少し前から、私は個人的に音声入力について研究をしています。
研究といっても、べつに学術的なものではなく、どうすればより速く音声入力を使って文章を書くことができるか、について試行錯誤を繰り返すという所業ですが。
私は個人的に小説を書き、ブログを運営し、そしてWebライティングの業務もこなしているので、文章を書くという行為が非常に身近なものになっています。
なので、文章を書く手段として音声入力をフル活用することができれば、生活そのものの効率が劇的に上がることになるわけです。
今日はそんな「研究」の末に行き着いた、意外なお宝アイテム――ピンマイクについて、その効果のほどを報告してみたいと思います。
最強の音声入力環境
まず、現時点で私が最強だと考えている音声入力環境について説明しましょう。
無料で利用することができる音声入力機能には、いくつかの種類があります。
Android系スマホならばGoogle音声入力、iPhoneならばSiriが元から備わっていますね。
その他、自分でインストールするアプリとしてSimejiなどもあり、それぞれに長所や短所があります。
そんな中で私が最強だと思う組み合わせは、iPhoneにGoogleドキュメント、あるいはSpeechyというアプリを組み合わせるやり方です。
iPhoneを選択した理由は、連絡帳を使って実質的な単語登録機能を持たせることができるからです。
これにより、小説の登場人物などの固有名詞を難なく変換することができ、後から手作業で修正するべき箇所をかなり減らすことができるわけです。
そしてGoogleドキュメントを使うことで、スマホとPCを連動させ、スマホ側で入力した文章を、そのまま即座にPCの方で編集することができるようになります。
また、Speechyというアプリは、iPhoneの音声入力の最大の欠点である時間制限(40秒でオフになる)がないため、長い文章をゆっくり考えながら入力することに向いています。
しかしiPhoneは、音声認識の精度の面で、Google音声入力に劣るところがあると言われています。
そのぶんいくらか誤変換が多くなり、いったん入力作業を止めて修正しなければならないことがままあるのが玉に瑕でした。
そんなときに、私がネットをあちこち調べていて出会ったのは、次のような解決策でした。
「iPhoneの内蔵ではなく、ピンマイクを使って音声入力をすると、精度が劇的に上がる」
ピンマイクは安いもので良い
ピンマイクというのは言わずもがな、服の襟元などに引っ掛けて使う、小さなマイクのことです。
私が目にした記事によれば、安いピンマイクでも問題なく品質の向上に繋がるとのことでした。
その安さというのが、ちょっと疑わしいレベルで、なんと1,000円ほどの製品でも、iPhoneの内蔵マイクに比べれば遥かに性能が上だと言うのです。
そこで私は、騙されたと思ってアマゾンで900円のピンマイクを購入することにしました。
ちょうど別件で検討中だった買い物をやめることにしたばかりだったので、その分の予算を回すことで、代金は簡単に捻出することができました。
それに、これくらいの価格であれば、もし効果がなかったとしても「iPhoneを手から話して入力する手段」を手に入れたと考えればいいだろう、という計算もありましたね。
その結果がどうなったかと言うと――私が目にした記事に主張に、嘘偽りは一切ありませんでした。
誤認識の明らかな低減
私が見た記事では、次のような表現がなされていました。
「iPhoneの内蔵マイクでは、100文字に3回くらいの誤字が発生するが、ピンマイクを利用すれば、それが200文字に1回くらいに減る」
数字はあくまでも喩えだったとは思うのですが、私の感覚と概ね合致します。
ほんの2~3分喋っただけでも、入力精度の明らかな違いをしっかり感じ取ることができました。
もちろん完全というわけではなく、ピンマイクを使っても誤認識をしてしまうときはしてしまうのですが、その頻度は劇的に低減したのです。
特に、私を長いあいだ悩ませていた、「裸足」と入力しようとするとそれが「話」になってしまう問題が、ピンマイクによって完全に解決されたのです。
私はこのブログやTwitterで裸足という単語をよく用いるのですが、おかげで一切のストレスなくこの単語を連呼することができるようになりました。
これまではiPhoneの連絡帳を使って、「はだかあし」で裸足と変換されるようにして凌いでいたんですよ。
900円の価値は明らかに上回っており、これは久しぶりに大当たりの買い物をしたと思っています。
活用スタイルいろいろ
ピンマイクは襟元に付けて使うのが普通ですが、何もそのように使わなければならないということはありません。
例えばですが、就寝時に、スマホとピンマイクを枕の横に置き、自分は天井を眺めながら、あるいは目を閉じたまま、ひたすらボイスメモに喋りを録音し続ける、などという執筆もできるようになります。
そのボイスメモのデータを、後からSpeechyでインポートすれば、それがしっかりテキストデータになってくれるわけです。
これにより、眠りにつく前に瞑想のような状態で小説を書き進めることが可能になり、私の創作の幅は大きく広がることになりました。
また、ピンマイクはとても感度が良いので、ごく小さな声で喋った言葉もほぼすべて文章にしてくれます。
これにより、周囲にある程度の人がいたとしても、気づかれることなく文章を書くことができるようにもなります。
さすがに人混みの中で喋るのは気が引けるでしょうが、ぱらぱらとしか人のいない駅のホームで、電車を待つあいだにちょっとした文章を書く、などといったことが、ピンマイクを利用することでより一層やりやすくなると思います。
他にも利用方法はたくさんあると思いますので、音声入力に興味を持っている方、あるいはすでに音声入力を試しているがいまいちしっくり来ていない方は、ぜひピンマイクというアイテムを考慮してみてはいかがでしょうか。
まとめ
以上、騙されたと思って買ってみたピンマイクが素晴らしい買い物だったという出来事について、ざっくりとその感動をシェアさせていただきました。
音声入力はこれからどんどん発展していく分野だと思います。
今はまだ過渡期で、さまざまな試行錯誤をしなければ理想に辿り着けない状態ですが、そう遠くない未来において、誰もが深く考えることなくスピーディーに文章を書けるようになることでしょう。
そんな音声入力の分野に一足先に触れておくことで、周囲の人間に対するアドバンテージを得ることができます。
これは文章を書く者にとっては、本当に大きな武器となり得ますので、ぜひ一度体験してみて欲しいなと心から思います。
私の購入したピンマイクへのリンクを下に貼っておきますので、よろしければそこから手に入れてみてください(まあ、他の安価な商品を選んでもたいした違いはないでしょう)。
ただし、最近のiPhoneはLightningコネクタしかないので、変換ケーブルが必要になります。
言葉は悪いですが、こんな安物がこれだけのパフォーマンスを叩き出してくれるのですから、凄い時代になったものです。
これからますます、「情報にアクセスできるかできないか」がその人の生活レベルを左右することになるのでしょうね。
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