天国的底辺

二次元、創作、裸足、その他諸々についての思索で構成されたブログ

スマホアプリ版『風来のシレン』を100時間プレイした感想

 先日、スマホアプリ版の『風来のシレン』を1,840円で購入しました。

 言わずと知れた、日本におけるローグライクゲームの最高峰、あの『シレン』シリーズの唯一のスマホアプリです。

 隙間時間にやり込み、隙間じゃない時間にもやり込み、瞬く間にプレイ時間が100時間を超えてしまいました。

 

 まだコンプリートはしていないのですが、ここらで一区切りとして、ざっくりと感想等を書いてみたいと思います。

 

 

結論:面白くないわけがない

 まず総評的な感想ですが――何しろあの『シレン』ですから、面白くないわけがないんですよね。

 こういう言い方をすると、盲目的な全肯定に響いてしまう気もするのですが、でもこのシリーズって、もはやそういう位置に君臨しているものだと思うんですよ。

 実際の話、このアプリを購入するにあたって、そこについて「もしかしたら面白くないかもしれない」などという不安は一切ありませんでした。

 

 信頼と実績の『シレン』ブランド、スマホでも健在だったことを、まずは報告しておく次第です。

 

本作は初代DS版のリメイク

 このスマホアプリ版『シレン』、完全新作というわけではありません。

 初代DS版を、ほぼ完全移植したものなのです。

 なので、まあ悪く言えば新しいところは何もないのですが、よく言うならば、品質はもうじゅうぶんに保証されているということになりましょう。

 

 そもそも、ローグライクのゲームにはあまり「古い・新しい」の概念がないと思うんですよね。

『シレン』もシリーズが進むごとに新しいギミックがいろいろ加わったようなのですが、それらが存在しない作品を今やっても味気ないかというと、そんなことはないわけです。

 大事なのはバランス感覚。その点、『シレン』についてはまったく心配の要らないところでしょう。

 

 ただ、かつて鬼のように初代DS版をやり込んだ、という人に関しては、まったくの追体験になってしまうので、オススメするのは違うかな、とは思います。

 

操作性はver1.1.2では悪くない

 このスマホアプリ版で唯一、懸念されていたというか、評判の良くなかったところは、操作性でした。

 曰く、壺を間違えて投げてしまう人が続出。仕方がないことかもしれないが、コンシューマー版と比べて明らかに操作しづらい。などなど。

 

 ただ、私が購入した時点では、アプリのバージョンが1.1.2まで上がっており、これを遊んでいる限りでは、あまり不便さを感じることはありませんでした。

 少なくともこれまでのところ、致命的な操作ミスは起こしていません。

 どうやら1.1.0辺りで、だいぶインターフェースが改善されたらしく、それ以前にプレイした人と、それ以降にプレイした人では、アプリの印象が結構違っているようなのです。

 

 私はiOS版を購入したのですが、App Storeにあるレビューは賛否がかなり分かれており、否定的な意見のほとんどは操作性に関するものとなっています。

 しかし、これらの意見にはかつてのバージョンについてのものも混じっているので、これから購入を考えている人にとっては、ある意味ではノイズになっているところもあります。

 あくまで私個人の意見ですが、「今のバージョンは操作性悪くないですよ」というのは主張しておきたいところですね。

 

SFC版しか経験のない私の手応え

 さて、では具体的なゲームの内容についても、ちょっと書いていきましょうか。

 

 私の「シレン歴」は実はかなりしょぼいもので、SFC版、つまり『シレン』シリーズの初代しかプレイしたことがなかったりします。

 そのSFC版に幾つかの要素を追加したのが初代DS版で、それのほぼ完全移植がこのアプリ版なわけですから、実のところ今回の買い物は、そこまで新鮮味のあるものではない、ということになるでしょう。

 

 しかしそれでも、SFC版との僅かな違いはプレイ内容に結構大きく響いてくるもので、そこを心底楽しんでいる状態です。

 

分裂の壺がなくなった

 まず、SFC版にあった分裂の壺がなくなったというのは、とても大きいです。

 ゲーム体験をよりヒリついたものにするためには、良い変更だったのではないかと思うのですが、これはしんどいですね。

 

 第一に、鍛えに鍛えた最強装備の「コピー」を作ることができない。

 クロムアーマー辺りに剣や盾を弾かれ、それが後ろのモンスターに当たりでもしようものなら、その瞬間に消滅。

 また一から装備を鍛え直さなければならないわけです。

 

