天国的底辺

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制服裸足の応援団女子:漫画『こはる はる!』1巻感想

表紙

 

 ヤングマガジン連載中の漫画『こはる はる!』の第1巻を買って読みましたので、軽く感想を書いていきたいと思います。

 

 先に結論から言いますと、私は本作をとても気に入りました。その理由はだいたい以下の3つに集約されます。

 

  • 主人公の女子が制服裸足(裸足フェチ必読!)
  • 男女が仲良くしているが恋愛の匂いは一切ない
  • のんびりした日々の中に少しの熱い青春、というテイストが良い

 

 では、具体的に見ていきましょう。

 

 

 

簡単なあらすじ

 舞台は熊本。高校に入学した15歳の押耳心春は、部活動として応援団を選んだのだった。

 理由は本人曰く、「応援団の制服」である下駄を履いていると、背が高く見えるから?

 

 練習は厳しいが、やり甲斐を感じて日々頑張る心春。でも日常はそこはかとなくのほほんとしており、とても平和。

 あちこちの部活を応援しながら、いろんな生徒の熱い戦いに触れたりもして、高校生活はゆっくりと流れていく――。

 

新感覚の制服裸足

 このブログをいつも読んでくださっている方、あるいは人気記事の欄を見てくださった方はおわかりかと思いますが、私は根っからの裸足フェチです。

 二次元・三次元を問わず、女子の裸足をこれでもかというくらい愛しています。

 中でもたまらなく好きなのが、学校の制服を着ているが靴下は履いていないという、いわゆる制服裸足。およそ女子がとりうる服装の中でも最も魅力的なのがこの制服裸足であると、常日頃から断言している次第。

 

 その点、本作の主人公・心春は、デフォルトの格好が制服裸足です。

 実を言うと、この事実をTwitterで知って速攻で購入したという裏事情があったりします。裸足フェチとして、居ても立っても居られなくなったのでした。

 

 ただ、心春の制服裸足は、普通のそれとはちょっと違います。

 彼女が所属する応援団は、ルールとしてちょっと変わった服装をすることになっており、それに従うかたちで「上は学ラン、下はスカート、足元は下駄」というスタイルで毎日登校しているのです。

 新感覚の制服裸足に、読んでいて脳みその新しい領域を開拓される快感を抱きました。

 

心春の制服裸足 引用元:新井春巻『こはる はる!』第1巻

 

  作中でこの格好について特に奇異の目で見られている描写はないので、どうやら応援団の正装として生徒達には普通に受け入れられている模様。

 この辺りの平和さは、本作のあらゆるところに通底する良き風味です。

 

 ただし、下駄にクローズアップしたネタはそこそこあります。

 私の印象に残ったのは、まず「下駄には左右の区別がない」ことを初めて知った心春が愕然としているシーン。

 

下駄を買うシーン引用元:新井春巻『こはる はる!』第1巻

 

 次に、女子更衣室で「下駄が臭い」と指摘され、友達とのあいだでわちゃわちゃと盛り上がるシーンです。

 

下駄が臭い引用元:新井春巻『こはる はる!』第1巻

 

 普通に制服裸足が受け入れられていることをベースにしたこういうネタは、安心して消費できて心に優しいです。個人的に、裸足でいることを揶揄されるような流れは好きではないので……。

 

 一つだけ残念な点を挙げるとすれば、作者さんが裸足の描き方にそれほどこだわりを持っておられないように感じられることでしょうか。

 決して手を抜いているわけではないのですが、魅力的な裸足で読者の気を引こう、的な意欲はまったく感じられません。

 良くも悪くも、作者さんに(少なくとも抑えきれないほどの)裸足属性はないのだろうな、と推察できます。

 

のほほん、ときどき青春

 本作のストーリーは、良い意味で深くありません。

 応援団というと、言葉は悪いかもしれませんが「暑苦しい」イメージがありますよね。そしてそれに付随して、青春の押し売りのようなさまざまな展開が繰り広げられるのではないかと身構えてしまいます。

 しかし本作は、そういう方向にはまったく進みません。軋轢とか葛藤といったことに、変に足を突っ込まないのです。

 

