天国的底辺

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G Suite Businessの容量無制限を1アカウントで取得できた件

【2020/08/27追記】

 本記事で紹介している「アフィリエイト経由だと容量制限表記が非表示になる」現象は、すでに終了しているようです。

 しかし、1TBの制限云々を無視して契約してみると、実際には無制限にストレージを利用できてしまうという情報もあります。

 気になる方は、契約後しばらくは無償期間ですので、それを利用してご自身でお確かめください。

【追記おわり】

 

 最近になって、次のような噂を目にしました。

「Googleが主に法人向けにやっているG Suiteというサービスでは、BusinessプランまたはEnterpriseプランを5アカウント以上契約すると、容量無制限のオンラインストレージを使えるようになっている。

 5アカウント未満では、一人あたり1TBの制限が課せられる。

 ……のはずなのだが、最近は運用が変わったのか、Businessプラン以上を1アカウント契約するだけでも、与えられるストレージ容量が無制限になる。

 つまり、Businessプランの月額1,360円で、容量無制限のオンラインストレージが手に入ることになる」

 

 ちょっと怪しい雰囲気もありますが、もし本当なら、これはとても魅力的な話です。

 そこで今回、この噂をネットで深堀りすると同時に、実際に首を突っ込んで(契約して)みることにしました。

 この記事では、その結果わかったこと、そしてサービスの使い勝手について、解説していきたいと思います。

 

 

結論:アフィリエイト経由で契約すると無制限

 まず噂の真相から言ってしまいましょう。

 GoogleはG Suiteをより広めるため、誰でもアフィリエイト契約を結ぶことができるようにしており、多くの人が自身のブログなどに、そのリンクを置いています。

 そのリンク経由でG Suiteの契約ページへと飛び、そこでBusinessプラン以上の契約をする(正確に言えば「無料試用を開始することを決める」)と、1アカウントのみでも容量無制限のGoogleドライブを使用できるようになるのです。

 

 つまり、Googleの運用方法が変わったわけではなく、アフィリエイト絡みの特例のようなものだったわけですね。

 具体的なことを説明しておられる方がすでにいらっしゃるので、記事へのリンクを張っておきます。

 

cookie531-memo.hatenablog.com

 

 通常のG Suite契約ページへのリンクはこれなのですが、飛んでみると下の画像のような画面が表示されます。

 

G Suite 制限あり

 

 それに対して、アフィリエイトリンクから同ページへ飛ぶと、「5アカウント未満の場合は1TB」の文言のない表が出てきます。

 

G Suite 制限なし

 

 前者のページから1アカウントのみの契約をすると、本来通りに1TBの制限が付くようです。

 それに対して後者から同じ契約をすると、無制限になる――。

 さらにクーポンコード「37EFVXP6LCCQ6VV」を使うと、初年度の料金が20%オフになります。

 アフィリエイト云々は、契約する側からすれば自分にはまったく関係のない話で、誰かが小銭を稼ぐことがよっぽど気に入らない場合を除き、後者を選ばない理由がありません。

 

 でも本当に無制限なのでしょうか。

 その辺りを確かめるべく、私は実際にアフィリエイトリンク経由で契約をしてみました。

 結果、それが本当であることが確認できました。

 

G Suite 容量無制限

 現在すでに1TB以上のファイルをアップロードしていますが、システムからは一切何も文句を言われていません。

 しっかり運用することができています。

 

容量は無制限でもいちおう制約はある

 そのようなわけで、月額1,360円の容量無制限オンラインストレージを手に入れることができてしまいました。

 これは、様々な理由から大量のデータを抱えている人からすると、大変ありがたいサービスです。

 かつて幾つもの無制限サービスが現れては消えていきましたが、Googleのそれはまさに「最後の砦」といっても過言ではないでしょう。

 

 と言っても、何の制限もないわけではありません。

 詳しくはこのページに書かれているのですが、以下のような縛りは存在します。

 

  • アップロードは1日最大750GBまで
  • 共有ドライブのファイル総数は40万、ネストは20レベルまで
  • 個々のファイルの最大サイズは5TB

 

