個人的に、2019年はいろいろと行動をした年でした。
それが何か良いことに結びついたかというと、残念ながら微妙だったりするのですが、まあ来年に繋げていけないこともないので、今後も頑張っていきたいところではあります。
この行動、インフルエンサーの方々はよく「とにかく行動しろ」という言い方で人々に促そうとしますよね。
あなたが成功できないのは行動しないからであり、才能がないとかではない。うだうだ迷っている時間は無駄だから、とにかく今すぐ行動してみることだ。大事なことは動き出してからその都度学んでいけばいい――。
だいたいの人が、こういうことを主張しています。
そういった言葉は、特に何の才能も持っていない凡人には、果たしてどこまで適用できるものなのでしょうか?
今日はその辺りについて、私なりの考えをちょっと書いてみたいと思います。
行動するには何が必要か
行動するには(そして成功するには)、何が必要でしょうか。
思いつくものはだいたい皆似通っていると思うのですが、思いつく順番や、その優先順位についての考えは、人それぞれ違っているかもしれません。
最も多くの人が真っ先に挙げるのは「知恵」あたりでしょうか。
その次に「勇気」とかが来るかもしれません。
それからしばらく時間が置いて、「体力」という言葉が浮かんでくる――といった感じではないかと私は想像するのですが、どうでしょうか。
これに関する私の意見は、次のようなものです。
「行動に必要なのは、最初に必要になるものから順に、体力→準備→勇気→知恵、である」
以下、一つ一つ具体的に説明していきます。
その1:体力
私としては、すべての始まりとして必要になるのは、ズバリ体力であると思っています。
ここでいう体力というのは、例えば何km走れるとか、何時間起きていられるといった「わかりやすい」ことだけを指すのではありません。
極端な話、長時間椅子に座ってひたすら事務仕事をしたり、文章を書いたり、絵を描いたりするのにも、体力は必要になる。
そういう意味での「体力」が、まず何より先に求められるという意味です。
従って、何かを始めたいと思うのであれば、まずは体力をつける生活習慣を作ることから始めるべきだ、というのが私の主張になります。
それは決して、苦行のようなハードトレーニングでなくてもよいのですが、毎日1時間ウォーキングするとか、30分でも筋トレするとか、そういうことをきっちりやっていく。
そうすることによって、机に向かって集中していられる時間が増えたり、何かについて長期的に考え抜くことができるようになったりする。
そういう肉体的土台を作るのが、いちばん最初の作業ではないかと考えるわけです。
小説家の村上春樹さんは、どこかの本の中で「足腰が強くないと、強い文章は書けない」という意味のことを書いていました。
私はその主張に対し、抽象的な意味において強く同意します。
あなたがこれからやろうとしている行動が、実際にはあまり体を動かさないものであっても、「タフな体を作っておく」ことは、力強いアウトプットを行うためには絶対に欠かせないものなのではないかと思うわけです。
まずは体力。そこから始めましょう。
その2:準備
体力をつける算段を整えたら、次は行動それ自体の準備です。
ここが、世間のインフルエンサー達と私とで、意見の異なるところです。
まあ、普通に考えて、成功者であるインフルエンサーの皆さんの意見と、どこの馬の骨とも知れぬ場末のブロガーの私の意見とで、後者を取る人はいないでしょう。
そういう意味では、この記事はそもそも「無駄な抵抗」なのかもしれませんが、それでも私は主張しておきたい。
「とにかく行動」する前に、ある程度の準備はやはり必要だと思います。
準備と言っても曖昧ですが、私がその中でも大事だと思うのは、「適性判断」「資金」「環境構築」の3つです。
適性判断というのは、あなたの性質がその道に向いているかどうかということ。
これが「才能」となると、かなり深くやってみなければわからないところがあり、事前に判断するのは難しいのですが、例えば「過度につらくないか」とか「些末な作業に面白味を見出だせるか」といったことは、「お試しでちょっとやってみる」ことでまあまあ判断することが可能です。
本格的にスタートする前に、この段階を踏まえておくのです。
もしそこで「自分には合わないな」と思ったら、それがどんなに今をときめく分野であっても、飛び込まないほうがいいのではないかと思います。
逆に、「作業量的にしんどくても、その中に楽しさを見出せそうだ」と感じたのであれば、それはかなり適性があると言えるので、やってみるのも悪くないでしょう。
