天国的底辺

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中国輸入で大失敗し、1年で借金抱えて撤退した話:その7

 中国輸入ビジネスの大失敗談、第7回です。

 続き物となっておりますので、第1回目の記事から順にお読みいただければと思います。

 

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商品カタログを詰める

 前回の終わり方から話が少しそれますが、簡単に「商品画像を用意する」と言っても、それはもろもろの意思決定を伴うもので、結構骨の折れる作業だったりします。

 第一の商品のときもそうでしたが、実際に画像を発注する段階に行くまでには、Sさんとのあいだでたくさんのやり取りがありました。

 メイン画像をどのようにするか。サブ画像はどのような構成で考えていくべきなのか。商品紹介コンテンツ(カタログの中程にある画像つきの商品紹介蘭のこと)では何をどのように訴えかけるべきなのか。

 そういったことを細かく具体的に決めていくのです。

 

 私の受けたコンサルティングは、こういった場面において、講師から直接「答そのもの」をもらえる性質のものではありませんでした。

 これはコンサルティングの意味を考えれば当然のことです。

 コンサル生達は、定められたコンサルティングの期間が終了した後、自力で歩いていかなければいけません。

 そのときにやっていけるための「基礎力」「判断力」「ノウハウ」を身につけさせるというのがコンサルタントさん側の目指すところであり、そのために採るべきは、あくまでもコンサル生が考えて案を出し、それについて講師がコメントする、という形式だったわけです。

 

 なので、このときも、私が具体的に案を出し、Sさんがそれについて「こういうことも考慮したほうがよい」というような講評をし、それに基づいて私が改善策をひねり出し……というやり取りが、それなりの期間、行われました。

 ChatWorkのログによれば、12月の残りはこのやり取りにすべて使われ、クラウドワークスにて商品撮影の依頼を出したのは、翌年(2019年)1月に入ってからのこととなっています。

 サブ画像の構成をどうするか、ということについて、相当悩んだ痕跡がありました。

「とにかく、これでコケたらおしまいだ」という切迫した想いがあったのが一つ。

 そしてもう一つ、第一の商品のときはこの辺りをすべて業者に丸投げしてしまっていたので、画像構成のプランを練るのはこれが初体験だった、というのも理由としてありました。

 まあ、控え目に言っても、そういうのを決めるセンスがなかったのです。

 

 それでも懸命になって自分なりに構成を考え、それを依頼内容としてまとめて、クラウドワークスにて募集をかけたのです。

 

クラウドワークスで依頼

 一応クラウドワークスについてざっくり説明しておきますと、仕事が欲しいフリーランサーと、彼らに仕事を振りたいクライアントのマッチングサービスです。

 今回の場合は私がクライアントで、「これこれこういう額で、こういう商品のこういう写真を撮影・加工してくださる方を募集」という風に、人を募ったわけです。

 

 まあまあの報酬額で募集をかけたところ、「自分にやらせてください」という応募があっという間に数件集まりました。

 その中から、この人が良さそうだな、というのをほとんど勘で選び、依頼。

 具体的には、撮影を依頼した相手と、納品された写真の加工を依頼した相手は別人でした。

 私の依頼の仕方は「撮影をお願いします。加工ができる人はついでに加工も」というものだったのですが、両方できる人だと見積もりが高くついてしまい、ちょっと厳しかったのです。

 なので、まずは撮影だけしてくれる人に商品を送って撮影してもらい、納品された画像データを、今度は加工依頼で見つけた相手に送って、こちらの要望通りに加工してもらう、という段取りを踏まえました。

 

 そのようにして、まず撮影依頼が果たされたのが、1月中旬のこと。

 早速Sさんにその旨を知らせ、どのような文言で加工するかを最終チェック。

 何とか具体案がまとまり、写真を加工の依頼に回しました。

 お相手の仕事はとても早く、翌日にはすべてのサブ画像の加工済のものが納品されました。

 そしてその画像をSさんに見てもらい、これでOKが出れば、商品カタログのいちばん厄介なところはクリアです。

 

回り道

 ……しかし、ここで問題が。

 Sさんから、画像の品質について、ほぼ全面的なダメ出しを受けてしまったのです。

「素人感がすごい。これなら業者や他のデザイナーを探したほうがいい」と。

 私としては、なかなかのものを作っていただいたと感じていたものですから、そこでの「ほぼ全否定」は意外でしたね。

 後々になって考えると、それも仕方ないかなという感じなのですが、そのときは一瞬ですが目の前が真っ暗になりました。

 

 それでどうしたか?