 それよりはどちらかというと、心春の素朴な性格を魅力的に見せようという意図を強く感じます。

 心春は特別に外交的でもなければ内向的でもありません。練習も本番の応援も気合いを入れて頑張りますが、根性丸出しなキャラでもありません。

「ちょっと特殊なことをやっている普通の女の子」という感じ。

 

 そこを引き立たせるためのお話になっているので、安心して読めるんですよね。

 

 また、上記の説明からも想像がつくでしょうが、心春は誰からも慕われており、基本的にコミュニケーション描写はすべて平和的です。ほのぼのです。

 この点では「日常系漫画」とくくっても、間違いではない気がします。

 

 とはいえ、たまに熱い描写もあるんですよ。

 そこは何と言っても応援団というポジションなので、他の生徒が必死に頑張っている姿が登場することもあるわけです。

 そのときには、心春(と仲間達)は全力の応援を展開します。

 この点はアクセントとして優れていると私は感じました。のほほんとした部分との尺的なバランスがしっかりしていて、お互い潰し合っていないというか。

 

全力の応援引用元:新井春巻『こはる はる!』第1巻

 

 あと、1話が平均すると4ページくらいと短い作品なので、お話のエッセンスがぎゅっと詰まっていて冗長性が一切なく、これも作品の雰囲気に寄与しているなと感じましたね。

 なまじ尺が用意されていると、無用な心理描写などを長々とやってしまいかねません。

 ショート漫画だからこそ、からっとしたテイストが維持できているのではないでしょうか。

 

恋愛なき男女の交流

 本作の主人公である心春は、応援団の紅一点というのが大きなアイデンティティです。

 紅一点ということはつまり、その周囲には男子が複数いるという意味なわけで、いわゆる「美少女動物園」的なキャラ相関図にはなっていません。

 ごく当たり前のように、男子がいて、女子がいるのです。

 

 そして本作では、男子と女子が(というか心春と他の応援団男子が)非常に仲良くやり取りをします。

 一緒にファミレスに言って駄弁ってみたり、学校の敷地内でも何かと楽しそうに会話を繰り広げていてみたり、和気藹々としたシーンがちょくちょく登場します。

 勉強会として、心春の自宅に男子達が上がるお話すら用意されています(そのときも裸足なのが心春の素敵なところです)。

 

男女の交流引用元:新井春巻『こはる はる!』第1巻

 

 でも、そういうところから色恋沙汰が発生しそうな気配が、まったく、微塵もないんですよね。

 それがとても良いのです。

 あくまで心春はみんなと友達。楽しく時間を過ごしているだけで、そのコミュニケーションの在りようは青空のように爽やか。

 

 くれぐれも今後、ネタに困って恋愛展開になったりしないで欲しいなと、切に願うところですね。そういうのは本作の役割ではないと、私は強く思うわけです。

 

方言の役割

 本作の舞台は熊本なので、登場するキャラクターは皆、かの地の方言で会話をします。

 私は方言に詳しくないので、作中の台詞が正しいものなのかといったことはわからないのですが、とにかく言えるのは、この方言が日常描写の彩りに大きく寄与しているということです。

 

 テイストの問題として、「地方である」というところが本作では重要だと思うんですよ。

 これが東京の高校だったら、ここまで紹介してきた「のほほんとしたムード」を無理なく出せていたでしょうか?

 偏見が入っていたら申し訳ありませんが、地方→のんびり感、というイメージが、本作の空気感には必要だったのだろうなと、読んでいて感じた次第です。

 

まとめ

 以上、『こはる はる!』第1巻の感想を、ざっくりとですが書いてみました。

 最後に主張しておきますと、本作は以下のような方々にオススメです。

 

  • 裸足フェチ、特に制服裸足フェチの人
  • 恋愛なしの男女仲良し描写が好きな人
  • たまに熱いが基本のんびりな学園モノが好きな人

 

 1話が短いということは、第2巻が発売されるまでにはかなりの時間がかかるということですよね。

 それがもどかしくてたまらなくなるくらいには、私は本作の世界とキャラ達を好きになれました。

 もし興味を持たれたのであれば、以下のリンクから購入して読んでみてください。