適性は継続力に繋がり、それが成功を生み出す原動力になり得るのです。
資金の準備については、特に説明するまでもないでしょう。
あなたがやってみたいことに合わせて、それなりの額を貯めてから動くべきだ、という当たり前の話です。
私は以前、中国輸入ビジネスと呼ばれるものをやっていたのですが、明らかに初期の資金が足りず、結局最後は「お金という名のライフポイント」がなくなって、撤退の憂き目に会いました。
しっかり情報を集めて、ちょっとやそっとの試練がやって来ても何とかなる額を集めてから動き出すべきだと、私は思います。
環境構築というのは、あなたのとりたい行動にかけられる時間の確保や、身内の理解のことです。
どんなにやる気とお金があっても、その行動に割く時間が乏しかったり、家族が大反対しているといったことがあると、成功するのは非常に難しくなります。
「自分の身の回りの環境さえ作れないようでは、この先やっていくことは到底できない」
そう考えて、然るべき環境を整えることに力を注ぐべきでしょう。
ただし、「親の反対」については、あまり考慮しなくてもいいかもしれません。
親世代はしばしば、今の時代の新しい挑戦についての理解がなく、言うことを全部聞いていたら何もできなくなってしまうリスクがあるからです。
その3:勇気
それから必要になるのは、勇気ですね。
そんなことは言われなくてもわかってるよ、というところでしょうが、私がここで強調したかったのは、その優先順位です。
まず体力をつけて、それから準備を整える。勇気はその後で、ゴーサインを出すときにようやく必要になるものなのだ、ということが言いたいわけです。
この辺り、インフルエンサーの方々は、まだ何も整っていない、完全初期状態の素人に対して「とにかく始めろ、飛び込んでいけ」と言ってのけます。
しかし私に言わせれば、それでは心理的ハードルが高くて当たり前だと思うんですよね。
それができる人は、肝が据わっているというよりは「どこかが壊れている」人で、そうなると結局、行動して成功できるのは一部の人間だけ、という話になってしまいます。
私はそうではなく、体力をつけ、準備を整えることで、「あえて絞り出さなければならない勇気の量」を減らすことが大事ではないかと思うわけです。
そこまで地盤を固めれば、完全初期状態だったら踏み出せなかったであろう一歩も、何とか踏み出すことができる可能性が高まります。
自分で自分のお膳立てを整えることで、勇気を引き出す戦略ですね。
体力にも準備にも欠けるところがないのに、それでもどうしても勇気が出ない場合は、まだ動くべき時期ではないのだと考えて、やめておくのが妥当でしょう。
私としては、そこで簡単に「臆病」のようなワードを使いたくはありません。
あなたを躊躇させているのは、あなたの鋭い勘である可能性もじゅうぶんにあると思っているからです。
その4:知恵
勇気を出して行動を開始したとして、そこからようやく知恵が必要になります。
ここから先については、インフルエンサーの方々と同じような意見です。行動しながら、必要なものを学んでいく。
そうすることによって「事前に無駄に本にかじりつく」ロスを減らせますし、実戦の中でしか身につけることのできないものが、世の中には非常に多いからです。
事前に完璧な状態を作ってから戦う、というのは受験勉強の発想ですね。それ以外の物事にまで当てはめられるものではありません。
私は決して、受験の制度を有害だと思っているタイプではないのですが、世界観全体がそれ基準になってしまう人を大量に排出してしまっているのだとしたら、その点については明白にデメリットであると思いますね。
おわりに
以上、私の考える「行動に必要なものと、その順番」について書いてみました。
まあ言うまでもなく、私はただ文章を書くことが平均的な人よりは好きな、無名の存在に過ぎません。
そんな人間の語る「行動とは」みたいなことが、どこまで響くものなのかといったら、激しく疑問ではあります。
私だって、そんな大事なことを、たまたま検索で引っかかったブログ記事から学ぼうとは思いませんからね。
ただ、世の中の一部を席巻している「とにかく行動せよ」の「とにかく」の部分がどうしても納得できず、それに抗うものをかたちにしてみたくてたまらなかったんですよね。
それでこのような記事を書いた次第です。
あなたがもし、これから何か大きなことを始めようとしている方で、でも右も左もわからなくてまごついている、という状態にあるのだとしたら、この記事を多少なりとも参考にしていただければ幸いです。
お互い、妥当性のある段取りを踏んで、何とか人生を明るいものにしていきましょう。