自宅で簡単にできる有酸素運動として、踏み台昇降運動というものがあります。
今日はこの運動に危険な側面が存在するということを、実体験を軸として書いていきたいと思います。
これから何か簡単な運動を始めようかな、と思っている方は、ぜひ参考にしていただければと思います。割とシャレにならない内容なので。

筋トレと有酸素運動
私はおよそ2ヶ月半前の、8月初頭から、いわゆる筋トレを開始しました。
目的は、かっこいい体を手に入れるため……ではなく、ダイエットですね。
それまでにも、自分なりに食事を減らしてみたり、一部で話題の16時間断食にトライしてみたり、いろいろやっていたのですが、どれも上手く行かず。
それで原点に戻るような感じで、筋トレというものを始めてみることにしたわけです。
ただ、やはりというか、筋トレだけですぐ体重や体脂肪率が落ちるわけではありませんでした。
まあジム通いを始めたわけではなく、ちょっとした自重トレーニングをするようになっただけなのですから、これは当然のことではありますが。
そこで、有酸素運動の必要性も感じるようになってきたんですよね。
かつて私は近所をよくウォーキングしていたのですが、気候に大きく左右されるのと、外を小一時間ほっつき歩く余裕がなくなってきたことから、ご無沙汰になっていたのです。
それに代わる運動を、筋トレと組み合わせるべきだと発想したわけです。
そんなわけで、自宅で何かしながらできる有酸素運動を模索。
ここで大事なのは、それなりの効果が期待できること。「何も動かないよりマシ」という程度ではなく、ちゃんと脂肪を燃やしてくれるものでなければ意味がありません。
様々な角度から探してみた末に私が辿り着いたのは、踏み台昇降運動でした。
踏み台昇降運動の効果
踏み台昇降運動というと、体力測定のイメージが強いかもしれません。
というか、それ以外のシチュエーションで踏み台昇降運動が人生に登場したことなんて無いよ、という人が大半なのではないかと思います。
しかし実はこの運動、カロリー消費が馬鹿にならないんですよね。
詳しくはこのサイトで計算していただくとわかるのですが、さすがにランニングには及ばないにしても、強めのウォーキングくらいの効果は期待できる運動なのです。
そして何と言ってもありがたいのが、自宅で簡単に「ながら運動」ができるということですね。
私だったら、例えばアニメを観たり、音声入力で文章を書いたりしながら、しっかりと体脂肪を燃焼させることができるわけです。
外を歩くのは気分の良いものではありますが、先述したように気候の影響を強く受けますし、他のことをしながら、というわけにはなかなかいきません。
これだ! ということで、早速始めてみることにしました。
ステップ台の用意
自分の体以外で必要なのはただ1つ、ステップ台だけです。
実は巷の通販サイトを見てみると、踏み台昇降運動のための専用ステップ台がたくさん売られているんですよね。
この運動に興味を持つまで、そんな市場があるとは考えたこともありませんでした。
例えばAmazonでは、聞いたことのないようなセラー達が、ほぼ同一の商品を何種類も出品しています。よほど扱いやすいのでしょう。
国産の良いもの(ステップ台の良し悪しというのがよくわからないのですが)はそれなりの値段なのですが、中国製の商品だとだいたい3,000円くらいで買うことができます。
横幅もきちんとあり、台の高さも2~3段階に調節できるなど、最低限の要求には応えている。文句をつけるところはありません。
実を言うと、買う直前まで気持ちが高まったのですが、でもちょっと財布がピンチだったので、私は(少なくとも最初のうちは)家にあるもので代用することにしました。
古い資格試験のテキストを捨てずに残しておいたので、それを束ねて、およそ14cmの疑似ステップ台を作ったのです。
ちょっと横幅が狭いのが難点でしたが、踏み外してしまうほどのことではなく、何とか使えそうなものになりました。
そのようにして、ゴーサインを出したわけです。
初日の反省と正しい姿勢
初日は何も考えず、とにかく90分やってみました。
ステップ台の上に昇って、降りる。昇って、降りる。ひたすらその繰り返しです。
ここのところをもっと具体的に描写したいところですが、あまりに単純な繰り返しなので、特筆すべきことがありません。
しかし、そんな単調な動きですが、運動としての手応えはしっかりありました。
20分もする頃には汗が出始め、終わる頃にはそれがもう凄いことになったのです。
正直、これは良いメニューを手に入れた、と思いましたね。自宅でいろんなことをしながら、これだけしっかり汗をかくことができるなんて、こんな有効な時間の使い方も他にないぞ、と。
そうしたら次の日、膝とふくらはぎがパンパンになりました。
ふくらはぎはまあ、いわゆる筋肉痛というやつなのですが、問題は膝です。ここに疲労がたまるのは、正直あまり良いこととは言えないはずだというのは、素人でもわかることです。
