1ヶ月ほど前に、初めてのスマートウォッチを購入しました。
スマホなどで有名な中国企業・Xiaomiの系列企業であるHuamiというところが出している、「Amazfit GTS」という製品です。
「なんだよ、中華製品かよ」と思ったあなた、ちょっとお待ちください。
中華製品は本当にピンキリで、粗悪なものはご存知の通り(?)本当に粗悪ですが、良くできたものもちゃんとあるのです。特にここ最近はその割合がどのジャンルでも多くなったように感じられます。
中華製品=無条件でスルー、というのが賢明な時代では、もはやないと考えるべきでしょう。
さて、では「Amazfit GTS」はどうだったのか?
1ヶ月使用してみた感想を書いてみたいと思います。
ざっくり結論:とても使いやすい
先に結論から言ってしまいますが、私はこの「Amazfit GTS」をとても気に入っています。
私がスマートウォッチに求めるものを、かなりの割合で文字通りスマートに叶えてくれています。すっかり手放せなくなりました。
スマートウォッチと言って世間の人が真っ先に思い浮かべるのは、Apple Watchではないかと思います。
しかし私は、以下の2つの理由でApple Watchをまったく選択肢に入れませんでした。
- 価格が高すぎる
- バッテリー持ちが悪すぎる
前者は単に私が貧乏人なだけかもしれませんが、後者は結構致命的です。
話によれば、Apple Watchのバッテリーは、まる二日持つことすらないとか。それでは眠っているあいだの情報を取得することもままならないのではないでしょうか。
仮にそれを無視できるとしても、ただでさえ充電すべきものが身の回りに溢れている現代において、忙しなく充電しなければならないガジェットをさらに増やすことは、あまりやりたくありません。
そんなわけで、私はApple Watchを最初からスルーしたのです。
しかし、では何を買うかというのは、なかなか難しい問題でした。
まず、狙うべき価格帯を決めなければいけません。
スマートウォッチは、下は2,000円台、上は50,000円以上と、ものすごく値段に幅のあるガジェットで(時計と考えると妥当な話なのですが)、自分が求める機能やクオリティをしっかり定めてからでないと、まともに製品を選べない性質が強いのです。
そんな中、諸々の目的を自分なりに整理して(詳しくは後述の「長所」の項をお読みください)選んだのが、「Amazfit GTS」だったわけです。
私が購入した時点では、販売価格は17,000円ほど。ちょうど楽天のとあるショップが、たくさんポイントがつくキャンペーンを実施中だったので、そこで購入することにしました。
それから1ヶ月が経ち――今では体の一部みたいになっている次第です。
実をいうと、スマートウォッチがどうの以前に、ここ最近は腕時計というものをする習慣自体がありませんでした。
なので、手首にこういうものを日常的につけておくのは鬱陶しいのではないかと危惧してはいたのですが……無用な心配でしたね。
というか、いちばん最初に「手首に時計を巻く」というアイディアを思いついた人は天才だと思います。
そもそもスマートウォッチって必要?
スマートウォッチというものの存在価値については、いろいろな意見があります。
そもそも腕時計というもの自体、スマホの普及によって必要なしと判断されることが多くなってきているわけで、「スマートウォッチなんて何の意味もない」という尖った意見も少なくありません。
スマートフォンと存在がかぶる?
