私は少し前から本格的にWebライティングの仕事をしているのですが、このたびタイトルにある通り、初めての失敗を犯してしまいました。
その内容を先に言ってしまいますと、次のようなものです。
「クライアント様からの修正依頼に100%応えることをしなかったため、事実上のクビを宣告された」
Webライターとしてはなかなか致命的なことで、ショックだったのは言うまでもないですし、このことによって収入面でも打撃を受けました。
同じ失敗を繰り返さないためにも、そしてこれからWebライティングを始めたいと思っている方がこの失敗をあらかじめ避けるためにも、OKな範囲で詳細を記しておきたいと思います。
具体的な業務内容
今回私が引き受けた業務は、タイトルと構成案を受け取り、それに基づいて本文執筆と画像挿入をしてGoogleドキュメントで提出する、という、まあよくある案件でした。
一つ特徴的だったのは、クライアント様が用意したGoogleドキュメントファイルではなく、自前のGoogleドキュメントファイルを公開状態にしてURLを提出する、という形式だったところでしょうか。
これまでに2件、このクライアント様からの依頼をこなしており、これが3件目のお仕事でした。
これまでは順調にやっていたのですが、今回は納品したものに対して、以下のような修正依頼を受けることになりました。
- コピーチェックをしたところ、文章の一致率が高かったので、これが低くなるよう修正して欲しい
- 全体的に文章が多めなので、h2直下だけではなく、h3の直下にも画像を挿入してほしい
この修正内容には、おかしなところはまったくありませんし、私としても言いたいことはすぐに理解することはできました。
ただ私は、これをそのままに受け取って忠実に実行するということをしなかったのです。
修正依頼に100%応えなかった
まず文章の一致率を下げるということについてですが、この案件のマニュアルに記されている「目標一致率(これ以下にして欲しいという数値)」よりも低くすることが、記事の性質上どうしてもできなかったのです。
そこで、コピーチェックツールが「良好」という決断をとりあえず下したところまでで修正を切り上げ、その文章を提出してしまいました。
そして次に画像の挿入についてですが、指示された通りにすべてのh3直下に画像を挿入すると、画像が多くなりすぎてしまうような気がしたのです。
そこで、私としては気を利かせたつもりで、与えられた修正指示を以下のように実現することにしました。
「3つ以上h3タグが続いた場合にのみ、その真ん中のタグ直下に画像を挿入する」
このとき、指示通りにすべてのh3直下に画像を用意するのは面倒臭いな、という気持ちが多少あったことも否定はできません。
しかし、気を利かせたつもりでやった、というのもまた事実であり、私としては、もしこの判断が適切でないならば、そのときはまた言ってくれれば修正にはもちろん応じるつもりでいました。
しかし、この考え方がどうやらまずかったようなのです。
実質クビの終了通告
そのようにして、「私なりに修正」したものを再提出したわけですが、その結果どうなったのか?
結論から言いますと、修正そのものは通りました。
これでよい、という回答をいただいたのです。
しかしそれと同時に、執筆依頼の終了を宣告されてしまいました。
このクライアント様とは、一件一件独立した契約を交わしており、一つの案件が終わってから、新たに次の案件の依頼をいただく、というかたちをとっていたのですが、次の仕事はない、と唐突に告知されたのです。
その内容は、「これでライター様に依頼するつもりだったすべての案件が終了したので、いったん依頼を止めたいと思います」というものでした。
この文面を素直に受け止めるのであれば、私に問題があったからではなく、単純にクライアント様側のミッションコンプリートのためストップする、という風に受け取ることができます。
しかし、実際にはそうではなかったようなのです。
その根拠は二つあります。
一つは、私が提出した原稿を翌日もう一度チェックしてみたら、すべてのh3直下に画像が挿入されていたこと。
そしてもう一つは、私が応募したのと同様の募集を、同じクライアント様が未だにかけ続けていたことです。
これはつまり、私の提出した原稿が実際には不完全と判断されており、かつライターに依頼すべき案件はまだ残っている、ということでしょう。
このことが示しているのは、ただ一つです。
そう、私はこのクライアント様から、これ以上付き合う価値のないライターとして、クビを切られてしまったのです。
そう考えるのが妥当でしょう。
非常にコストパフォーマンスの高い案件だったので、これは正直、私にとってものすごく大きな損失です。
このクライアント様からいただく案件を頼りに、これからの融資返済計画なども練っていたので、すべてやり直しという感じになってしまいました。
この失敗から得られる教訓
まあ、大失敗ですね。
今さら後悔しても遅いのですが、私はクライアント様からの修正依頼に対して「馬鹿正直に」応じるべきだったのです。
私としては、自分なりの判断というものを提示することはクライアント様に好印象を与える行為であり、いろいろなことを対話形式で詰めていくのが理想的な付き合い方だと思っていました。
しかしクライアント様にとっては、修正依頼に対して勝手に自分流のものを提示してきた時点で、私はWebライターとしてアウトだったようなのです。
ここから得られる教訓。
クライアント様の言ってきたことには、初めから純度100%で応えたほうがよいですね。
おかしな抵抗をしてしまうと――私としてはそんなつもりはなかったのですが――「このライターは我々の言うことを聞こうとしない」と解釈され、あっという間に切られてしまうのです。
私は私なりに全力を尽くしたつもりだったのですが、何というか「演出」を間違えていました。
クライアント様から見れば、「素直に言うことを全部聞く」ことこそがライター側の全力なのであり、指示に「逆らった」時点で、もう私には点数は残されていなかったのでしょう。
今後はこの教訓を活かし、きちんと「先方から全力に見えるような」振る舞いをしていきたいと肝に銘じた次第です。
まとめ
以上、私の情けない失敗談について紹介してみました。
フリーランスの仕事の儚さというか、綱渡りな部分を、全力で感じ取ることができる出来事でした。
フリーのWebライターなんていうものは、代わりがいくらでも利くのであり、ほんの僅かでも失態があれば、それであっさり切られてしまうものなのですね。
改めて、この世界で生きるためには、きちんとした覚悟が必要なのだなということを学ぶことができました。
授業料はとても高かったですが、これを機にレベルアップしたいと思います。
これからWebライターをやってみたいという方は、ぜひこの私の失敗談を参考にし、クライアント様からしっかりと可愛がられるよう細心の注意を払ってください。
この世界、クライアント様の心象をいかに良くするかが、結局はすべてなのだと思います。さまざまな技術もすべてそのためにある。
そこだけは絶対に外さないように、お互い注意深く自分の言動をチェックし続けていきましょう。
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