 第二に、「フェイの最終問題」でアイテム無限増殖が使えない。

 私はSFC版のフェイの最終問題を突破したとき、分裂の壺と吸い出しの巻物の組み合わせによるアイテム無限増殖を使い、装備を徹底的に強化して駆け抜けました。

 しかし、今回はそれができないわけです。装備を強くしたかったら、強化の壺に入れて地道にフロアを降り続けるしかない。

 これにより、ある意味「正攻法」以外の突破手段が封じられてしまいました。

 

 おかげで、登場モンスター次第では心底ビクビクしながらのプレイとなっています。

 いや、それこそが面白さなんですけどね。言うまでもなく。

 

おにぎり化が凶悪すぎる

 おにぎりの罠を踏んでしまったり、妖怪にぎり親方などの特殊攻撃を受けてしまうと、シレンはおにぎりになってしまいます。

 これはシリーズ通して存在する状態異常なのですが、その内容が、SFC版と比べてより凶悪になっているんですよね。

 

 SFC版では攻撃力や守備力までは変化しなかったし、おにぎり状態のときは罠を踏まない仕様になっていました。

 しかしアプリ版では、装備による攻撃力も守備力も失われてしまう上に、おにぎり状態でデロデロの罠を踏んでしまうと、その瞬間に終わってしまうのです。

 

 おにぎり化を防ぐことのできる能力を持った盾や腕輪は存在しないため、どれほど強くなっても、おにぎり化してしまったら死の危険と隣り合わせの状況に陥る。

 装備を固めれば固めるほど安心してダンジョンを歩ける本作において、最後の最後まで残る恐怖が、このおにぎり化であると言えるでしょう。

 

アイテム持ち込み型の新ダンジョンはありがたい

 SFC版には、アイテムを持ち込んで入ることのできるダンジョンが、テーブルマウンテンしかありませんでした。

 それはつまり、あるところから先は、どれだけ装備を鍛えても「それを奮う機会」が存在しなかったということです。

 

 しかしアプリ版(というか、その原型となったDS版)には、アイテム持ち込み型のダンジョンが、クリア後に3つほど用意されています。

 魔蝕虫の道、儀式の洞窟、死者の谷底。

 これらは装備を鍛えただけではそう簡単に突破できない、凶悪な特殊攻撃を仕掛けてくるモンスターのオンパレード。

 最強状態を整えても、いつどこで倒れるかわからない、そんな緊張感をもって楽しむことができるわけです。

 

 ダンジョンそのものの難しさでいったら、「フェイの最終問題」に敵うものはないわけですが、あれはアイテム持ち込み禁止型。

 最高の道具を揃えて挑む面白味を味わうことはできませんでした。

 それが今回、3つも用意されているということで、これはありがたい話です。

 ちなみに現段階ではまだ、3つのうちどれにも潜っていません。詳細は後述します。

 

ここまでの足跡

 とりあえず、ここまでの足跡を簡単に追っておきます。

 

テーブルマウンテン

 テーブルマウンテンは、そんなに苦労するところではありません。

 まあ普通に行ったり来たりしながら装備を鍛えていき、そこそこのところで深層に向かえば、大抵はうまくいきます。

 

 ただ今回、シレンの上手な遊び方を忘れてしまっていたので、結構無駄な回り道というか、抱えなくてもよいリスクを結構抱えてしまいましたね。

 例えば、渓谷の宿場から竹林の村までを何度も往復すれば、ほぼノーリスクで装備を鍛えたりアイテムを揃えたりすることができるのですが、その発想が出てきたのはだいぶ後になってからのことでした。

 

 途中で一回、ばくだんウニの自爆でHPが1に→死の使いがスーっと寄ってきて一撃→倒れる、というコンボにより、それなりに鍛えたカタナを喪失。

 さらにその後、弱い状態のペケジが妖怪にぎり变化に倒される→妖怪にぎり親方にレベルアップ→こいつにおにぎりにされる→倒れる、というのもやってしまい、このときはネットのどなたかに救助してもらいました。

 それ以外には割とすんなりいけましたね。

 

掛軸裏の洞窟

 掛軸裏の洞窟は、結構失敗しました。

 それもただの失敗ではなく、勝利の方程式がまるで見えてこない、実りのない倒れ方を繰り返したんですよね。

 最終的には、たまたまゲドロが増殖しまくる状況を作ることができ、それを片っ端から倒してレベルを上げ、それに頼った力技でクリアできました。

 16Fで落とし穴に落ちたときは、もう駄目かなと半ば諦めたのですが、次の17Fで何とかなった次第です。

 