よく言われるのは、スマホと存在がかぶり過ぎている、ということです。
確かにスマートウォッチはいろいろなことができることを売りにしているのですが、そのほとんどはスマホでも可能なこと――しかもスマホでやったほうがやりやすいことだったりするので、そこを考えると、存在そのものに対して疑問を持ってしまうのも無理のないことです。
「時刻を知る? アラーム? ストップウォッチ? スマホで十分じゃん」
「通知をスマホと連動? 結局返信とかはスマホでやるんでしょ」
「天気予報? そんなのべつに、常時見られるようにしなくても……」
結局、スマートウォッチに残された「特有の役割」となると、心拍数を計測するとか睡眠時間を記録するといった、いわゆる活動量計としての機能くらいのもの。
そのためにガジェットを一つ増やすのもなあ……と思う人は多いと思います。皆が皆、自分の心拍数やレム睡眠の割合などに興味があるわけではありません。
しかし、私は見つけてしまったのです。
スマートウォッチならではの、めちゃくちゃ便利な役割を。
価値があるのは着信・通知・リマインダーの振動
それは、「スマホに起きたことを体に直接、振動で知らせてくれる」という機能です。
振動そのものは、べつに目新しいものではありませんよね。
スマホだって、着信があったり通知があったりしたときに振動します。機械の動作としてはまったく同じです。
でもスマートウォッチが違うのは、常に肌に密着しており、「たとえ何をしていても」その振動を察知することができる、という点です。
これにより、スマホだけだと気づけなかった着信や通知に、100%の確率で気づくことができるようになるのです。
この威力が私の生活においてもっとも顕著に表れるのは、リマインダーです。
スマホでリマインダーを設定した場合、たとえ知らせてくれても、自分側の問題でそれをスルーしてしまうことがあり得ます。
スマホから私達へのアクセス手段は、音か、振動か、画面表示ですよね。
それってつまり、スマホを体から離していて、視界からも離していて、かつ耳も塞がっているという状況では、気づくことができないことになるんですよ。
スマートウォッチを使うようになってから、私は予定というものに対して割く脳みそのリソースが少し減りました。
他のことに思いっきり集中していても、スマホとはべつの手段で音楽を聴いていても、リマインダーの通知に必ず気づくことができるようになったからです。
この利便性は、例えばスマホをバッグに入れて外を出歩く人が、周囲がうるさい中でも誰かからの電話に気づくことができる、といったかたちでも表れるのではないでしょうか。
Amazfit GTSの長所
ここでは、Amazfit GTSの良かった点を3つほど紹介していきます。
バッテリーが持つ
まずはこれ、バッテリーの持ちがとても良いということですね。
設定によって振れ幅はあるのですが、公称では「14日」となっています。現在の私の使い方だと、だいたい1日で8~9%くらい消費しますので、およそ10日ちょっといったところでしょうか。
Apple Watchに比べたら、めちゃくちゃ余裕がありますよね。
このバッテリーの持ちの良さゆえに、睡眠中も気兼ねなく装着し続けることができるわけです。
私はだいたい、3日に1回くらい、入浴中に充電します。それくらいのペースでそれくらいの時間充電すると、ちょうど良い感じなんですよ。
通知のフォントが読みやすい
実はこのAmazfit GTSの他にも、いくつか購入する候補となる製品がありました。
その一つがXiaomiの「Mi Band」です。価格が手頃な割に機能が充実していることもあって、非常に人気の高い製品となっています。
それを選びかけたときもあったのですが――ただ一点、「Mi Band」には私にとって致命的な弱点がありました。
それは、なぜか通知のテキストだけが、汚いフォントで表示されるという仕様です。
私がスマートウォッチを購入するにあたって、通知を読むことは最初から大切な目的の一つでした。
しかしどういうわけか、通知のテキストが綺麗ではない製品が、「Mi Band」に限らず多いように見受けられたんですよね。
それがどうにも気になって仕方がない。
そんなときに出会ったのが、「Amazfit GTS」の紹介記事や動画だったのです。
そこでは通知のテキストが綺麗に表示されており、私にとってはまさに「求めていたのはコレだ!」という感じだったわけです。
時計としての見栄えが良い
私は決して、時計というものに対してファッション性を求めるタイプではありません。
というより、そもそもファッションというものに対するこだわりが一切ありません。
なので、ここで言うことはそんな大袈裟なことではないのですが……せっかくスマートウォッチを買うなら、時計としてまあそれなりに見栄えの良いものがいいな、という思いはありました。
