声だけを聴けば完璧にR-18。そんなギリギリのコンテンツを主な武器にしてきたわけですね。

 

 ――そう、どうやらこの手の配信を理由に、最近彼女達はチャンネルをBANされるようになったみたいなのです。

 まあ、元々YouTubeの運営にそれなりには目をつけられていた節はあるのですが、ここにきてそれが本格的な締め付けと化したみたいで……。

 容赦のないBANの波が界隈に襲いかかっている、という状況なわけです。

 

YouTubeは年々厳しくなっている

 この件に限らず、YouTubeは年々、表現に関する規制が厳しくなっています。

 昔はもうちょっと、良くも悪くも「淀んだ」場所であり、発信者が自由に好きなことをやっている様を楽しめていたのですが、最近はすっかり空気が変わってしまいました。

 もはやYouTubeは、やりたいことを好きなようにやれるところとは言えなくなっており、視聴する側としても、「そこがYouTubeである」時点で、初めからある程度の「表現の外枠」を前提に視聴するようになっているのが現状です。

 

 これはテレビの流れにも似ていますね。

 テレビもかつてはかなりフリーダムだったのですが、だんだんコンプラという名のイチャモンに押されていきました。

 その結果、すっかりつまらなくなった、観なくなったという声が多く聞かれます。

 そして、つまらない場所には優れた才能は集まらないので、つまらなさの負のスパイラルが生まれてしまい、テレビはどんどん先細りになっているように観察されます。

 

 それと似たようなことが、現在YouTubeにも起きているような――気がしなくもないのですが、いかがでしょうか。

 YouTubeのその厳しさによって、過激だけれども面白いことができる才能が、他に流れていく可能性があります。

 それはとても残念なことであり、そんなことをやっていてYouTubeは本当に大丈夫なのだろうかと、勝手に心配してしまう今日この頃だったりします。

 

エロ系VTuberの生存戦略

 そんな状況において、エロ系のVTuberさん達はどのような形で生き残ろうとしているのでしょうか。

 典型的な生存戦略としては、Ci-en等に拠点に移し、そこで有料のコンテンツを提供していく、というやり方が挙げられます。

 

「いやいや、それって普通のVTuberもやっていることでは?」

 そう思った方も多いことでしょう。確かに「一般的な」VTuberさん達も、BOOTHでグッズを販売したり、あとYouTube自体にもメンバーシップという月額課金の仕組みがあるわけで、それをやっていたりします。

 

 でもエロ系VTuberさん達のそれが特徴的なのは、それなりに高額な金額設定をし、それと引き換えの形で、YouTubeでは決して発信できないエッチなコンテンツを、一定の頻度で発信するところです。

 月額5,000円とか10,000円とか、あるいはコンテンツの内容によっては50,000円くらい取るプランを提供しているVTuberさんもおり、そして実際そのプランにお金を払うユーザーが一定数いるのです。

 

 これは要するに、コアなファンのみを相手にするニッチ戦略というやつですね。

 彼女達は、YouTubeでまず「自分はいやらしいコンテンツを提供するVTuberである」点をアピールし、しかしYouTubeそのものではエロ方向に深入りはせず、Ci-en等に誘導することによって収益を得る、というビジネスモデルを展開しているわけです。

 

 それで具体的にどれくらいの収益を上げているのか、一切公開されていないので成果のほどはわからないのですが、とりあえず現状において、エロ系のVTuberさんが全力でエッチなコンテンツを発信する方法としては、そのようなものがメジャーになっています。

 

YouTubeの現状に関する私見

 そんなYouTubeの現状に対して、私が思っていることを少し書いてみますね。

 まず端的に私の結論を申し上げますと、次のようになります。

「Googleさんの言い分もわかるけれども、さすがに今のYouTubeは窮屈すぎる

 

 Googleを始めとした欧米のメガテック企業は、自分たちの国の倫理観を全世界に適用しようとします。

 彼らはどういうわけか(ここでキリスト教に絡めて語ったりすることもできるのでしょうが、そういう文化論的な方向への深堀りに必要な教養を私は備えていないのでやめておきます)性的な表現に対して物凄く厳しく、絶対的な悪のように扱うんですよね。

