本日、第26回電撃大賞の一次選考結果の発表がありまして、私が小説部門に応募しておいた作品が無事通過している旨を確認いたしました。
その報告をさせていただくついでに、今日はこの件をちょっと深掘りしたいと思います。
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ヤケクソが通過した
実を言うと、今回一次を通った作品は、いわゆる「新作」ではありません。
去年、電撃大賞・小学館ライトノベル大賞・MF文庫Jライトノベル新人賞の3つに使い回し、そのすべてで一次落ちした作品を、再び電撃大賞に送ったものです。
しかも、リライトする時間が取れなかったので、落選したものをほぼそのままのかたちで再応募するという雑さ。1文字も変えずに再応募すると規約違反になるので、それを免れるために数文字いじっただけ。
応募しない年があると、サイトに作ったアカウントが消えてしまうらしいので、それはちょっと嫌だなと思って行った、極めてテキトーな作業でした。
その結果が、前回とは違っての一次通過。
もちろん、その変えた数文字に何か効果があったとは到底思えません。何しろ本当に、適当な箇所を拾って、てにをはレベルでちょこっと書き換えたに過ぎませんでしたから。
要するにこれは、下読みさんとの相性が、前回は悪く、今回は良かったということなのでしょう。
小説新人賞の一次選考が(特に電撃のように一気にふるい落とされる規模の賞では)多分にギャンブルの要素を含んでいるというのが、如実に出たのだと思います。
これまでの成績・最新版
今回一次を通った作品は、私が人生で8本目に書いた長編です。
これまでの成績を表にすると、次のようになります。
電撃 | ガガガ | MF | 集英社 | |
---|---|---|---|---|
1本目 | 三次落ち | 一次落ち | 二次落ち | - |
2本目 | 一次落ち | 二次落ち | 一次落ち | - |
3本目 | 三次落ち | 一次落ち | 二次落ち | - |
4本目 | 一次落ち | 一次落ち | 二次落ち | - |
5本目 | 二次落ち | 一次落ち | 二次落ち | - |
6本目 | 一次落ち | 二次落ち | 二次落ち | - |
7本目 | 一次落ち | 一次落ち | 一次落ち | - |
8本目 | 一次通過[New!] | 一次落ち | 一次落ち | - |
9本目 | - | - | - | 一次落ち |
個人的に大きな意味があるのは、今回初めて、キャラクターの履歴書を作ってから書いたものが一次選考を通過した、という事実です。
詳しいことは下の過去記事を読んでいただきたいのですが、私は途中からキャラクターの履歴書を作るようになったものの、それを境に結果が出なくなっていたんですよね。
それで「このメソッドは自分には逆効果なのではないか」などと思っていたのですが、ここに来て一つ、朗報が入ってきたというわけです。
まあ、逆にコトが難しくなった面もありますけどね。今後どういう作り方をしていくべきなのか、これでますます悩むことになってしまいましたから……。
本作を振り返る
今回の作品をネタバレしない範囲で語ると、私が初めて書いた群像劇です。
書き終えた当時、私の中では「自分史上もっとも面白いものができた」という実感がすごくあり、かなりハイテンションな状態で応募したのを覚えています。
なので、その後の結果の出なさには、本当に首をひねってしまいました。
先述の通り、これまですべて一次落ちしてきた本作ですが、応募した賞の中で唯一、MF文庫Jライトノベル新人賞だけは、一次落ちの作品にも評価シートをくれるシステムになっており、一応そこで他者の評価というものを得ることができました。
そのまま転載するのは規約に反するので、その論旨を箇条書きしますと、おおむね次のような指摘を受けました。
- 冒頭から設定説明が多く、若い読者を意識したものになっていない。
- キャラクターの魅力をいかに読者に伝えるかという視点が欠けている。
- 活き活きとした魅力に繋がる構成になっていない。
MFの評価シートは「若い読者」をすごく意識する傾向にあり、それを本作でも言われています。
また、群像劇の肝とも言うべきキャラクターの魅力にもダメ出しを受けてしまいました。
改めて本作を回顧すると、確かに各キャラクターの半生を描くパートが結構あり、それを単なる「説明」と受け取られるとキツイところはあったかもしれません。
でも、自分ではよく書けていると思うんですよね。
この作品に限らず、私は過去に書いた自作を読み返して、つまらないと感じることがほとんどないんですよ。
自分好みの書き方だなあ、誰が書いたんだろう、ああ自分だ、みたいな感じになる。
これはもしかしたら「一向に成長していない」証拠なのでしょうか?
その可能性は……確かになくもないなあ……。
おわりに
ぶっちゃけ、今回の作品が何か賞を獲るところまで行くとは思っていません。
何しろ、もともとは一次落ちしまくったものですからね。実のところ今回も、ギリギリで生き残ったに過ぎないのだろうと、理性の部分では捉えています。
でも、「もしかしたら、二次選考以降で当たる編集者さんとの相性次第では、もうちょっと上まで行けるかな」という期待までは、なかなか捨てられませんね。
その意味では、けっこう高揚しています。
また、少なからず、これから書こうとしているものへのモチベーションアップになりました。
ここのところ一次落ちが連続していたので、もう二度と浮上できないのではないか、みたいな発想になったりもしたのですが、そういう問題ではないことがかたちになったのは大きいです。
最近はこのブログに時間を取られて、小説に回す時間があまり無かったりするのですが、そこはしっかりタイムマネジメントをして、来年の電撃大賞にはまた一本送り込みたいと思っています。
頑張りたいですね。
全ての文字書き必見。推敲も校閲も面倒見てくれます。
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