天国的底辺

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【北斗の拳】ケンシロウが負けた相手、全部で4人いる説

 先日、久々に『北斗の拳』に触れる機会がありまして、今回はそのとき改めて考えたことについて、少し書いてみたいと思います。

 お題はタイトルの通り、ケンシロウ(ここでは北斗神拳継承者となった後の彼に限定します)が負けたことのある敵キャラについて。

 原作とアニメではやや違うところがありますが、ここで進めていくのは原作の話となりますので、その点よろしくお願いいたします。

 

 

通説では3人

 まずは通説を整理しておきましょう。

 一般には、ケンシロウを負かしたことのあるキャラは3人いると言われています。

 

 まず最初のキャラは、南斗六聖拳の一人(後づけ設定では「南斗孤鷲拳」の使い手となっています)、シン

 先代のリュウケンの墓に別れを告げ、恋人ユリアと共にさあ旅に出ようと腰を上げたケンシロウの前に立ち塞がり、一騎打ちの末にケンシロウを撃破。

 ケンシロウの胸に七つの傷をつけ、ユリアを奪って去っていきました。

 

 次のキャラは、同じく南斗六聖拳の一人にして南斗最強の男、南斗鳳凰拳の使い手、聖帝サウザー

 生まれながらに体内の臓器などが左右逆であり、よって秘孔の位置もすべて逆。

 そのためケンシロウが攻撃しても致命傷を与えることができず、逆にその全身を切り刻んで返り討ち。自身の墓となる聖帝十字陵の生贄にしようと画策しました。

 

 最後に、北斗琉拳の使い手にして、修羅の国の第一の羅将・カイオウ

 いわゆる「魔界に入った」状態であり、全身から常に魔闘気を噴出させた異様な姿。

 そのインパクトに違わず、ケンシロウとの初戦では彼をまったく寄せ付けず、圧倒的な力の差を見せつけて勝利。

 後の再戦でケンシロウを勝たせるストーリーを作るのに相当苦労したのが、その内容からありありとわかるほどの圧勝劇でした。

 

勝負ありとはどういう状態か

 ここまでさらっと勝ち負けを説明してきたのですが、そもそも「勝負あり」とはどのような状態を指すのでしょうか?

 

 まず基本となるのは、どちらかが命を落とすという結末でしょう。「試合ではなく死合」みたいな言葉を持ち出すまでもなく、これによって勝負がついたとされることは言うまでもありません。

 そして、それに準ずるものとして、いわゆる戦闘不能状態が挙げられます。

 これはつまり、どちらかが戦闘不能に陥ったなら、あとはもうトドメを刺すだけなのだから、そこから先をわざわざ実行しなくてもその時点で勝負あったと考えてよい、ということです。

 将棋において、実際に王将が取られる前に終局になるのと同じ理屈ですね。

 

 この戦闘不能状態には、2つのパターンがあります。

 まず1つ目は、動けないほどの大ダメージを受けること。どれだけ戦う意志が残っていても、肉体がそれに呼応しない状態であれば、これは明らかに戦闘不能、イコール敗北です。

 そして2つ目は、気を失うこと。これは1つ目とは逆に、どれだけ肉体的に戦闘能力が残っていたとしても、それが無防備な状態に晒されたら終わりだということです。その間に相手はいくらでもトドメを刺せるので、これも戦闘不能、イコール敗北であると考えるべきでしょう。

 

 今回のポイントは、このうち2つ目の定義です。

 

ケンシロウを気絶させた第4の男

 結論から言ってしまいますと、先述の3人の他に、原作内でケンシロウを気絶させたキャラが一人だけいるのです。

 それが、カサンドラの獄長、ウイグルです。

 

 彼の必殺技は、その巨体で相手に突進していき吹き飛ばすという、かの有名な蒙古覇極道。

 ケンシロウがカサンドラに攻め入ったとき、ウイグルはその戦いでケンシロウの全身を無数の鞭のようなもので縛り、動けなくしたところで、その蒙古覇極道を真正面からケンシロウにぶつけます。

 強靭なはずの鞭がすべてちぎれるほどの衝撃で、ケンシロウは吐血。遥か遠くまでふっ飛ばされ、そこでいったん意識を途切れさせました。

(この辺はアニメ版だといっそう顕著で、気絶する描写がより明確に挟まれています)

 

 ストーリーの展開上、ケンシロウの「復活」は早く、たぶん作中の時間にして2分もないくらいのあいだに、気がつけば再び立ち上がりウイグルを睨みつけている、という描かれ方をしています。

 そのため、何となく読み進めていると、その空白をあまり意識することができません。

 しかし確かにケンシロウはそこで一度気を失ったのです。

 つまりケンシロウは、一度ウイグルによって戦闘不能状態にさせられ、その後「再戦」で勝利したということになるわけです。

 

結論

 ここをきちんと考えるならば、ケンシロウが負けたことのある敵キャラは、全部で4人いるということになるでしょう。

 すなわち時系列順に、シン、ウイグル、サウザー、カイオウです。

 

 ここで念を押しておきたいのは、この4人こそケンシロウが戦ってきた中で「最強の4人」である――などと主張したいわけではない、ということです。

 あくまでも勝負の定義を明確にした上で、それに厳密に則ると「ケンシロウが負けたと解釈できる」のはこの4人になるよね、ということが言いたいのです。

 

 最近では『北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌』なるスピンオフ漫画が展開しており、ウイグルは愛すべき雑魚キャラの一人として、その中に登場しています。

 そう、雑魚キャラ。それが世間のウイグル観なのでしょう。私としても、全部ひっくるめたイメージとしてそうなってしまうのは仕方のないところだと思います。

 しかし、それでもです。

 ウイグルはケンシロウとの初戦に勝った男なのです。厳密に言うのであれば。

 

 当ブログでは、半分冗談、半分本気で、今後ともこの解釈で『北斗の拳』を捉えていきたいと思っている次第です。

 

おわりに

 Wikipediaによれば、『北斗の拳』の連載期間は1983年41号~1988年35号の、約5年間。

 ということは、1年数ヵ月に1回は、ケンシロウの敗北が描かれたことになります。

 ケンシロウは今でも「最強の男」として扱われることが多い主人公ですが、その割には結構負けていたんだな、という印象です。

 現代だと、ああいう強キャラ扱いの主人公が、こういうペースで負けるというのは、展開的にどうなのでしょうね。

 この記事を書いていて、その辺ちょっと興味が出てきました。

 

 あと余談として――私はパチンコの類をやらないのでよくわからないのですが、『北斗の拳』のパチスロにおいて、ケンシロウがやたら弱いという話を聞いたことがあります。

「ケンシロウ 弱い」で検索すると、そういうのがヒットする。

 私はパチンコ・パチスロ業界に二次元コンテンツが行くことについて特に思うところはないのですが、あまり原作のイメージと違うようだと、それはちょっとアレかなとは、他人事ながら感じます。

 そもそもあの業界、「強い主人公」と相性が悪そうですし……。