 しかしまあ、個人がこれらの制限で困ることはまずないでしょう。

 第一に、現在のGoogleドライブへのアップロード速度は、1時間あたり30GBくらいです。

 つまり24時間まるまるアップロードに費やしても、およそ720GBほどにしかならないことになり、1日750GBに届かないんですよね。

 第二に、ファイル総数とネストの制限は「共有ドライブ」に対して課せられているものであり、「マイドライブ」に課せられているものではないので、個人使用においては無関係な話であると言えます。

 そして第三に、単体で5TBのファイルを扱う個人は、まずいません。

 

 結論として、深く考えずに無制限を謳歌することができるというわけです。

 

Drive File Streamの使い勝手

 Googleは、G Suiteのユーザー向けに”Drive File Stream”というソフトウェアを無料で提供しています。

 Windowsユーザーに向けてざっくり説明すると、これはエクスプローラーにGoogleドライブを表示させ、それをまるで自分が物理的に持っているストレージの一つのように扱うことができるようにするというものです。

 

 そのコンセプトは非常にわかりやすいものであり、おかげでデータのやり取りを直観的に行えるようになる……と思ったのですが、意外なところにオチがありました。

 あくまでも私の環境での話なのですが、Googleドライブの見かけの容量が、Cドライブと同じになるんですよね。

 私のPCは、もろもろの事情から、Cドライブの空き容量が10GBほどしかなくなっています。

 つまり、”Drive File Stream”によって作られたGoogleドライブも、エクスプローラーにとっての見かけの空き容量が10GBちょっとしかないというわけなのです。

 

 この状況で、エクスプローラー上にて、例えばDドライブにある合計100GBのデータをGoogleドライブにコピーしようとすると、「空き容量が足りない」旨のエラーメッセージが出て、動いてくれないのです。

 これはちょっと、ガッカリ感の強い仕様ですよね。

 

 もちろん手段がないわけではありません。

 ブラウザでGoogleドライブを開き、そこにドラッグ&ドロップをすれば、100GBだろうが200GBだろうが、大量のデータを一気にアップロードすることができます。

 しかし、せっかく”Drive File Stream”という画期的(?)なソフトがあるのに、このような手段を使わなくてはならないというのは……うーん、繰り返しますが、ガッカリではあります。

 

 一方、アップロードしたファイルを「読む」ほうは、まったく問題ありません。

 例えば動画を再生するときなども、最初に僅かな待ち時間が発生しはしますが、それ以外はまったく問題なくストリーミング再生を行ってくれます。

 zipファイルの閲覧も普通にできるので、読み込み時にはソフトのコンセプトは十全に機能していると言ってよいでしょう。

 

モバイル端末から利用する

 では、Googleドライブをモバイル端末から利用する場合はどうでしょうか。

 私が持っているモバイル端末はiPhoneFireタブレットなので、これらについて、画像を固めたzipファイル、および動画をどう扱えるかを検証してみました。

 

iPhone

 まずzipファイルですが、これの閲覧には有名アプリであるComicGlassを使用しています。

 このアプリにはGoogleドライブにアクセスする機能があるので、それを使うことで、アップロードしたデータも問題なく利用することができます。

 

 また、有料(現在250円)プラグインである”MediaSetver Plus”を追加すれば、Googleドライブ内のデータをストリーミング形式で閲覧することも可能になります。

 ただし、この機能を使うと画像の読み込みにラグが生じることがある(特に読み込んだ直後には)ので、例えばページ数の多い本を自炊したzipファイルをじっくり閲覧する、というような場合には、全体をダウンロードして読んだほうがストレスがないかもしれません。

 

 動画については、私はnPlayerという有料アプリを使用しています。

 このアプリは標準でGoogleドライブへのアクセスができ、ストリーミング再生もしっかり行うことができるので、100点満点ですね。

 大変ありがたいです。

 

Fireタブレット

 Fireタブレットは、そのままではGoogleの各種サービスを(ブラウザで使う以外の方法では)使うことができません。

 なのでまず、自己責任でGoogle Playをインストールし、Androidアプリを使えるようにしました。

 この辺りについて詳細に解説しているページは世にたくさんあるので、適当なキーワードで検索してみて下さい。

 