例えば前述の「Mi Band」ですと、いかにも活動量計という感じで、世間のレビューなどでも「ビジネスパーソンが仕事で巻くのはちょっと」という意見が結構見られたんですよね。
その点、「Amazfit GTS」は見た目も問題ありません。
Apple Watchのパクリとも揶揄される外観は、それゆえにスタイリッシュで、パッと見て理屈抜きで「あ、ちゃんとした物をつけているな」と思わせるのです。
どこへ行くのも安心、という感じで、余計な気を回さなくてよいので助かっています。
Amazfit GTSの短所
逆に、気になった部分も2点ほどありますので、それらについても解説しておきます。
Zeppアプリが未完成
「Amazfit GTS」は、スマホとの連動をZeppというアプリで行います。
さまざまな設定の多くは、本体を直接操作するのではなく、このアプリで設定してそれを本体に送るようになっているわけですね。
スマホに来た通知を本体に飛ばす役割も、このアプリが担っているのでしょう。
しかしこのアプリ、ちょっと作りが荒いところがあるのです。
私の使い方ですと、例えば「毎日○時に通知」を設定したリマインダーが、ある日だけすっ飛ばされてしまったりするのが代表例ですね。
これって危険じゃないですか。こっちはリマインダーに記憶を預けて生活しているわけなので、しっかり動作してくれなければ、何か大切な用事をすっぽかす事態になってしまうかもしれないのです。
他にも、睡眠記録の表示が無駄に複雑、というのも気になる点です。
現在の仕様では、夜の睡眠とそれ以外の「仮眠」を分けて表示するのですが、私はいろいろ事情があって夜以外も結構寝ている人間なので、これだと非常にわかりづらいんですよ。
つまり自分はどう眠っているのか、という全体把握がしづらい。
私としては、変な区分けはなしにして、24時間をならしたグラフのもとで、ここからここまで眠っていました、という風に報告してくれるほうがよいのですが……。
この辺り、変えてもらえないかなあと願っている次第です。
Always Onの表示がチープ
「Amazfit GTS」は、通常ですと、時計の文字盤を上にしたときと、横についているボタンを押したときにのみ、画面が表示されます。
これは純粋に、バッテリーを少しでも多く持たせるための仕様ですね。
しかし、常に画面を表示させておきたいという人のために、Always Onという設定が用意されています。
これを設定すると、通常モードでは真っ黒になっている時間にも、常に時刻が表示されるようになるのです。バッテリー消費と引き換えにはなるのですが。
ただ、このAlways On、恐らくこれもバッテリー消費を考えてのことだと思うのですが、表示される画面がショボいんですよね。
デジタルとアナログ、二通りの表示が選べるのですが、見た目明らかに貧相なのです。
少なくとも私は、これだったらべつに普段から表示してくれなくてもいいや、と秒で判断してしまいました。
この機能については、バッテリーが激しく減ることと引き換えに常時ゴージャスな表示がされるモードも追加して欲しいなと思います。
アップデートで追加できるのかできないのか、ちょっとわからないのですが……。
注意:すでに世界では2が発売中です
さて、ここまで「Amazfit GTS」を(全体として好意的に)紹介してきまして、本記事の最後では商品リンクも貼るつもりでいるのですが、ここで一つ、注意していただきたいことがあります。
それは、世界ではすでに「Amazfit GTS 2」が発売されており、遠からず日本でも買うことができるようになるだろう、ということです。
実をいうと、今回これを買う時点で、私はすでにこの情報を得ていました。
それでも私は「初代」を買うことに決めたわけです。理由は2つあります。
どうしてもすぐ欲しくなってしまったから。そして、「2」のバッテリー持ちが公称7日と、「初代」の半分ほどになってしまっていたから。
本記事を読んで、この製品シリーズに興味をお持ちになった方は、「初代」と「2」の公式情報をよく比較したうえで、じっくり購入を検討されることをオススメします。
まとめ
以上、初スマートウォッチとして「Amazfit GTS」を1ヶ月使った感想でした。
本文中でも書いた通り、私はありがたくフル活用しています。体への振動で各種通知がわかるのは本当に便利で、情報を逃さなくなりました。
そして、これはあまりにも原点回帰な意見で逆に言いにくいのですが、腕を見ただけで時刻がわかるというのは、結構便利なものだなと――そんなことも思っている次第です。
下にリンクを貼っておきますので、よろしければ見てみてください。
スマートウォッチ、なかなか良いものですよ。