食神のほこら

 食神のほこらは、一発でクリアできました。

 簡単だった……というわけではなく、最初からいろいろなことが上手く回ったという感じですね。

 感覚的な話になってしまうのですが、アイテム持ち込み禁止系ダンジョンの中で、ここが最も「運要素が少ない」場所ではないかと思います。

 やることをやれば結果に繋がる、という、まるで普通のゲームのような(という言い方でいいのだろうか)感触がありました。

 

死者の谷底へ向かう準備

 さて、そんなわけで、今の私に残されているのは、以下のダンジョンです。

 

  • アイテム持ち込み系――儀式の洞窟、魔触虫の道、死者の谷底
  • アイテム持ち込み禁止系――フェイの最終問題

 

 この中で、次に挑もうとしているのは、死者の谷底です。

 

攻略順の理由

 まずフェイの最終問題についてですが、これはあまりにも目標が高すぎるのと、今の自分にはあのダンジョンの「運ゲー要素」がちょっときついのとで、後回しにすることにしました。

 すると残りは、アイテム持ち込み系の3つの追加ダンジョンなわけですが、その中から私が死者の谷底を選んだ理由は、「ここが最難関で、貴重なアイテムがあるから」です。

 

 死者の谷底の奥底にあるのは、必中の剣、ゲイズの盾、プリズムの盾。

 能力の説明は省きますが、いずれも喉から手が出るほど欲しいもの。

 死者の谷底が最難関であるという理由で、これらの入手を後にしてしまうと、「能力の使いどころ」がなくなってしまうんですよね。

 私としては、上記の能力を備えた剣と盾を使って、新しいダンジョンを突破するという体験がしたいわけです。

 そこで、まずは死者の谷底を攻略し、手に入れた能力で残り2つを攻略する、という段取りを選んだ次第です。

 

迷った末に救助システムを活用

 そのためには入念な準備が必要になります。

 中でも欲しかったのは、秘剣カブラステギとラセン風魔の盾。

 これらの「材料」となる、剛剣マンジカブラと風魔の盾は、そう簡単に入手できるものではありません。

 

 そこで、これらに関しては、ネットに出回っているいわゆる「便利パス」を使わせていただくことにしました。

 こういうのを使うのはちょっと邪道かな、と迷ったりもしたのですが、どのみち手に入れるまで何度もトライするわけで、単純に時短と考えるべきだろうという解釈に落ち着いたのです。

 

 そのようにして、現時点での最強の剣と盾を用意。

 あと残るは、具体的にどんなアイテムをダンジョンに持ち込むかです。

 

持っていく道具とステータスの準備

 ネットに転がっている、様々な有益情報を自分なりに調べて回った結果として、死者の谷底へは以下のような状態で突入することに決めました。

 

【死者の谷底へ持っていくもの】

 秘剣カブラステギ+99

 ラセン風魔の盾+99

 ワナ師の腕輪

 透視の腕輪

 眠りよけの腕輪

 復活の草

 ころばぬ先の杖

 背中の壺×3

 保存の壺×10

 

【保存の壺の中身】

 エーテルデビルの肉×28

 白紙の巻物×10

 ブフーの杖[99]×2

 封印の杖[99]×2

 一時しのぎの杖[99]

 巨大なおにぎり×4

 99本の鉄の矢

 復活の草

 しあわせの腕輪

 

 アークドラゴンが出てくる辺りまでは普通に戦って何とかしのぎ、そこからはエーテルデビルの肉を使って、無敵状態で突破するという作戦です。

 エーテルデビル状態でモンスターを倒しても肉は手に入らないので、そのぶんは巨大なおにぎりで補う。

 そしてそれを最大限活かすために、ダンジョン突入前に満腹度を200%にしておくつもりでいます。

 

 この挑戦の結果は、べつの記事で詳しく(できれば1フロアごとの報告つきで)語りたいと思います。

 

おわりに

 以上、スマホアプリ版『風来のシレン』を100時間プレイしての感想というか、現状でした。

 

 購入する前からわかっていたことではあるのですが、驚くべきコスパの高さです。

 1,840円でこれだけの経験をするのって、他の手段では相当に難しいことですよ。

 発売直後に購入しなかったのは、操作性について懸念材料があったからなのですが、今回プレイしてみたところ、それはだいぶ改善されていました。

 よほど指が太い人はともかく、そうではないほとんどの方々は、至極安全にプレイすることができるのではないかと思います。

 

 ローグライクのゲームをプレイしたことのある方も、そうでない方も、ぜひ購入して遊んでみてください。

 良くも悪くも、可処分時間をごっそり持っていかれること間違いなしです。

 

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