 さて、まずzipファイルですが、Fireタブレット用のビューワーアプリでもっとも有名な”Perfect Viewer”を使いました。

 このアプリには「ファイルソースプラグイン」という機能を追加することができ、それによりGoogleドライブなどのオンラインストレージにアクセスすることができます。

 ただし、先述したGoogle Playのインストールができていないと、アクセスしようとしても”Google services not found!”と出てしまい、ユーザー名とパスワードを入力する段階に行けないので注意が必要です。

 

 そして動画ですが、こちらもiPhoneと同じく"nPlayer"を使用することにしました。

 Google Playからインストール可能で、やはり有料です。

 できれば無料で済ませたくて、まずは有名どころの無料アプリを試してみたんですよ。

 でも”VLC for Android”"MX Player"にはGoogleドライブへアクセスする機能がなく。

 "KM Player"はカクつきが多すぎて駄目、"GOM Player"は機能としては存在するのに何故かまったくアクセスできない。

 というわけで、お金を払ってnPlayerのお世話になることにしたわけです。

 今のところ快適に動作しています。

 

この無制限は「穴」なのか?

 かつて私は、Amazonが提供する容量無制限オンラインストレージサービスである”Amazon Drive Unlimited”を利用していました。

 年額13,800円でしたっけ。今にして思えばGoogleドライブより使い勝手は悪かったのですが、これでなんぼでもデータをバックアップしておけるぞ、と喜んでいたものでした。

 

 しかし、あるとき突然、サービスが終了。

 その時点ですでに、容量無制限オンラインストレージのサービスは幾つも潰れており、巷の見方としては「Amazonですら駄目だったか……」という感じ。

 結局、無制限は夢物語なのかもしれないな、という諦観のようなものが、空気として流れておりました。

 

 ……というところへ来て、今回にわかに脚光を浴びることになった、この「1アカウント容量無制限」ネタ。

 当然、次のような考えが頭をよぎります。

「事実上、Googleが最後の砦だけれども……果たして大丈夫なのか?」

 

 ただ、これに関しては、G Suiteが基本的にビジネス等向けのサービスであるという点からすると、いきなり無制限を廃止するということはないのではないか、という楽観的な見方も可能です。

 企業、研究機関、あるいは教育機関などを主に相手にしている場合、個人向けのサービスのノリで「やっぱやめます、ごめんなさい」というわけにはいかないでしょう。

 そんなGoogleの立場に寄りかかって、個人が無制限を謳歌し続ける――これはOKなのかなと思いたくなります。

 

 ただ、最悪の可能性も残ってはいます。

 例えば、G Suiteを契約する際に「個人か法人か」を訊ねられたのですが、ここで個人を選んだアカウントに対してだけ無制限を撤廃するとか、そういう「暴挙」に出ないとも限りません。

 あるいは、アフィリエイト経由により1アカウントで得た無制限のみが撤廃される、なんて可能性も、ゼロではないでしょう。

 メガテック企業には、突然ものすごく冷徹なことを平然とやってのけるところがあるので、そういったシナリオも一応考えておくべきだと思います。

 

 Googleドライブにアップロードしたデータのうち、なくなって困るものは必ず手元にも残しておくべきでしょう。

 

まとめ

 以上、G Suite Businessを1アカウント契約して、容量無制限のオンラインストレージを手に入れた話でした。

 

 今回は割愛しましたが、G Suiteを契約する際には、ちょっとした壁が存在します。

 ドメインを取得し、ちょっとした設定をしなければならないのです。

 まったくの初心者の場合、そこでちょっと苦労することもあるかもしれません。でも詳しく解説しているページはたくさん見つかるので、行き詰まってしまうということはないかと思います。

 

 大量のデータを抱えて困っている人は、トライしてみる価値はあるのではないでしょうか。

 

 しかし、あまりにもこれが広まってしまうと、また一人で75TBとかアップロードするウルトラヘビーユーザーが登場し、サービスを潰してしまうかもしれないんですよね……。

 その意味では、こういう記事は書かないほうがよいのではないかとも思いましたが、とりあえず今回はこういうかたちで紹介させていただきました。

 

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