今日、私のTwitterアカウントのPC版UIが強制的に新しいものに変わったので、その使用感を報告したいと思います。
といってもまあ、大体想像がつくと思うのですが、皆さんもおっしゃっているように、その第一印象は決して良いものではありません。
その意味では「わざわざ書かなくても」という気もしなくもないのですが、一応その詳しいところを記しておきたいと思います。
旧UIで粘ってきたのだが遂に
これまでずっと、Twitter社に新しいUIを勧められてきながらも、頑なにそれを拒否して古いUIを使い続けてきました。
古いUIが完璧だったというわけではもちろんありません。それなりに改善の要望があり、仕様に頭を抱えながら何とか工夫していた面もおおいにありました。
しかしそれでも、私にとっては古いほうを使い続けるほうがベターな選択だったのです。
私は一応、現状のスタイルに固執することをあまり良しとしない人間を自称しています。
どんなスタイルにも欠点というものがあり、状況の変化による寿命というものがある。そういうのを無視して、従来のかたちを変える必要がないと主張し続けるのは、老害化へ一直線の危険な生き方と言うべきでしょう。
しかし、新しいUIの評判があまりにも良くないので、例外的にこの件に関してだけは、新しいものを試してみようという気にならなかったのです。
ところが今朝、何の気なしにTwitterを開いてみたら、画面が見慣れないものに変わっていました。
混乱はありませんでした。「ああ、とうとう新しいものに強制的に変わってしまったんだな」というのを、1秒もしないうちに理解することができました。
まあ、いずれこういう日が来ることはあらかじめ承知していたわけです。
肝心なのはその使い勝手なのですが――最初の3分の印象は、率直に言って最悪に近いものでした。
あまりにイケてないので、事前にTLに流れてきて知っていた方法で、すぐにホーム画面を旧UIに戻してしまいました。
同じ行動に走ったのは、たぶん私以外にも大勢いることでしょう。
(ちなみにその方法は、「もっと見る」→「設定とプライバシー」→「Twitterについて」→「プロフィール一覧」→左上の「ホーム」、とクリックしていくというものですが、恐らく不具合として残っているだけなので、近いうちにできなくなると思われます)
しかし、このやり方で戻せるのはあくまでホーム画面だけ。リストやら何やらまでは戻すことができない。
それがわかってから、少し落ち着いて考えてみました。
新しいUIは今のところちょっと認められそうにないが、そこには「慣れ親しんだものの喪失より、新しいものの獲得のほうが認識しにくい」という人間の性質が働いているのではないか?
だとしたら、毛嫌いするのは後にして、まずはいったん飲み込んで、あれこれ触ってみるべきなのではないか?
そんな風に考えまして、とりあえず新UIを使い込んでみる方向に、考えを変えることにしました。
実のところ、こんな風に「自分のスタイルを強引に変える」ことにも、ある種の快感はあるものなのです。
新UIの気になるところ
そんなわけで今日一日……といってもずっとではありませんが、新UIにあえて頭からどっぷり浸かってみた次第です。
で、初日の結論としては次のようになりました。
「今のところはまだ、凄く使いづらい」
具体的に何が気になったのか、以下にざっと列挙していきたいと思います。
ホーム画面でツイート数、フォロー数、フォロワー数がわからない
ドラクエ開発秘話を描いた漫画『ドラゴンクエストへの道』の中に、スタッフがこんなこだわりを見せるくだりがあります。
「つよさ」を見るウィンドウを開けば、様々なステータスと一緒にレベルも知ることができるが、それとはべつに、普段から表示されているウィンドウにもレベル表示は絶対に要る。「今レベルいくつ?」というのは大切なコミュニケーションのとっかかりであり、何よりも優先的にわかる必要があるからだ――。
TwitterはもちろんRPGではありませんが、上記3つの数字に関しては、RPGにおけるレベルと同じであるというのが、私の感覚です。
特に誰と競うわけではなくとも、それらの数字は「今の自分」を表す大きな要素であり、それを知るのに一手間かかるというのは、設計として明白に間違っている、と。
特にツイート数は、万単位の場合、1の位まで正確に表現したものがどこを探しても見つかりません。これは問題ではないでしょうか。
それを知りたい場合、例えばTweetDeckなどを別個に開く必要があるのです。
この点については、「情報を得られない」という明らかな退化ですよね。早期の改善を切に望みます。
上記も含めて、左のカラムが大きい割に情報量が少ない
左のカラムには「ホーム」から「もっと見る」までが縦に並んでいるわけですが、空間を広くとっている割に、情報が少なすぎます。
フォントをやけに大きくすることで、いかにもフィットしている感を出そうとしていますが、ごまかせていません。
これだったら、「ホーム」の上にユーザーの現在の状態――先ほど書いた3つの数字を表示するほうが、遥かに便利だし、空間の使い方としても自然なのではないでしょうか。
名前ポップアップでヘッダー画像が表示されない
名前(ハンドル)にカーソルを当てると、そのアカウントのざっくりとした情報がポップアップ表示されるわけですが、なぜかヘッダー画像が表示されなくなりましたよね。
Twitter社の考えとしては、アカウントのアイデンティティはアイコンとbioで十分に表現されており、ヘッダー画像はあくまでもプロフィール画面を装飾するものでしかない、ということなのかもしれません。