 その結果として、YouTubeはちょっといびつなくらい「健全な発信」を強制されているわけです。

 

 もちろん私としても、エロ系のコンテンツを完全に野放しにしても一切問題はない、とまでは思っていません。

 ある程度の節度とゾーニングは必要でしょう。

 しかし、YouTube――というかGoogleは、本当にヒステリックなほどに性的なコンテンツにうるさいのです。

「ある程度」なんていうレベルを遥かに超えているんですよね、私からしてみると。

 

 私はこのブログでGoogleアドセンスを利用しているので、コンテンツに対するGoogleのポリシーについてはまあまあ知識があるのですが……厳しいですよ。

 このブログでも、ちょっと肌色の多いアニメのキャプチャー画像などを使用しようものなら、たとえそこに乳首などが描かれていなくとも、すぐポリシー違反として指摘を受け、広告の掲載を止められてしまいますから。

 

 それでもまだ、ブログに貼られるGoogleアドセンスは基準が甘いほうです。YouTubeのそれは本当に厳しい。

 私はYouTuberになるつもりはありませんが、見ていて発信する側のことが本当に気の毒になってきます。

 

 まあ、制約から生まれる魅力もあるにはあるのですが、こと性的なコンテンツに関して言えば、基本的に限界まで寛容であるべきだという立場を私はとっています。

 いいじゃないですか、小さな子供が乳首を見たり、セックスを見たりすることができたって。

 それをなんだか悪いことのように扱うほうが、子供の性的嗜好を曲げてしまう結果になると個人的には思っているのですが……まあGoogleにそれを言っても、聞く耳を持ってくれることは100%ないのでしょうね。

 

 エロ系VTuberさん達は、アバターという仮の肉体を持つことで初めて可能になる表現に関して非常にアグレッシブであり、その点は本当に評価できるものだと私は思っています。

 にもかかわらず、Googleのヒステリックな対応によってその翼がもがれてしまうのであれば、これは本当に悲しいことです。

 今は何とかCi-en等を使ってその場を凌いでいる彼女達ですが、もっと理想的な方法でのびのびと活動できたらいいですねと、私は心から願っています。

 

 ……単純に、私が貧乏すぎて、彼女達の高額な有料プランに入ることがなかなか難しい、という事情もあったりするのですが、それを置いておくとしても、自由な表現が許された彼女達を見てみたいなと思います。

 

おわりに

 以前、私は天翔院ひいなさんというVTuberさんについて、記事を書かせていただきました。

 

www.tengoku-teihen.com

 

 彼女もまたエロ系VTuberの一人であり――というか、エロ系VTuberの先駆けのような存在であり、ずっと精力的に活動してきたのですが、つい先日メインチャンネルをBANされてしまいました。

 現在はサブチャンネルで比較的健全なゲーム配信等をやっており、主な収益の源はやはり別サイトの有料コンテンツとなっている模様。

 

 彼女の所属する事務所であるPinkPunkProさんは、他にも数名のVTuberさんを抱えているのですが、そのうちの複数名が同様にチャンネルをBANされてしまっている状態です。

 私は個人的にこの事務所をとても気に入っているので、何とかこの危機を乗り越えて、ビジネスを軌道に乗せて欲しいなと思っております。

 

 ちなみに、今回の記事のアイキャッチに使わせていただいた画像は、天翔院ひいなさんとそのお友達のVTuberさん達が今度Ci-enで始める、新たな有料サービスの宣伝画像です。

 もしこの記事をお読みになって、彼女達に興味を持ったという方がおられるのであれば、ぜひ様子を見に行ってあげてください。

 私も貧しいながら、今ちょっと気にかけているところです。

 

 エロは正義。

 私はそう信じているので、VTuberさんの業界においても、エロの花が咲き乱れて欲しいなと心の底から願っている次第です。