天国的底辺

二次元、創作、裸足、資格試験、その他諸々についての思索で構成されたブログ

漫画の積ん読を崩して感想を書いてみた:その4

 数百冊の積ん読を少しずつ少しずつ崩していく企画の、第4弾です。

 読んでいく順番は本当に適当で、何となくピンと来たものから手当り次第に消化しているだけなので、たまにいろいろな意味で偏りも生じ得ます。

 今回の場合は、オススメ度の高いものが多い結果となりました。

 

 まあ、面白いと思える作品が多いのは純粋に良いことですよね。

 というわけで、順に挙げていきます。

 

新品で揃えたい人は

中古で揃えたい人は

 

 

エンチ『泣かないで 魔王ちゃん』1巻

オススメ度:★★★★★★★★☆☆

 

 魔王城アスモデウスの主である、大魔王アスタロリン(美少女)の奮闘を描くコメディ。

 主軸となるパターンは、様々な状況下で場内に侵入してくる勇者パーティーを、何やかんやの騒動の末にアスタロリンが「やみのいかずち」で撃退するというもの。

 勇者達は何度倒しても、始まりの街ビギンズの復活の泉で蘇るため、キリがありません。

 この説明からわかる通り、本作はRPGのパロディ要素を全面に押し出しています。

 

 最大の魅力は、アスタロリンとその手下達の、ちょっととぼけたやり取りでしょう。

 いったんお約束を踏まえて作り上げたデザイン及び組織構造を、コメディ的に崩しているわけですが、その味付けがとてもバランス良くできており、毎度毎度楽しめます。

 最高幹部である「十三魔将」の面々の、見た目は普通に最高幹部しているのに喋らせると面白グループになってしまうところ、好きですね。

 

 そして何と言っても、アスタロリンが可愛い。

 決して斬新なキャラクター造形ではなく、むしろ「美少女大魔王でコメディやるならまあこうだよね」という感じそのままではあるのですが、本作ではそれが心地よいのです。

 もちろん、ちゃんと最強であり、先述の「やみのいかずち」などはまさに一撃必殺。トイレで勇者と鉢合わせたときなどは、気が動転して勇者達と一緒に魔王城まで半壊させたほど。

 手下達には愛されているし尊敬されてもいる、いっぱしの大魔王なのは大事なポイントでしょう。たまにドジを踏みますが。

 

 第1巻は大きな話の転換を迎えたところで締められており、かなり続きが気になりました。

 あるいはそう遠くないうちに、第2巻の感想を書くことになるかもしれません。

 

カワハラ恋『未熟なふたりでございますが』1巻

オススメ度:★★★★★★★★☆☆

 

 新婚でラブラブだが未だに経験のない佐伯育馬・澄花夫婦が、無事に初体験を迎えようとあれこれやってみる……も、なかなか上手く事が運ばない、悶々ラブコメ。

 いや、夫婦にラブコメというのは少し変ですかね? その辺の言葉の定義はわかりませんが、でも内容的にはまさにそう表現するのがぴったりなので、使っておきましょう。

 とにかく甘くて可愛いラブコメです。

 

 いろいろ考え込むタイプだがそこそこ行動派の夫・育馬と、クール系美人だが純情で恥ずかしがり屋の妻・澄花は、ちょっと不思議な組み合わせに見えます。

 第1話の描写によれば、2人はいわゆる幼馴染の関係にあり、どうやら育馬のほうは昔からずっと澄花が好きだった様子。

 しかし澄花のほうがどういう心理の過程を辿ったのかは描かれておらず、いつから、育馬のどこを好きになったのかは謎だったりします。

 

 でもとにかく現在の2人は、お互いにベタ惚れ状態で、できるだけ早く結ばれたいと思っている。

 なのに、そういうムードになるたびに、気が削がれる何かが起きたりして、機会を逃し続けます。

 それを読みながら「もう何でもいいから済ませちゃえよ! ……ああでも可愛いなあ」みたいにやきもきするのが、本作の醍醐味ですね。

 

 良くも悪くも、えっちい描写は抑えめで行く作風。従って、お風呂シーンはあっても、胸の先っぽはありません。

 結婚している男女の初体験をテーマにしているのに、それはライト過ぎるのでは、という意見もあるでしょう。

 でも、それが全体の「良きほんわか感」に繋がっているところもあり、一概に是非を語れないものを感じます。

 

 澄花がちょっと大胆な行動に出そうなところで第1巻が締められたので、続きがとても気になりました。

 もし第2巻以降を買うことになったら、別枠で感想記事を書く可能性もあります。

 

赤衣丸歩郎『金の彼女 銀の彼女』1巻

オススメ度:★★★★★★★★☆☆

 

 憧れのお嬢様・綾之峰英里華が、曰くつきの泉に落ちてしまい、金髪と銀髪の2人に分裂してしまうことから始まるラブコメ。

 英里華は自由のない人生に対する不満を密かに抱えており、それが主に銀髪のほうに反映されます。これまでの彼女からは想像もつかない、乱暴な口調とがさつな性格。

 それをもって、主人公・安田登郎は、銀髪の英里華をしばしば「偽之峰」と呼んだりするのですが、しかしどちらも本物の綾之峰英里華。そこに本作の妙味があります。

 

 第1巻では、登郎と銀髪のやり取りが多く、凸凹コンビとしての面白さで引っ張ります。

 登郎的には、好きなのはあくまでお嬢様の立ち居振る舞いをする英里華なので、今のところ銀髪には直接はときめかない。

 銀髪も今のところ、登郎をそういう対象として見る気はさらさらない。

 しかし金髪が2人のやり取りに軽い嫉妬をしており、その金髪に「私達の好みはあまり変わらないのでは」と言われた銀髪が、登郎のクラスに別人として転入するところで、以下続刊。

 関係性の変化を予感させる、実に上手い締めだったと思います。

 

 絵も見やすく、ストーリーも軽快。非常にとっつきやすい内容です。

 この第1巻が刊行されたのは2014年、現在は全10巻で完結済らしいのですが、アニメ化の話とかなかったのでしょうか。

 もちろん第1巻だけで判断しきれるものではないのですが、非常にアニメ向きに感じられたんですよね。

 分割2クールで最後までやる、なんて企画が持ち上がってもいいような……。

 

 ちなみに、巻末に初期設定資料集があったのですが、その中の銀髪のデザイン案に、制服素足ローファー姿がありまして。

 欲を言えば、こっちでやってくれたら良かったのにな~、などと思ってしまいました。

 

佐野妙『うしろのカノジョ』1巻

オススメ度:★★★★★☆☆☆☆☆

 

 平凡なOL・後藤しろのと、彼女の前に生き霊となって現れた、幼馴染にして元ルームメイト・平塚アイを主人公に据えて描く、日常4コマ漫画。

 ストーリーはあるような無いような感じなのですが、「アイの肉体は今どこで何をやっているのか」というのが謎として提示されており、それをもとに人間関係が展開することもあります。

 

 ただ個人的には、生き霊というアイの設定が、一捻りしている割にはあまり有意義に機能していないな、というのを感じました。

 大抵の場合、お互いに触れることができないというネタか、二人の会話が傍目にはしろのの独り言に見えるというネタか、どちらかになるんですよね。

 最初のうちは良かったのですが、だんだん「それはもういいです」「毎回そこから語らなくていいです」みたいになってくる。

 第1巻の時点でこう感じさせるのは、あまり良いことではないよな、と。

 

 そしてその要素を除けば、残るのはあまり味のしない日常物で、そこまで惹きつけられるものもなく……。

 ちょっと残念だったな、というのが正直なところです。

 

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