私達は誰しも……とは言い切りませんが少なくともそのほとんどは、神聖な存在でも何でもなく、ただの俗な人間に過ぎません。
なので、日常を生きる過程で、いろいろな負の感情が湧いてくることになります。
そのため、すべての言動が素晴らしく美しい、というわけにはなかなかいかず、ときには少し「黒い」ことを言ったりやったりしてしまうこともあるでしょう。
まあ、そういうのはある程度まではお互い様ではあります。
しかし、そういったマイナスの感情的言動の中でも、怒りというものは危険です。
これに任せて動いてしまうと、予想もしていなかったところに己の負の側面が着弾し、それにより火の手が上がり、想定外の損失が自分に降りかかることがしばしばあるのです。
この記事では、最近私が遭遇した、怒りがその人のダメな本性を露骨に表してしまった例を参考に、その危険性について解説していきたいと思います。
とあるVTuberの毒吐き
つい最近のことなのですが、私はとあるきっかけで、某個人勢VTuberに注目をしました。
可愛い見た目(VTuberは大概可愛い見た目をしているものですが)と声、そして語学に堪能であることを武器としており、少しずつチャンネル登録者数を伸ばしている方です。
アーカイブを見てみると、地道な配信を繰り返し、日々頑張っていることがうかがえ、その時点では好感を持つことができました。
しかし、注目して2日目か3日目くらいのことです。
その方がTwitter上で、とある「タガの外れた」ツイートをしているのが目に留まりました。
どうやら失礼な(少なくともその方にとっては失礼だと感じた)ダイレクトメッセージを受け取ったらしく、それに対する反応でした。
まあ、何に反応しようがその方の自由なわけですが、私が問題だと思ったのは、その発言の内容です。
普段のキャラクターとは打って変わって、ひどく口汚く、同時に視野が狭かったのです。
失礼ながら、ここでそのツイートを引用させていただきたいと思います。
ちなみに直近で届いたクソDMは
足ASMR以外見る価値ないからもっと増やせ。
てめぇ無料で見てよう言えるわ。私の活動を応援してる人全員に謝れクソと思いました。
私がこのツイートに対して「引いた」のは、以下の二点が理由です。
まず第一に、自分が不快に思ったものへの口汚い罵倒を、自分の囲いの名義を持ち出して行っていること。
そしてもう一つは、スーパーチャットやグッズ購入をしない「直接お金をくれないファン」をどう思っているかが、図らずも完全に透けて見えてしまっていることです。
攻撃には本性が表れる
熱烈なファンには、こういったツイートも問題なく見えるのかもしれません。
むしろ、「自分達ファンを大切に思ってくれている!」くらいの脳内変換は行われている可能性があります。
しかし、私――この方に興味を持ち始めたばかりの私にとって、このツイートは控え目に言っても「致命的」でした。
まず、囲いの名義を使って口汚いツイートをしていることからは、根本的なプロ意識の欠如と、しっかり根の張られた、生来の姑息さを感じます。
そして、「無料で見て」云々の発言からは、直接金を出さない奴はファンにあらず、という本音がだだ漏れしています(収益化している以上、視聴してもらえるだけで利益になっているはずなのですが)。
普段どんなに可愛らしいキャラクターを作り込んでいても、このように、たった一回の怒りに任せた「反撃」で本性というのはバレてしまうものなのです。
この方は明らかに、Twitter上でこのような発言をするべきではありませんでした。
少なくとも、この方を知ってわずか数日の私が、この方へのポジティブな興味をすっかりなくしてしまう程度には、この発言はダメさに満ち溢れていたのです。
私達は「クソ」にどう対応すべきなのか
失礼だと感じるメッセージを受け取って感情的になるのは、人間としてとても自然なことだと思います。
そのこと自体を責めるわけにはいきません。それを責めたら即、自分に返ってきます。
しかし、そこで熱くなってしまうのは非常に危険なのです。
ましてや、その熱をそのまま表に出してしまったら、自分にとって損にしかなりません。
多くの場合、見せたらマイナスになるものが、ダダ漏れになってしまうからです。
暴言や誹謗中傷に対して、ただひたすら無視を決め込むことがベスト、という時代でもなくなってきましたが、かといって真っ向から口汚く反撃をするのは間違いなのです。
そのような失礼な輩に反撃をすることで、自分の中の汚い部分が表に出てしまったら、それは相手の思うツボではありませんか。
本当に悪質なものには法的措置をとり、それ以外に対しては、少なくとも感想を全体公開するのは控えておくべきでしょう。
どうしてもそれを誰かに漏らしたいのであれば、何を言っても自分を肯定してくれる熱心な囲いに対してのみ、それを行うべきなのです。
今回の私のような、自分を好きになってくれる可能性を持った相手に対してまで、そのような反応を無神経に公開してしまうべきではありません。
このツイート一発で、少なくともこのVTuberさんは私という一人の「ファンになったかもしれない人間」を失いましたし、私のほうも、好きになれたかもしれないVTuberさんを一人失ってしまいました。
もちろん私は、人間の中に黒い部分、汚い部分があることを否定したいわけではありません。
ここで私が言いたいのは、思っていることと口にすることのあいだに、きちんと差をつけることが、社会で生きていくうえでの当然のスキルである、ということなのです。
少なくとも、表現は慎重に選ぶ必要があるでしょう。
まとめ
というわけで、今回のまとめです。
- VTuberは「直接お金をくれない奴」を根本的に見下している可能性がある
- 怒りに任せた発言には想像以上に自分の本性が宿ってしまう
- 失礼な人間にそのような発言を引き出されたらあなたの負け
アンガーマネジメントという言葉があります。
これは、自分の中に湧いた怒りをいかにコントロールし、怒りに飲まれずに振る舞うか、というスキルのことです。
今回紹介したVTuberさんは、少なくともあのツイートの瞬間に関しては、アンガーマネジメントに完全に失敗してしまったわけです。
このとてもわかりやすい例を教訓として、私はこれからも、しっかりと自分の怒りを制御するように心がけていきたいと思います。
これを読んでいるあなたも、一時期の怒りで自分を下げてしまうことのないよう、じゅうぶん注意して日々を過ごすようにしてください。
無礼な人間によって損をすることがあってはいけません。