何か間違えたかなと思って調べてみたところ、ステップ台からの降り方がまずかったらしいという知識にぶち当たりました。
台のほうに重心を残し、股関節を使うようにしてゆっくり降りていかないと、膝等に負担がかかる、という説明が、とある記事に書かれていたのです。
なるほど、と肝に銘じました。踏み台昇降運動、なかなか奥が深い。
10日目の異変
その後、フォームに気をつけながら、10日間ほど運動を続けました。
やっていた時間は、おおむね毎日90分です。
まずは筋トレをこなし、その後にアニメやYouTubeを観ながら、淡々とこなしていました。
初日の運動後に体験したような、膝とふくらはぎへのダメージはなく、完全に安心しきっていたというのが実際のところです。
――異変を感じたのは、10日ほど経ったある日のことでした。
踏み台昇降運動とは異なる、ある角度で膝を曲げる機会があったとき、そこに明らかな痛みが走ったのです。
嫌な予感がしたのは、言うまでもありません。
即刻中止、そして養生
慌てて「踏み台昇降運動 膝痛」で検索をしてみました。
すると、背筋が寒くなるようなとある記事がヒット。
そこには、踏み台昇降運動をした結果、膝を痛めてしまい、病院に行ったら医者から即刻やめるよう言われた、というエピソードが書かれていたのです。
その記事を読んだ直後、すぐに毎日のメニューから踏み台昇降運動を外すことにしました。
その日からは、膝をかばいながら、ひたすら回復を待つ日々です。
何とも恐ろしいことに、最初の数日はどんどん症状がひどくなっていきました。
いちばん辛い日は、1時間立っているだけで膝がかなり痛むレベルでしたね。
わずか1時間の立ち作業をすることができず、それを2回に分けて行わなければならないのは正直、シャレにならなかったです。
とにかく怖かったですね。
先述したように、素人なりに「関節を痛めるのは本当にマズイ」ということはわかっていたので、「やってしまった……」という後悔が凄かった。
体のためにやったことで体を痛めてしまう――まあ世間によくある話なのかもしれませんが、まさか自分がそんなことをやらかしてしまうとは思ってもみなかったので、心底情けない気持ちになりました。
そして現在
幸い、数日後からは少しずつ回復に向かったのですが、異変に気づいてから20日以上が経過した今も、実は完治はしていません。
スクワット等は問題なくできるので、筋トレに支障はないのですが、生活の端々にちょこちょこと影響が表れています。
朝起きた直後、膝を浮かせたときに軽く痛みがあったりしますし、やはり長時間立っていると、特有の鈍痛が膝に発生します。便座に座ろうとするときに、膝がちょっとギクッとする、なんてのもありますね。
この感じはもしかして一生残るのだろうか、と不安になっているところです。
もうちょっと様子を見て、それでも完治しないようだったら、一度整形外科に行って診てもらおうか、とも考えているところです。
お金がなくて困っている状況ですが……そういうことを言っている場合でもないので。
警告:正しくほどほどにやりましょう
私がこんなことになったのは、たぶん、正しいフォームを完璧には身につけていなかったことと、90分という時間が長すぎたこと、この2つが原因だったのだと思います。
本当に正しいフォームで、毎日20分くらいやるなら、恐らく問題のない運動なのでしょう。
体脂肪、体脂肪と必死になるあまり、やり方が乱暴になってしまったようです。
これから踏み台昇降運動を生活に取り入れたいという人は、上記の2点に注意してやってみるといいと思います。
……というか、絶対にこの2点は押さえるべきだと思います。
正しいフォームをきちんと調べて実践する。そして長時間やりすぎない。
ただ、有酸素運動によって本当に効率よく脂肪が燃焼するのは、20分ほど続けてからなので、「いよいよここから」というタイミングでやめてしまうのは勿体ないのではないかという気持ちもあり……ちょっと複雑ではあります。
おわりに
運動は素晴らしいものだと思いますが、ちょっとやり方を間違えると、簡単に怪我に繋がってしまうので、細心の注意を払う必要があります。
そのことを、正直なところ私は軽く見ていたのだと思います。
その結果として、こんな膝痛を手に入れてしまった。
後悔しても始まらないので、前向きに捉えるしかありません。
この膝がすっかり完治することを祈りつつ、これからは何事も、もっとちゃんと調べてから実行に移すようにしたいと思います。
先日、Twitterで次のようなツイートを見かけました。
「筋肉は裏切らないが、関節は裏切る」
まったくその通りですね。関節とは繊細に付き合う必要がある。
皆さんも、どうか裏切られないよう、お気をつけください。

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