しかし私の感覚においては、ヘッダー画像もまた、そのアカウントの運営方針を測る上での大きな判断材料になり得るものです。
ヘッダー画像がきちんと用意されていて、それが自分の嗜好に合っている場合、「ちょっとプロフィール画面に飛んでみるか」となる可能性は飛躍的に増します。
少なくとも、それが邪魔になることは決してない。
なので、ポップアップにもぜひヘッダー画像を加えて欲しいというのが、私の要望ですね。
画像を1枚だけ貼った場合にもTL上で切り抜き表示されてしまう
複数の画像を貼ったときに、その表示が整形され、画像の一部のみ表示されてしまうのは、まあ仕方ないことかなと思います。
しかし新UIでは、1枚だけ画像を貼ったときにも、規定の比率で画像が切り抜かれ、端が見えなくなってしまうんですよね。
これは個人的に非常にいただけません。
というのも、私はTwitterで常日頃、趣味で熱心に裸足の女の子のイラストを集めているんです。
で、その性質上、裸足は画像の中央付近ではなく、端のほうに描かれていることが多い。
そうなりますと、ある画像が「裸足イラスト」がどうかを、いちいちクリックして確かめなければならない手間が発生するわけです。
もちろん、極端に縦長だったり横長だったりする画像は、従来から端がトリミングされる仕様だったのですが、標準的な縦横比の画像は忠実に表示されていました。
新UIでもその仕様に戻して欲しいところです。
「もっと見る」をクリックすると、同じ場所に「ログアウト」が表示される
左カラムの「もっと見る」をクリックすると、いわゆる詳細設定的なものが新たなウィンドウで表示されます。
それ自体の是非はまたゆっくり考えるとして、一つハッキリ「まずい」と感じる点がありました。
それは、新たに現れるウィンドウの一番下に用意された「ログアウト」が、「もっと見る」と重なるかたちで表示されることです(少なくとも私の環境ではそうなりました)。
これの何がまずいかというと、マウスがチャタリングを起こし気味の人などが、クリックのつもりで間違えてダブルクリックをしてしまい、その気もないのにログアウトという結構大きい選択をしてしまう可能性が出てくるのです。
アカウント消去とかではないので、致命的とまでは言いませんが、厄介は厄介でしょう。
ユーザー側に「気をつけてくださいね」と要求して終わるには、話がくだらなすぎます。
ウィンドウを「もっと見る」と重ならないように表示すれば、それで済む問題だからです。
Twitter社はこの仕様をすぐに改善すべきだと思います。
勝手に更新されていくので、過去ツイートの「溜まり具合」がわからない
TLやリストの仕様上、遡れるツイートの数には限度があります。
なので旧UIにおいて、私はリストの内容をすべてチェックするために、リストを表示させっぱなしにして、溜まった新規ツイートの数を確認していました。
例えば400とか溜まっているようなら、その内容をいったん読み込ませ、後で決めた時間に読むようにしていたのです。
しかし新UIになり、最新ツイートが自動的に更新されていくようになりました。
こうなりますと、「古いツイートを読み込ませて保持しておく」タイミングがわからなくなってしまいます。
TLやリストで、遡れないほど古い箇所を後から読む、という行動に支障をきたすようになってしまったのです。
これは残念ながら、ブックマーク機能ではカバーすることのできない問題です。
あれは単体のツイートを保持しておくもので、ある時間帯の流れ全体をどうにかできるものではないからです。
設定を見てみたのですが、ツイートの自動更新をオフにする手段は見つかりませんでした。
ここを自由に選択できるようになって欲しいですね。
TLやリストを「流す」かどうかは自分で決めたいのです。
「不便」と「不慣れ」の区別は重要
以上、初日に気になった点をざっと挙げてみました。
ただ私としては、これらを自分の「決定案」とするのは、まだちょっと早いかなと思っています。
あくまでも「現時点の感想」に留めておきたい。
というのも、個人的なこだわりとして、「不便であること」と「不慣れであること」の違いには慎重でありたいからです。
考えを変えることを強制されるのは不服ですが、かといって「変わるコストからくる面倒臭さ」を機能の駄目さと錯覚する頑固者にもなりたくないんですよね。
その点、初日ではまだ自信をもって判断できない、というのが正直なところなのです。
せめて、新UIだからこそできるようになった(あるいは有意義になった)ものを、少しは見つけてから立場を決めたい。
それらがまったくないはずはないのです、さすがに。
……いや、最悪のパターンとしては、なくもないですかね?
例えば、ユーザー側に何のメリットもないけれども、モバイル版に寄せるという目的のためだけにこういうことになったとか。
あるいは、何かこんな感じのほうが今っぽいでしょ?みたいなノリとか。
無いとは……言い切れないのかなあ。
おわりに
以前Twitterに流れてきたどなたかの意見で、「Yahoo!の古臭いUIにも、変わらない安心感を提供するという意味がある」というのがありました。
それはそれで、一理あるなとは私も思います。
しかし、繰り返しになりますが、私としては変化に対応するコストをあまり重く考えたくないんですよね。
この辺り、明日以降も使っていくことで、よりハッキリと本質が見えてくるのを待ちたいと思います。
個人的な願望としましては、UIを変更する際には、詳細な設計思想を一緒に公表して欲しいところです。
その通りに使っていく義理はもちろんありませんが、少なくとももう少し話がわかりやすくなると思うのです。
そういうのをTwitter社に求めるのは……やはり無茶ですかね……。