私の趣味の一つに「無料セールのKindle本を買い漁る」というのがあり、主にそのせいで現在、数百冊の漫画の積ん読ができあがってしまっています。
前々からこれを何とかしなきゃと思っていたのですが、このたび思いつきまして、この積ん読を少しずつ崩して、その感想をブログ記事にしていくことを決めました。
自分ルールとして、感想が2,000文字溜まったらその都度記事にしていきます。なので毎回の冊数は可変。
また、どうしても自分に合わず途中で読むのをやめた作品は含めないことにします。
不定期にはなりますが、細く長く続けていく予定ですので、少しでも参考にしていただければ幸いです。
『レズ風俗アンソロジー』
オススメ度:★★★★★★★★☆☆
タイトル通りのアンソロジー。性質上(?)女性作家で占められています。
風俗といえば何よりもまず体の関係であり、当然ながら本書の各作品もそこの描写には力を入れているのですが、それ以上にどの作品も心情を丁寧に描くことを一番に置いているのが印象的ですね。
主人公(客である作品もあれば、嬢の側である作品もあります)は心に何らかの傷を負っており、それが「客と嬢」というビジネス上の関係を通して癒やされていく。
そういう話が多かったです。
どの作品も女性しか出てこないのですが、女性の描写と言って連想するような、ギスギスしたところが一切ないのは、大きな特徴でしょう。
いわゆる「優しい世界」というやつで、客も嬢もとても自然体に「良い人」として描かれています。
それをもって「ドラマ性に欠ける」と見る人には合わないかと思われますが、私にはとてもよくフィットしました。
行為の描写の過激度は「一般コミックの範疇には十分収まっている」レベル。
乳首は描かれていますし喘ぎもしますが、濃厚なエロスというよりは「綺麗」という表現のほうが似合う感じに調節されています。
百合好きで、「えっちいものに癒やされたい」人にはオススメの一冊です。
【追記】第2巻とまとめて、独立した感想記事を書きました。
『ラブライブ!サンシャイン!! コミックアンソロジー by Girls』
オススメ度:★★★★☆☆☆☆☆☆
オール女性作家による『ラブライブ!サンシャイン!!』のアンソロジー。
正直に言うと、表紙の千歌の裸足に惹きつけられ、「何か裸足になってあれこれするエピソードが収録されているのかな」みたいな期待をしたというのが購入の動機。
で、結果どうだったかと言いますと、中身には裸足要素はまったくありませんでした。
その逆恨みで言うわけではないのですが、内容的にもいまいち「これ」というものがなかった印象です。
方向性を一言でいうなら、対象年齢の低い少女漫画……という感じでしょうか。
モノがラブライブだけに、公式的に恋愛を描くのは御法度。そうなると残るのは「頑張り」とか「夢」とか「友情」になるわけですが、いずれも表面を何となくなぞりましたという域を出ず、ちょっとぬるかったように思います。
吉谷光平『今どきの若いモンは』1巻
オススメ度:★★★★★★★☆☆☆
Twitter発祥のお仕事漫画。
序盤は主人公の新人女性・麦田から見た、渋い課長・石沢の細かいエピソード集のようになっています。
「今どきの若いモンは」が口癖で、でもそれに続く言葉が愚痴でも説教でもなく優しげで現実的な課長。高身長でタバコのよく似合う姿が実にイケている。
中盤からは「仕事の充実感・苦難・不条理」をテーマとして掘り下げた話が展開され、麦田の成長物語のような感じに。
ここら辺の方向転換は意見の分かれるところでしょう。タイトルだけで判断すると、想像よりべったり真面目なものを見せられて、人によっては「漫画でまでこういうの味わいたくないよ」と思うかもしれません。
そこは注意が必要ですね。
あとはまあ、これは本当に個人的な見解なのですが、仕事における不条理や不透明性を「それを乗り越えるのが大人だ」みたいに語るのって、あまり熱を入れると、不条理や不透明性の味方に付いてモノを言っているように聞こえるんですよね。
実際のところ、不条理も不透明性も「生産性を妨げる人災」であり、そんなもので他人を振り回さないよう努めるのも「大人」の仕事のうちじゃないですか。
そこは普通に、そういうものを仕事に持ち込んできた人間を批判すればいいところであって、振り回された側に「それが大人の世界」みたいに言うのは、成長を促すと言えば聞こえはいいですが、前提とセットじゃないとおかしなことになるなと思うわけです。
遠山えま『かみかみかえし』1~2巻
オススメ度:★★★★★☆☆☆☆☆
現代ファンタジーの少女漫画。なかよしコミックス。明らかに私がターゲットではないこの作品をなぜ買ったかといえば、単純に0円で売っていたからです。1円でも付いていれば、たぶんこうして読む機会はなかったことでしょう。
主人公・ましろの髪の中に封印されていた神様達と、ましろを幽閉していた神束家の戦いが物語の軸となっています。
2巻まで読んだ印象としては、つばぜり合いが起きては、決着つかずで終わっていくことの繰り返しに、ちょっともどかしさを感じました。
かといって、毎回捨てキャラを用意して神様達に撃退させればいいかというと、それも違う気がするので、まあ難しいところではありますが。
あと、特に神束家側がそうなのですが、「隠し持っているもの・こと」だらけで、掴みどころがないのが気になりました。
謎を用意するのは当然としても、一方でもっと「見せていく部分」もないと、吸引力に欠けるのではないかと感じたのです。
でも連載が続いたということは、狙った読者にはきちんと受けていたということで、それならそれで、いいのかな……。
ましろはちょこちょこ裸足姿で描かれており、それは嬉しい要素なのですが、ちょっと残念だったことも一点。
彼女は2つの姿を持っていて、成長を封じられたロリverと、年相応の高校生verがあるのですが、裸足姿はロリverに多く、このときの裸足の描き方が、私の感覚からするとほとんど赤ん坊のレベルにデフォルメされているんですよね。
いくらロリとはいえ、もうちょっとこう、裸足の艶めかしさを出してくれたらいいのにな、と思ったのですが……まあ、これは裸足フェチの戯言でございます。
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