 私が選んだのは、次のような方法でした。

「撮影してもらった屋外の画像(3枚)と、商品をまとめて、前回の業者さんに送り、本格的なサブ画像と商品紹介コンテンツを作ってもらう」

 結局、お高いほうにお願いする、ということになったのです。

 クラウドワークスで加工をお願いした方には申し訳ないのですが、そちらは全面的にボツ、ということになりました。

 もちろん報酬は支払いましたので、先方に不満はなかったでしょうが……。

 

 ここは完全に選択ミスでしたね。

 最終的に業者を頼るのであれば、最初の撮影依頼のときに(業者が請け負っていない)屋外での写真をとにかくたくさん撮ってもらい、そこの素材を豊富にした上で、それらと商品を業者に送る、ということをすべきでした。

 時間とお金が余計にかかってしまったかたちです。

 

第二の商品、販売開始

 実は上記のゴタゴタにかまけているあいだ、中国側ではすでに1,200個の商品が出来上がり、工場から代行業者に納品済の状態でした。

 商品カタログの問題が片付くまでのあいだ、旧正月の連休が始まるギリギリのところまで、待ってもらっていたのです。

 

 しかしいよいよその連休が始まるということで、業者の画像が納品されるのを待たずに、商品をFBAに直送してもらうことにしました。

 つまり、手元にある、Sさんから全面否定された画像を暫定的に使って商品カタログを作り、そのカタログ用に1,200個を納品。

 後日、業者から「ちゃんとした」画像があがってきたら、それに差し替えて本格的に販売を始める、という段取りです。

 

 ここで幸いだったのは、Amazonのアルゴリズムが変わっており、新着期間の「検索順位が上がりやすいボーナス」がなくなっている、ということでした。

 これがあったら、ロケットスタートを重視しなければいけなかったので、ボツになった画像を使ってとりあえずカタログを作る、ということはできなかったでしょう。

 

 商品がFBAに納品されたのは、1月の終わり頃のこと。

 業者から写真が納品されるのは2/4の予定だったので、1週間ほどはボツ画像でやっていく、ということになりました。

 

 ちなみに、税理士法人の担当さんとは月に一回、直接お会いして打ち合わせを続けており、ちょうどこの「ボツ画像でとりあえず作ったカタログ」を見せるタイミングがあったのですが、そのときの税理士さんの感想は次のようなものでした。

「この画像も良いと思いますけどね」

 

 この辺り、Sさんの要求するレベルが高すぎたのか、それとも勝つためにはそれくらい作り込む姿勢が絶対に必要だったのか、今でも判断しかねます。

 Amazonのあちこちを見てみると、中国人セラーの作った、日本語も画像もいい加減な商品カタログが、しれっとその市場のトップになっていることも多いですよね。

 お客様を惹きつける上で、本当にSさんの求めるクオリティの画像が必須だったのかどうか……真相は定かではありません。

 

 ともあれ、まずはボツ画像を使っての販売を開始。

 まだ本腰を入れていないにしては、まあまあ順調に駆け上がっていき、業者からの画像納品の前に、2ページ目まで行くことができました。

 広告を本格的にかけるのは、その画像が納品されてからということをSさんと決めていました。2/4以降に、本気の勝負に打って出るわけです。

 

 何としても、ここで成功しなければならないところでした。

 ChatWorkのログには、2/1付で、私がSさんに資金について報告した痕跡が残っています。

 現状だと、3月に資金が底をつくことになる――と。

 第二の商品を1,200個発注したこと。写真撮影で余計な出費をした挙げ句、結局お金のかかる業者に依頼したこと。そして月10数万円の固定費。

 それらによって、前年10月に融資で得た150万円もどんどん削られていき、瞬く間にこういう状態にまで追い込まれていたのです。

 

 絶対に負けられない戦いが、始まりました。(つづく)

 

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